紹介するレジ機能 その1:自分にこの仕事向いてない?
レジ販売が自分に向いてないと思い転職サイトを見始める主人公。
自分に合った仕事を見つけ、興奮して販売用のレジを持ち上げたその時…。
ピ!ピ!ピ!
「3点で1,100円です。」
チャリーン
お金を入れるドロワーが開く。
「はぁ〜レジ売るの難しい〜」
「そもそもレジってなに!電卓で計算すればいいのに」
「レシートって購入する金額だけ手書きにしたらいいのに、なんで細かく印刷する必要があるのか分からない」
「領収書だって金額だけ表記しかしてないんだから、レシートの意味ってあるのかな?」
レジの販売を5年続けている冴えないサラリーマン『柳瀬 純一 35歳』
転職サイトを見つけてなんとなく辿り着いたのがレジの販売。
特に特技や資格を持つわけでもなく、目の前のものをただ売ればいいと安易に考えていたサラリーマン。
しかし現実は厳しく、お店が存在すればレジは必ず必要になるので、簡単に売れるものだと思っていたがそう簡単に売れるものではなかった。
「いや〜売れない!!なんで売れないのかわからない!!」
「レジなんてどれも一緒じゃないの」
河川敷で大の字になって寝転ぶ。
「はぁ〜この会社向いてないのかな?」
「もっと簡単に売れる商品が必ずあると思うんだよな〜」
「それを見つけて転職した方がいいかもな」
携帯を片手に転職サイトで仕事を調べ始める。
そんな時…。
別世界の魔王が頭を抱えている。
両手で自分の頭を押しつぶす勢いで下を向いて悩んでいる。
「魔王様どうなされました?なにか具合でも悪いのでしょうか?」
「おい!誰か魔王様に回復呪文の準備を…」
魔王の部下が心配になり近づいたが魔王は声を荒げた。
「違うわ!体はどこも悪くない!」
周りの部下たちに悩み事を言うか悩んだが、恥ずかしがり屋な魔王は何も言えず、部下を退げさせる。
「あ〜困ったものだ!私が理想とすることがうまく回らない…」
「市民たちはどうしてミスばかり犯すんだ」
「なんど言ってもお金の計算は間違えるし、商品の名前を覚えないしで、全く魔界の経済が回っておらん!」
「もう人間たちから奪い取るのも限界があるし…」
「最近の勇者は転生がどうとかで、やたら強いし…」
「チートってなんだよ!後から強いキャラ出してくるの卑怯だろ!」
「私は魔王としてずっと昔から同じステータスで頑張っているのに…」
どこの世界でも悩みが絶えないようだ。
その時、魔王がふと思い出す。
「そう言えばこの前、人間から手に入れたお金を管理するアイテムがあったな」
「なんでもレジって言っていたが、そもそもこれをどう使ったらいいんだ?」
「人間界で商品の売買をする時は必ずレジを通すと言い伝えれているしな…」
魔王は人間界を観察していた部下を数名呼び、商人の仕事について説明を受けた。
「ふむふむ、なるほと、レジを使えば商品と金額が一致するから間違えようが無いのか」
「よし!このレジと言うものを魔界に導入しよう」
「今すぐ人間界から奪い取ったレジを使うぞ」
早速、部下たちを集め、人間から奪い取ったレジを使い始めたが全く使えず…。
さらには人間界の言葉で書かれており誰も読むことが出来なかった。
魔王は更に頭を抱えた。
「これでは魔界は破滅してしまう」
「何かいい手はないのか…」
「そうだ!!別の世界からレジの商人を転移させよう」
「ついでに、最近流行りの転移したら特殊スキルが付与されるかも」
「私の力で『魔界の文字は読める』を与えよう」
「あとは転移したらオプションで何か付与されているかもしれん」
魔王が転移スキルを持つ部下を集め、別世界を選定すると『地球』が選ばれた。
そこでレジを扱えるものを探し、魔王が地球を覗き込んでいた。
そこで魔王が見たのは河川敷で冴えないサラリーマンを見つける。
「お!いい仕事あるじゃん!」
「やっぱ俺にはレジ屋は向いてないんだよ」
「こんなレジはさっさとおさらばして新しい人生を歩もうかな」
新しい求人募集を見つけて元気になる柳瀬。
まさか別世界で魔王に見られているとは想像もしてなかった。
自分にはもうレジが必要ないと思い、レジをを高々と掲げ、川に投げ捨てようとしていたその時!!
「うぎゃ〜〜〜〜〜〜〜」
「いたたたたたたたたった〜」
雷が直撃し、柳瀬は意識を失ってしまう。
「いって〜〜〜」
「一体何が起きたんだよ?」
魔王が魔力を使い柳瀬を魔界に転移させた。
そして柳瀬は目を覚ますとそこには全く異なる世界が当たり一面に広がる。
「ん?ここどこ?」
この物語は飼い主の実話を少し織り交ぜながら、転移シリーズでお届けしております。
プログラミングに興味がある方は、是非読んでください。
なぜこのシステム「機能」が必要になったかを魔界で困ったことを解決するために開発していくストーリーです。