ミミズ一郎は考える。
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
誤字脱字報告ありがとうございます。
結構見落としてますね。
申し訳ないです(/ω\)
ヤッホー♪僕の名前はミミズの一郎。
ワームっていう魔物だよ。ヨロシクね♪
見た目は気持ち悪いとか、ウエ~……など言われて嫌われていたよ。
今はご主人様のおかげで、領内では人気者なんだ。
それこそ一緒にウネウネ踊りしたり、海辺ではビューとスピード競争で遊んでる。
海辺と言えば、初めてスピード競争を漁師達としてた時、ご主人様の凄い悲鳴を聞いたな。
何でも前世の異世界では、ミミズは塩で溶けるらしいよ。
だから海に入っていたから、焦って驚いたそうだよ(笑)
僕たちは海水ヘッチャラなのに、ご主人様ったら心配症。
でも嬉しいなぁ♪それだけ魂寄せてくれる。
僕たちは嫌われ者だった分、それがとても心地良い。
今の僕たちはとっても幸せ者なんだ♪
僕たちの出会いは必然だったんだと思うんだ。
ワームは地中で生きる分、魔石も魔力もかなり食べ放題でね。
身体は大きくなるし、増え方も尋常じゃない。
だから仲間内で弱肉強食で、僕は負けて追い出された。
ワームって団体行動生物なんだ。
一匹だといろんな奴に狙われる。
だってデカいし、魔力も結構持っている分、餌として最適。
地上に出ると、目立つよねぇ。
それに食生活が大変なんだ。
魔石を自生産しないと、いろいろと足りない。
でも魔石を作るには、集団じゃないと作れない。
魔石代わりの魔力は、湧き出る所にコミューンが形成されて満杯。
だからひもじい思いで、地中をウロウロと住処になる場所を探していた。
一匹だと大変だから、効率を考えて身体を分裂した。
そうして仲間を増やして、いろんな処を探索をするんだ。
分裂すると魔力減っちゃうし、体力消耗しちゃうけどね。
探すのは大変だよ。すぐ見つかるモノじゃない。
だからいろんな魔物と知り合い、情報を収集するんだ。
魔物同士で、結構コミュニケーションを取るんだよ。
情報って大事だね。人よりもシビアに考えている。
そんな感じで時間を過ごしていると、1匹の仲間から”旨い土がある♪”と伝達が来る。
魔力はないのに、旨い土ってどういう事?と思いながら向かったんだ。
だってね、魔力がない土って、とっても苦くて不味いんだよ。
だから僕たちは魔力が湧き出る所や、魔石がある所を住処にしているんだ。
ただ過剰摂取すると勝手に身体が分裂するし、破裂したり溶けたりして大変。
罷り間違うとその体液で住処周辺が固まり、動けなくなったり、地上に出れなくなる事もある。
ある所のコミューンなんか気付くのが遅すぎて、何処にも逃げられず大きな魔石になった事もあるよ。
今ではその魔石、何処かの国で『月の涙』って名をつけられ、大層大事にされている。
実際は月じゃなく、『ワームの涙』が正解だね。
結構そんな失敗談あるんだよ。困っちゃうよね。
まあそんな感じで、こちらに移動したらご主人様と出会ったんだ。
始め見た時は、なんて痩せて貧弱な子だろうと思った。
チビでやせっぽち。さすがに食べる気も起こらないよ。
ある意味、彼女と僕たちは腹ペコ仲間なんだ。
クルクルと空かせた腹の虫が虚しく響いてた。
そんな彼女が通った後の土は、何故か美味しくなっている。
空気もタップリ含まれて、何か美味しい物が混ぜてあるんだ。
そんな訳で僕たちは住処をここに決め、”美味しい♪”と思いながら暮らした。
のんびり過ごしていると、たった5匹でなぜか魔石が出来上がる。
コレにはさすがの僕たちも驚いた。
それに僕たちの住処の土を使った食物が、驚きの変化をもたらす。
なんだか最近美味しくなってるなぁとは思っていたよ。
だからちびっこ偵察を派遣し観察すると、人間達が僕たちの住処の土に感謝しているんだ。
「ココの土のおかげだ」とか言って、「ミミズさんありがとう」と言われる。
なにがなんだか訳わからないよね。
でも何となくすごく嬉しい気持ちになったんだ。
”ああ…… 僕たちとても必要とされている~♪”
そう気づかされると、凄く誇らしく思えるじゃない。
だから隠れていろいろと、もう張り切っちゃったよ♪
すると更に土のご飯は美味しくなるし、皆も更に喜び感謝してくれる。
降って来る肥料というご飯を食べてみたら、旨さの違いがわかる。
ホント僕たちの土は、とっても美味しい食物を作るんだね。
時々この領以外の土や食物を食べると、もう不味くて不味くて信じられないよ。
僕たち何であんな不味い物、食べていたんだろうね。
もうここ以外で暮らすのは無理だよ。
そうなるとここは絶対死守するしかない。
その中心人物はあのやせっぽちの小っちゃな女の子。
”ウワ~…… ヤバい絶対守らなきゃ大変だ!”
