表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/68

ミミズ一郎は考える。

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。


誤字脱字報告ありがとうございます。

結構見落としてますね。

申し訳ないです(/ω\)





ヤッホー♪僕の名前はミミズの一郎。

ワームっていう魔物だよ。ヨロシクね♪

見た目は気持ち悪いとか、ウエ~……など言われて嫌われていたよ。

今はご主人様のおかげで、領内では人気者なんだ。

それこそ一緒にウネウネ踊りしたり、海辺ではビューとスピード競争で遊んでる。

海辺と言えば、初めてスピード競争を漁師達としてた時、ご主人様の凄い悲鳴を聞いたな。

何でも前世の異世界では、ミミズは塩で溶けるらしいよ。

だから海に入っていたから、焦って驚いたそうだよ(笑)

僕たちは海水ヘッチャラなのに、ご主人様ったら心配症。

でも嬉しいなぁ♪それだけ(こころ)寄せてくれる。

僕たちは嫌われ者だった分、それがとても心地良い。

今の僕たちはとっても幸せ者なんだ♪



僕たちの出会いは必然だったんだと思うんだ。

ワームは地中で生きる分、魔石も魔力もかなり食べ放題でね。

身体は大きくなるし、増え方も尋常じゃない。

だから仲間内で弱肉強食で、僕は負けて追い出された。

ワームって団体行動生物なんだ。

一匹だといろんな奴に狙われる。

だってデカいし、魔力も結構持っている分、餌として最適。

地上に出ると、目立つよねぇ。

それに食生活が大変なんだ。

魔石を自生産しないと、いろいろと足りない。

でも魔石を作るには、集団じゃないと作れない。

魔石代わりの魔力は、湧き出る所にコミューンが形成されて満杯。

だからひもじい思いで、地中をウロウロと住処になる場所を探していた。

一匹だと大変だから、効率を考えて身体を分裂した。

そうして仲間を増やして、いろんな処を探索をするんだ。

分裂すると魔力減っちゃうし、体力消耗しちゃうけどね。

探すのは大変だよ。すぐ見つかるモノじゃない。

だからいろんな魔物と知り合い、情報を収集するんだ。

魔物同士で、結構コミュニケーションを取るんだよ。

情報って大事だね。人よりもシビアに考えている。

そんな感じで時間を過ごしていると、1匹の仲間から”旨い土がある♪”と伝達が来る。

魔力はないのに、旨い土ってどういう事?と思いながら向かったんだ。

だってね、魔力がない土って、とっても苦くて不味いんだよ。

だから僕たちは魔力が湧き出る所や、魔石がある所を住処にしているんだ。

ただ過剰摂取すると勝手に身体が分裂するし、破裂したり溶けたりして大変。

罷り間違うとその体液で住処周辺が固まり、動けなくなったり、地上に出れなくなる事もある。

ある所のコミューンなんか気付くのが遅すぎて、何処にも逃げられず大きな魔石になった事もあるよ。

今ではその魔石、何処かの国で『月の涙』って名をつけられ、大層大事にされている。

実際は月じゃなく、『ワームの涙』が正解だね。

結構そんな失敗談あるんだよ。困っちゃうよね。



まあそんな感じで、こちらに移動したらご主人様と出会ったんだ。

始め見た時は、なんて痩せて貧弱な子だろうと思った。

チビでやせっぽち。さすがに食べる気も起こらないよ。

ある意味、彼女と僕たちは腹ペコ仲間なんだ。

クルクルと空かせた腹の虫が虚しく響いてた。

そんな彼女が通った後の土は、何故か美味しくなっている。

空気もタップリ含まれて、何か美味しい物が混ぜてあるんだ。

そんな訳で僕たちは住処をここに決め、”美味しい♪”と思いながら暮らした。

のんびり過ごしていると、たった5匹でなぜか魔石が出来上がる。

コレにはさすがの僕たちも驚いた。

それに僕たちの住処の土を使った食物が、驚きの変化をもたらす。

なんだか最近美味しくなってるなぁとは思っていたよ。

だからちびっこ偵察を派遣し観察すると、人間達が僕たちの住処の土に感謝しているんだ。

「ココの土のおかげだ」とか言って、「ミミズさんありがとう」と言われる。

なにがなんだか訳わからないよね。

でも何となくすごく嬉しい気持ちになったんだ。


”ああ…… 僕たちとても必要とされている~♪”


