招集
「日本全国の皆さん、こんばんは。
私の事を知っている方も、知らない方も、私がどういう人間かは、あまり深く考えなくて大丈夫です。」
堂々と、カメラをまっすぐに見つめながら、ゆっくりと話す彼女の言葉が全く入って来ない。
ヒカルは、自分との事を暴露した上で何かを要求して来るんじゃないかと、焦っていた。
掌は汗で湿り、冷や汗をかきながら、喉はカラカラだった。
ユキ?何も言うな!良い子だから、今すぐ謝ってハケろ!!
そう念じながら、ユキの様子を見守っていた…
「この度、私は
ある一定の条件を満たす方々を、招集致します!」
は?
条件?招集?何だそれ?
ヒカルはもちろん、スタジオ内の全員が同じ感情だった。
「では、条件を発表致します。
一、18歳以上35歳以下であること。
二、男性の見た目であること。
三、出生後から今現在まで、同じ地域に居住していること。
この3つの条件を満たす物は、私のTwitterに顔写真を付けて送って来てください。」
は?何だそれ…
意味が分からない。何でいきなりユキがそんな募集をするのかも、それからTwitterに。って、ユキは事務所からTwitterの許可下りてないだろ…
そう、そんなことバカげてる…
何をやりだしてるんだ…
皆、そう感じてるはずなのに…
スタジオ内にいる出演者やスタッフ達は、何故か落ち着いた様子でユキの話を聞いている…
あぁ。皆、そうなのか。
俺と同じなのか。
反論したいんだ!ツッコミたいんだよ!
大声で「人の番組潰す気か?!」って怒鳴りたいんだよ!
なのに、出来ない。
出来ない。というか、する気になれないんだ。
頭の一部、いや全てを乗っ取られた様な感じがして、話を聞いて納得させれれているんだ…
ユキ…
お前は、一体…
何者なんだ…