僕たちはそれに気づいてから、いろいろと頑張ったよ。
それなのに、なぜかあの子は狙われている。
そう彼女はいろんな人達に狙われていたんだ。
あんな小さくて、やせっぽちな女の子なのに………
彼女はただ周りを楽しませ、幸せになろうとしているだけなのに………
そんな彼女を悪意という感情で邪魔しようとする奴らがいる。
ホント人間て何なんだろうね。
彼女のする事は自分達にとっても有益なのに、意味のない自尊心で動く。
僕たち魔物は必要だから襲うけど、人間は己の欲で襲う。
僕たちは生きる為に襲うけど、人間は邪魔だからと襲う。
ホント人間って、凄く欲深くて馬鹿なんだ。
だから人生が短くて儚いのかな?
そんな感じだったから、従魔にしてくれないかなぁ。
そうすれば守り易くて助かるのになぁと、僕たちは遠目から観察していたんだ。
(僕たち見た目アレだから、わかっているよ)
ときどきちびっこ偵察を出して、周辺の情報収集をする。
すると彼女と接触して、いつも「ミミズ」って偵察隊に言う事に気づいた。
だから”あぁ…… 僕たちミミズなんだ”と思ったら、契約完了しちゃってた。
アレって感じだよね。もうホントびっくりだよ。
でも嬉しかったな♪
彼女も僕たちを認めて、必要としてくれた事に……
お腹の鳴らないご主人様を見ると誇らしいよ。(笑)
ホントあれからも、いろんな事が起こる。
ホント人って、なんか面倒くさい生き物だよね。
僕たちはご主人様を守る為、日々奮闘しなきゃならなかった。
僕たちはコミュニケーションを駆使して、手が足らない所を補強する。
だってご主人様は領の人達も大好きなんだもの。
僕たちワームだけじゃ大変だし、ご主人様の欲求に応える事も従魔の仕事。
適材適所で知り合いの魔物を派遣する事も簡単だった。
ちゃんとwinwinの関係だし、皆も納得している。
むしろ役得だって大喜びして頑張っているよ。
今では皆ご主人様の虜、大切な宝物なんだ。
ところで僕たちのご主人様は、いろいろと規格外な人だ。
何と別の世界で、100歳も生きている。
コチラの人族は、50年を目安にするから凄さがわかるよね。
80歳生きればブラボーものだよ。
なのに前々世はコチラで、今と同じ時間軸で二度目を生きている。
僕たち魔物は啞然としたよ。これホントだよ。
そこでその時の生の内容を聞いたんだけどね。
人間てホント意味がわからない生き物だなぁと思うよ。
僕たち魔物にはわからない構造をしているんだろうな。
複雑なのは、頭の構造なのか?精神の構造なのか?
とにかく面倒くさいとつくづく思ったんだ。
ご主人様も何で素直に言う事を聞くのかな。
反抗したらダメなの?
ホントいろんな理由があるんだろうけど大変だよねぇ。
でもね、僕たちはご主人様と契約で繋がっている。
だからその話を聞いていた時、いろんな思いや感情が僕たちへと流れて来た。
おかげで王宮の人達がした不愉快な事を、まざまざと体感した。
ご主人様もそんな事になるとは思わず、話したんだろうね。
でもその事を僕たちは言わないし、知らせるつもりもないんだ。
知らせたらご主人様大変でしょ?