そう気づかされると、凄く誇らしく思えるじゃない。

だから隠れていろいろと、もう張り切っちゃったよ♪

すると更に土のご飯は美味しくなるし、皆も更に喜び感謝してくれる。

降って来る()()というご飯を食べてみたら、旨さの違いがわかる。

ホント僕たちの土は、とっても美味しい食物を作るんだね。

時々この領以外の土や食物を食べると、もう不味くて不味くて信じられないよ。

僕たち何であんな不味い物、食べていたんだろうね。

もうここ以外で暮らすのは無理だよ。

そうなるとここは絶対死守するしかない。

その中心人物はあのやせっぽちの小っちゃな女の子。


”ウワ~…… ヤバい絶対守らなきゃ大変だ!”


僕たちはそれに気づいてから、いろいろと頑張ったよ。

それなのに、なぜかあの子は狙われている。

そう彼女はいろんな人達に狙われていたんだ。

あんな小さくて、やせっぽちな女の子なのに………

彼女はただ周りを楽しませ、幸せになろうとしているだけなのに………

そんな彼女を悪意という感情で邪魔しようとする奴らがいる。

ホント人間て何なんだろうね。

彼女のする事は自分達にとっても有益なのに、意味のない自尊心で動く。


僕たち魔物は必要だから襲うけど、人間は己の欲で襲う。

僕たちは生きる為に襲うけど、人間は邪魔だからと襲う。

 

ホント人間って、凄く欲深くて馬鹿なんだ。

だから人生が短くて儚いのかな?


そんな感じだったから、従魔にしてくれないかなぁ。

そうすれば守り易くて助かるのになぁと、僕たちは遠目から観察していたんだ。

(僕たち見た目()()だから、わかっているよ)

ときどきちびっこ偵察を出して、周辺の情報収集をする。

すると彼女と接触して、いつも「ミミズ」って偵察隊に言う事に気づいた。

だから”あぁ…… 僕たちミミズなんだ”と思ったら、契約完了しちゃってた。

アレって感じだよね。もうホントびっくりだよ。


でも嬉しかったな♪

彼女も僕たちを認めて、必要としてくれた事に……

お腹の鳴らないご主人様を見ると誇らしいよ。(笑)



ホントあれからも、いろんな事が起こる。

ホント人って、なんか面倒くさい生き物だよね。

僕たちはご主人様を守る為、日々奮闘しなきゃならなかった。

僕たちはコミュニケーションを駆使して、手が足らない所を補強する。

だってご主人様は領の人達も大好きなんだもの。

僕たちワームだけじゃ大変だし、ご主人様の欲求に応える事も従魔の仕事。

適材適所で知り合いの魔物を派遣する事も簡単だった。

ちゃんとwinwinの関係だし、皆も納得している。

むしろ役得だって大喜びして頑張っているよ。

今では皆ご主人様の虜、大切な宝物なんだ。


ところで僕たちのご主人様は、いろいろと規格外な人だ。

何と別の世界で、100歳も生きている。

コチラの人族は、50年を目安にするから凄さがわかるよね。

80歳生きればブラボーものだよ。

なのに前々世はコチラで、今と同じ時間軸で二度目を生きている。

僕たち魔物は啞然としたよ。これホントだよ。



そこでその時の生の内容を聞いたんだけどね。

人間てホント意味がわからない生き物だなぁと思うよ。

僕たち魔物にはわからない構造をしているんだろうな。

複雑なのは、頭の構造なのか?精神の構造なのか?

とにかく面倒くさいとつくづく思ったんだ。

ご主人様も何で素直に言う事を聞くのかな。

反抗したらダメなの?

ホントいろんな理由があるんだろうけど大変だよねぇ。


でもね、僕たちはご主人様と契約で繋がっている。

だからその話を聞いていた時、いろんな思いや感情が僕たちへと流れて来た。

おかげで王宮の人達がした不愉快な事を、まざまざと体感した。

ご主人様もそんな事になるとは思わず、話したんだろうね。

でもその事を僕たちは言わないし、知らせるつもりもないんだ。

知らせたらご主人様大変でしょ?

