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紹介するレジ機能 その8:当たり前のことを見直したら、その当たり前に関わっている人に『ありがとう』を言いたくなった。

自分が持ってきたレジ機能の多さにびっくりする柳瀬。

なぜここまで凄いレジだったのに売れなかったのか反省する気持ちを持ち始めた。

目の前に浮かび上がるソースコードに驚きを隠せなかった。

自分が今まで販売していたレジのソースコードがあまりにもたくさん出てきたからだ。

簡単におこなっていたレジ作業の裏には開発が苦労して『誰でも簡単に操作できる』そんなレジにしてくれていた。

そのことを改めて理解しつつ、レジで計算するソースコードを見つけ出していく。


「商品を押したら自動で金額が計算されるって凄いことだったんだ」

「こんな簡単にレジができるのに、なんで俺はこのレジを売れなかったんだ…」

「まぁ今はそんなこと振り返っても仕方ないので、この計算される仕組みを理解しよ」


柳瀬はこの世界で手に入れたプログラミングスキルを利用して必要なソースコードをメモした。

そのソースコードを水晶に入れて、計算できれば完成となる。


「なるほど、この仕組みで動いてたんだ」

「あのお店に合う仕組みで作り変えたらい完成になるけど、何が必要で何が要らないが考えないと…」

「そっか!!基本的に足し算さえできたら問題ないレジで十分だ」

「引き算や掛け算は使うかもしれないけど、この世界で割り算も使うか怪しい…」

「けど何があるかわからないから一応【+・−・×・÷」が使えるようにしておこう」

「何かあってもすぐに対応出来ることを見越して作るのが素晴らしい開発者だね」

「って自分は冴えない営業マンですけど…」


使う機能を備えつつ、ソースコードの準備ができた。

このソースコードを水晶に流し込むのがイメージできないが、いつものようにリンリンに相談する。


「リンリンさん、すみません」

「水晶にソースコードを流し込んで欲しいのでいいですか?」


もしかしたら魔力でボタンと同じようにソースコードも流し込むことができるか期待した。


「はい!大丈夫ですよ」

「まずどれを水晶に取り込みますか?」


正直できるんだ〜っと思いいつつ。


「ありがとうございます!まずは一番使う足し算を流し込みます」

「ソースコードはこれです」


『1.足し算式』

【def add(num1, num2):

return num1 + num2】


「これを水晶にお願い致します」


柳瀬はリンリンに水晶とソースコードを渡した。


「はいわかりました」

「では、いきますね」


渡されたソースコードと水晶に向けて手をかざし、手から光が出てた。

すると水晶にソースコードが流し込まれた。


「これで無事出来ましたよ」

「よかったら試しに動かして下さい」


思ったより簡単にできてしまった。


「ありがとうございます」

「早速テストします」


柳瀬は期待を胸に『数字』と『+』ボタンを押し、さらに『数字』を打ち込んだ。


「よし!これで『=』ボタンを打ったら足し算してくれるはず…」

「スイッチオン〜」


押された数字が足し算され、思い描いていた計算が完成した。


「やった〜」

「出来た、出来た」

「計算しかしてないのに、完成したらめっちゃ嬉しい〜」

「これが開発の喜びなのかな?」

「よしよし!このまま引き続き、残りの機能も入れてもらおう」

「リンリンさん続けてソースコードを渡すので、水晶に流し込みお願い致します」

「支払の時に渡された魔金に対しておつりを計算する場合は引き算が必要になる」


『2.引き算式』

【def subtract(num1, num2):

return num1 - num2】


「同じ商品を複数購入する時は掛け算がいるね」


『3.掛け算式』

【def multiply(num1, num2):

return num1 * num2】


「割り算ってこの世界で使うかわからないけど、せっかくだし入れちゃおう」


『4.割り算式』

【def divide(num1, num2):

return num1 / num2】


「よし!これで4つのソースコードが出来た」


【print("Please select operation -\n" \

"1. Add\n" \

"2. Subtract\n" \

"3. Multiply\n" \

"4. Divide\n")】


「まさか俺が開発するなんて考えもしなかったよ」

「リンリンさん、これも全て水晶にお願いします」


先程と同様にリンリンがソースコードを水晶に流し込んだ。


「よし完成した!」

「リンリンさん早速出来たので、またお店に向かいましょう」

「さらに、価格表も一緒に持っていけばあのお店もかなり良くなります」

「これで俺は元の世界に帰れるぞ〜」

「では早速、出発しましょう」


期待に胸を踊りながらお店に到着した柳瀬。

しかし予想とは違っていろいろとうまくいかなかった。


「すいませ〜ん」

「いきなりで申し訳ないんですけど、レジを持って来ましたので使って下さい」

「レジは魔王より依頼されて作ったので安心して使って下さい」


いきなり人間からのプレゼントに戸惑いを隠せない魔人たち。

そもそも人間に慣れていなければ、レジを見たことも無いので無理はない。

リンリンがお店の魔人たちに説明をし、レジを今後使用するよう言い聞かせた。

しかし簡単にうまくいかない。

今回はレジを使う以外に価格表も使用する。

いきなり2つのオペレーションがこのお店に導入されるので抵抗が魔人たちにはあった。


「価格表って、どう使ったらいいんですか?」

「魔界で数字の書かれた紙を商品の前に並べることはやった事がありません」


周りのお店でおこなってないサービスを新しく取り入れることに疑問を感じる魔物に対して柳瀬は説明を始めた。


「まず価格表について説明します」

「この価格表がいかに必要かお話します」


柳瀬は商品に対して魔金(値段)を明白にする必要性があると熱く語る。


「まずお客さんを見た目で判断して価格を変動するのを辞めましょう」

「お客さんに商品を購入する時はしっかりとした情報を与えて商品を買ってもらいましょう」

「その情報こそがお客さんに安心を与えます」

「安心して商品を購入できれば、このお店はもっと繁盛します」

「良い商品を提供し安心も提供していく、そんなお店にしていきましょう」


柳瀬は人間界の時の営業に比べて物凄くいいことを言う。

なぜならこのミッションが終わったら帰れると期待しているが、本人が思っているほど魔界は甘くないことを今の柳瀬は知る由もなかった。

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