表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラギラレ勇者 ー勇者号略奪ー  作者: 綾(りょう)
10/10

第1話「勇者召喚」4-偽物の勇者-

勇人は盗賊号に関連した何らかのスキルを発動してから、賢者の石碑へと魔力を注いだ。スキルの対象は賢者の石碑ではなく、石碑に後付けした装置。


これまでの研究員の話を聞く限り、どうやら賢者の石碑にはかなり高度で、未知の技術が使われていることが窺い知れた。


おそらく優人のスキルでは賢者の石碑に影響を及ぼすことはできないだろう。だから、石碑本体ではなく、後付けした装置へと対象を切り替えたのだ。


勇人の魔力を解析し終えた賢者の石碑が、解析の結果を勇人へと返信した。


それと同時に、 研究員達が操作している装置が、石碑が解析した結果を読み込もうとするが、その前に勇人のスキルが作用する。


そして、装置から水晶へとデータが流れていき、水晶に結果が表示された。


******************


猪原勇人 [勇者 lv.1]

体力 150

物攻 150

物防 100

魔攻 150

魔防 100

魔力 100

俊敏 100

命中 100

運力 100

『スキル』

聖剣の心得・ 光の適正者・光魔法lv.1・光魔法耐性lv.1


*******************


勇人は水晶に出た表示を見て、賢者の石碑から直接受け取った能力値と異なっていたため安堵した。

どうやらスキルの効果が無事働いたようだ。


一方、レオナルド室長、ドク、研究員達は、その数値を見て、驚きのあまり発狂した。


「ーーオール3桁ぁぁぁぁぁぁ!!!??!!」


「え、勇者キターー!!?」


「聖剣ってあれか! 抜けないからって研究放棄してる技術班あったよなあ!? 連れてこい!!」


「ああいやいや、あれは持ち出し不可だから無理ーー」


「局長に一筆書かせるから書類もってこい!!!」


なんかすごい騒ぎになってるな・・・・・・。

相原さんの能力値は、3桁が3つあった。


本当に得意な分野だけが、高い数値になる、ということなのだろうが。

このあとの他のクラスメイトの能力値を見て、そのとおりであることがわかった。すべての能力値が3桁代を示すのは勇人だけだった。


水晶に映る勇人の能力値を見て、クラスメイト達は予想通り、といった反応を示していた。


「やっぱり勇人か。リーダーシップあるし。」


「漢字的にも、『勇気ある人』って感じで、勇者っぽいよな」


「予想どおりすぎぃ」


その中に交じって、俺の嫌いな人間の名が聞こえた。


「名前で言ったら、勇次も、もしかしたら勇者かもね!」


洲雲勇次。元親友であり、俺から何もかもを奪っていった嫌いな人間。

その人間の名を口にしたのは、俺が大好きな千里。


(なんで、そいつの名を出すんだよ・・・・・・。俺が勇者なんだぞ。「すごい」とか、「勇人についていくね」とか、俺にかける言葉があるだろ・・・・・・!)


騒がしい周囲の中で、勇人は唇を噛み締めた。

クラスメートから祝福の声が掛けられるけど、一番祝福してほしい人からは何もない。そればかりか嫌いな人間の心配をするばかり。

ここに世界に来てから、ずっと千夏の表情が優れない。それが、洲雲勇次が行方不明になっているからだというのは明らかだった。


そんな千夏に、勇人の心の声を代弁したかのようにクラスメイト達が声をかける。


「んー、でもそれ言ったら『勇者の次』でしょ? 勇者の次ってなんだよ笑」


「何話してんの?」


「勇次は何の職業だろうねって話し」


「勇次? でもあいつ居ねえじゃんーーあ、ごめん・・・・・・」


千里の暗い表情に気づいたクラスメートは、それ以上言うのを止めた。

あり得ないことに、千夏は洲雲勇次のことが好きなのだ。俺の方が、1000倍は優れているはずなのに。

俺のものを、あいつはいつの間にか盗んでいくんだ。


「う、ううん。大丈夫だよっ!」


無理して笑っているのが、端から見て心苦しかった。

気丈に振る舞って見せた後に、小さく呟いた言葉に、更に勇人の胸は締め付けられる。


「ーー勇次、どこいったの?」


血が滲むほど強く強く、拳を握りしめていた。

力を入れすぎて肩が細かく震えた。


(なんでそんな痛々しい笑みを見せるんだよ・・・・・・! 俺がいるだろう・・・・・・なんでここに居ない奴のことを考えるんだよ!)


ふと、勇次じゃなく俺が居なくなったらどうなったのかと、勇人は考えた。

俺のことを想ってくれるのだろうか?

一瞬考えた後に、うっすらと考えたくないことが見えて、怖くなって止めた。


不安に思う必要はない。奪われたのなら、取り返せばいい。

幸い、やつはいないのだから、ここで新たに得たものを奪われるようなこともない。


ゆっくり、着実に取り戻していけばいいのだ。

この力をあれば、できないことはないだろう。


勇人は脳に保存された、賢者の石碑が解析した本当の結果を参照した。


*******************


猪原勇人 [勇者 lv.1] [盗賊 lv.15]

体力 5450

物攻 5550

物防 5320

魔攻 230

魔防 153

魔力 270

俊敏 1120

命中 300

運力 250

『スキル』

略奪・剥奪・隠蔽

勇者号剥奪ボーナス(体力・物攻・物防+5000 )

聖剣の心得・ 光の適正者・光魔法lv.1・光魔法耐性lv.1

『称号』

偽物の勇者


*******************


そのあとも、勇者号の熱を引きずったままクラスメート達の能力値の解析が進んでいった。

【解説】

スキル「剥奪」によって、相手の称号を奪うことができます。勇者号はこのスキルで手にいれました。


スキル「隠蔽」によって、自分の能力値を隠しました。賢者の石碑には効かないように、自分よりも強い者には効果を発揮しません。


体力、物攻、物防の能力値が5000を超過しています。騎士になれる条件が、能力値が1つでも1000以上なので、1対1であれば、気を抜かない限りすべての騎士に勝てるでしょう。現時点でそれくらいの強さです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