僕たちも知らない事は、都合いいし動き易いからね。

僕たちは所詮魔物だし、その事に対してそういう反応を返すのは仕方がない事。

それに僕たちワームとの繋がりは他の従魔と違う。

僕たちは直接対話で繋がったわけじゃない。

互いの認識、深層の中での繋がりなんだ。(奇跡だね)

だから僕たち(ワーム)は、動きがちょっと違ってくる。


これは、ご主人様には内緒にしている事なんだ。



****************




”一郎!ご主人様元気にしてる?”


”もちろんだよ。今日も美味しいご飯を作ってる。日本食~♪”


”いいなぁ……… 魔石好きな僕でも今の食生活はツラいよ。”(´;ω;`)ウッ…


”だったら、僕らはもっとツラくなるから頑張れ♪”


”ひどいなぁ~、今度ご主人様にいい子いい子されたい。”


”うんうん、頑張れ~♪”


三郎は王都から来た者達(ドリアス殿下一行)の後を監視している。

その後どうなるのか観察するのが、主な目的なんだけどね。

前々世ではお間抜けな事になっていた人達だから、この後もどうなることやらw

だけど三郎はそんな事より現実が大事。


”もう僕、今凄く王都組の人達と分かち合いたいかも…… ツラいよ。食って大切だよ”


”何か共感させられることでもあったの?”


”ウン、今食事の時間なんだけど、皆が飯が不味くて食えないと泣いて愚痴っているよ。僕は領の魔石を食すからいいけど、彼らは大変だねぇ…… ”


”罰だな。ざまぁ!! 一生糞マズな飯を食え~♪”


その様子を見れない事が悔しいなぁ。

三郎は共感中だけど、まだまだ始まったばかりだ。


”食ってホント大事だよ~。ツラい~!”


”大事!大事!!王都に着いたら連絡ちょうだいね。”


”冷たいなぁ~、わかったよ!”


そういえば三郎のヤツ、魔石で魔力が溜まり過ぎたから、人化したと言ってたな。

それで大分消費したんだろうけど、旨いご飯が食べれたと喜んでいた。

今度僕も人化しようかな?ご主人様と一緒にご飯したい。

とっても楽しいだろうなぁ♪

だいぶ進化している分、ずっと人型でも大丈夫な感じなんだけどね。

神様に進化の件でいろいろ聞きたくて、交信してるんだけどなぁ。

ご主人様が言う様に、ホント神様は意地悪だよね。

教えてくれてもいいと思うんだ。

()()()より()()が大事と思うんだ。


王都はどうなるだろう。

国民自体かなり悪質になっているらしいね。

少しは痛い目を見ないと判らないんじゃないかな?


何を以てそこまで傲慢に振舞えるのか?

それを行えばどうなるのか考えた事があるのか?


一部の国民の行いだと言っても、知らないふりすれば同罪じゃないか?

連帯責任って言葉は、この世界にもあるんだよ。


王妃様もさぁ……

なんで弄んで貶めて、自分は大丈夫と思うのかな?

因果応報って言葉、魔物でも知っているよ。

全て巡り巡って、自分に返って来るんだもの。

時間が経てば経つ分だけ、反動を伴ってやって来るんだ。


だから愉しませてね。王妃様♪

僕たちとっても不愉快で堪らないんだ。



あれからご主人様は、更にいろんな事をやり始める。

おかげで僕たち従魔も更に大忙しになる。

ご主人様達は知らないけど、今この領は魔物達にとっても凄いんだ。

だって()()()()ってホント凄い事なんだ。

()()()を知ったら、もうダメなんだよ。

ご主人様たちは人の世ばかり気にしているけど、魔物の世界もあるんだ。

だから僕たちはワームのコミュを通して、世界に発信している。

その内世界各国で少しずつ少しずつ、美味しいは広がり作られていくだろう。

じゃないとこの領に魔物達が押し寄せて来るからね。

実際領周辺は、僕たち従魔じゃなくて他の魔物達が守っている。自主的に……

だって領内の者と契約出来たら、美味しいご飯が食べれるじゃないか。

それどころか、魔物達で細々と美味しいを作っている様だよ。

畑を耕す魔物って何なんだろうね(笑)


とにかくご主人様はこの世界の宝なんだ。

進化の種とでも言えるだろう。


ご主人様が見たい世界を、叶える事は従魔の誉れなんだ。

とっても忙しいけれど、毎日がとっても充実している。

僕たちはご主人様が大好きだ!!





読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