僕たちも知らない事は、都合いいし動き易いからね。
僕たちは所詮魔物だし、その事に対してそういう反応を返すのは仕方がない事。
それに僕たちワームとの繋がりは他の従魔と違う。
僕たちは直接対話で繋がったわけじゃない。
互いの認識、深層の中での繋がりなんだ。(奇跡だね)
だから僕たち(ワーム)は、動きがちょっと違ってくる。
これは、ご主人様には内緒にしている事なんだ。
****************
”一郎!ご主人様元気にしてる?”
”もちろんだよ。今日も美味しいご飯を作ってる。日本食~♪”
”いいなぁ……… 魔石好きな僕でも今の食生活はツラいよ。”(´;ω;`)ウッ…
”だったら、僕らはもっとツラくなるから頑張れ♪”
”ひどいなぁ~、今度ご主人様にいい子いい子されたい。”
”うんうん、頑張れ~♪”
三郎は王都から来た者達(ドリアス殿下一行)の後を監視している。
その後どうなるのか観察するのが、主な目的なんだけどね。
前々世ではお間抜けな事になっていた人達だから、この後もどうなることやらw
だけど三郎はそんな事より現実が大事。
”もう僕、今凄く王都組の人達と分かち合いたいかも…… ツラいよ。食って大切だよ”
”何か共感させられることでもあったの?”
”ウン、今食事の時間なんだけど、皆が飯が不味くて食えないと泣いて愚痴っているよ。僕は領の魔石を食すからいいけど、彼らは大変だねぇ…… ”
”罰だな。ざまぁ!! 一生糞マズな飯を食え~♪”
その様子を見れない事が悔しいなぁ。
三郎は共感中だけど、まだまだ始まったばかりだ。
”食ってホント大事だよ~。ツラい~!”
”大事!大事!!王都に着いたら連絡ちょうだいね。”
”冷たいなぁ~、わかったよ!”
そういえば三郎のヤツ、魔石で魔力が溜まり過ぎたから、人化したと言ってたな。
それで大分消費したんだろうけど、旨いご飯が食べれたと喜んでいた。
今度僕も人化しようかな?ご主人様と一緒にご飯したい。
とっても楽しいだろうなぁ♪
だいぶ進化している分、ずっと人型でも大丈夫な感じなんだけどね。
神様に進化の件でいろいろ聞きたくて、交信してるんだけどなぁ。
ご主人様が言う様に、ホント神様は意地悪だよね。
教えてくれてもいいと思うんだ。
チートより進化が大事と思うんだ。
王都はどうなるだろう。
国民自体かなり悪質になっているらしいね。
少しは痛い目を見ないと判らないんじゃないかな?
何を以てそこまで傲慢に振舞えるのか?
それを行えばどうなるのか考えた事があるのか?
一部の国民の行いだと言っても、知らないふりすれば同罪じゃないか?
連帯責任って言葉は、この世界にもあるんだよ。
王妃様もさぁ……
なんで弄んで貶めて、自分は大丈夫と思うのかな?
因果応報って言葉、魔物でも知っているよ。
全て巡り巡って、自分に返って来るんだもの。
時間が経てば経つ分だけ、反動を伴ってやって来るんだ。
だから愉しませてね。王妃様♪
僕たちとっても不愉快で堪らないんだ。
あれからご主人様は、更にいろんな事をやり始める。
おかげで僕たち従魔も更に大忙しになる。
ご主人様達は知らないけど、今この領は魔物達にとっても凄いんだ。
だって美味しいってホント凄い事なんだ。
皆この味を知ったら、もうダメなんだよ。
ご主人様たちは人の世ばかり気にしているけど、魔物の世界もあるんだ。
だから僕たちはワームのコミュを通して、世界に発信している。
その内世界各国で少しずつ少しずつ、美味しいは広がり作られていくだろう。
じゃないとこの領に魔物達が押し寄せて来るからね。
実際領周辺は、僕たち従魔じゃなくて他の魔物達が守っている。自主的に……
だって領内の者と契約出来たら、美味しいご飯が食べれるじゃないか。
それどころか、魔物達で細々と美味しいを作っている様だよ。
畑を耕す魔物って何なんだろうね(笑)
とにかくご主人様はこの世界の宝なんだ。
進化の種とでも言えるだろう。
ご主人様が見たい世界を、叶える事は従魔の誉れなんだ。
とっても忙しいけれど、毎日がとっても充実している。
僕たちはご主人様が大好きだ!!
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




