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異世界的ラジオ放送局

異世界的ラジオ放送局『勇者出演回』

「これを襟首位に付けてください」

「こうですか?」

「あーそんな感じで大丈夫です」

「カイトカイト」

「どうしたの?レパーたん」

「もう始まってる」

「な!?マジかあいつ……リスナーの皆さんこんばんはー!」

「こんばんは」

「ごたごたしてすいません!本日もやってきました異世界ラジオのお時間です!」

「『わざと』だって」

「ソロムあとで覚えてろよ……今回もパーソナリティを務めさせていただきますはおなじみ真島海斗と!」

「カイトの奴隷の犬系獣人レパーです」

「というわけで今夜もよろしくお願いします!」

「お願いします」


『この番組は、何でも買える武器ショップ『ミリター』と、街のみんなの薬局『亀甲薬局』の提供でお送りします』


「というわけで今回も異世界ラジオをやっていくんですが!なんと今回はゲストの方に来ていただいております!」

「たぶんさっき声入った」

「やっぱり入ったかな……まあいいです!ゲストの方自己紹介お願いします!」

「えっと、勇者をやっていますセラフィ・マヴェルと申します。よろしくお願いします」

「はい!セラフィ・マヴェルさんに来ていただきました!みんな拍手!ほら知ってたとか言わない!確かに前回来るって言ったけど!」

「勇者なんてそんなに偉いものでもないですよ」

「いやいや魔王軍と先陣切って戦っている方ですからね!拍手喝采ですよ!」

「このラジオ魔王軍も聞いてるけど」

「そうですよね、私の予報もやってますし」

「あれえ!?セラフィ・マヴェルさんリスナーなの!?ああ、いやすいませんね勝手に位置情報流してしまって」

「いえいえ、あの放送のおかげでむしろ無駄な殺生が減って助かっていますよ」

「そうなんですか?それならこちらとしてもよかったのですが」

「ところであの情報ってどこで仕入れているんですか?」

「あの情報は王国の掲示板に貼られているんですよ、ラジオではそれを読み上げてるだけですね。むしろ掲示板のことを知らないのですか?」

「はい知りませんでした、おそらく王様が貼りだしているのだと思います」

「プライバシーも何もないね」

「レパーたん、それ俺らが言ったらダメなことだからね」

「いいんですよ、勇者をしているのですからそれくらいのことは許容しております」

「諦めてるの?」

「諦めですか、確かにそうなのかもしれません。それでも私は勇者でよかったと思いますよ」

「それはまたどうしてですか?」

「自らの力で世界を平和にしようとしているんです、これほど名誉なことはありません。それに」

「それに?」

「戦いの感覚ってたまらないですよね、まさに命のやり取りをしているという感覚で。相手を切って殺して空を見上げた時に、今回も生き抜くことができたって興奮するんです。強敵と戦って打倒した時にえも言われない快感に溺れられるんです、命をかけた戦いほど素晴らしいものはありませんよ」

「……ん?」

「バトルジャン」

「さ、さて!今回はセラフィ・マヴェルさんに対する質問のお便りがたくさん来ております!」

「ああ、私のことはセラフでいいですよ。フルネームだと長いですからね」

「了解しましたセラフさん!それではさっそくお便りを読んでいきましょう!レパーたんよろしく!」

「異世界ネーム『村人C』さんからのお便り」

『カイトさんレパーさんゲストのセラフィ・マヴェル様こんばんは』

「はい!こんばんは!」

「こんばんは、セラフでいいですよ?」

「こんばんは、原文そのまま」

『いつも楽しく聞かせていただいていますが今回はあのセラフィ・マヴェル様が出ると聞き、いてもたってもいられずお便りを書いています』

「セラフさん流石ですね、これはあなたの知名度がなせる業ですよ」

「知名度で言えばお三方も相当な知名度だと思うのですが」

「いやいや、俺らみたいな旅人ABCに何を言っているんですか」

「私はしょせんただの奴隷」

「『僕は知られてないと思うんだけど』とソロムも言ってます」

「皆さんずいぶん謙遜なさるお方のようですね」

『セラフィ・マヴェル様といえば日々様々な場所で様々な相手と戦っていますが、その中でもこの戦いは印象に残っているというものはありますか?よろしければぜひ教えてください』

「だって」

「やはり印象に残っている戦いってあるんですか?」

「もちろんありますよ!そうですね、最近で言えばメロウス洞窟で会ったドラゴンなんかは非常に印象に残っていますね!」

「メロウス洞窟……ドラゴン……えっと、いったいどのような戦いだったんでしょうか?」

「テクルダンジョンからの帰りの途中雨が降ってきてしまいまして、少々雨宿りをさせてもらおうとメロウス洞窟に入ったのです。するとなんということでしょう、そこに封印されていたドラゴンの封印が解かれているではありませんか!これは大変なことになると危惧した私は剣を抜いたのです!」

「そのドラゴンは何か喋ったりしていました?」

「どうでしょう?恥ずかしながら私戦いを始めますとあまり周りが見えなくなってしまうので、あまり覚えていないですね。断片的にですが『待……に……つ……い!』とか『出て……か……の……下……て……』とか聞こえたような気もしますけど」

「そうですか……失礼しました、続きをどうぞ」

「相手は巨大なドラゴンでした、建物三階分ほどの高さは軽くあったと思います。美しい漆黒のうろこで包まれたその体は私の剣でも貫くことが難しく、私は何か手がないか考えました」

「その時ドラゴンからの攻撃などは?」

「そういえば今更考えてみればなかったですね、あれは余裕の表れなのでしょうか?」

「どうなんでしょうね……」

「私は自分自身にバフをかけ何度も何度も切りかかりました!とにかく鱗を貫くことに命をかけていたといっても過言ではないかもしれません!そしてついに刃が通ったと思った瞬間!ドラゴンは飛び立ち夜空の向こうへと消えていったのです、開いた大穴から見上げた空はいつの間にかに雨は上がっており美しい月が見えましたね。私はドラゴンを退治できなかったことを残念に思いつつも少しほっとしている自分がいることに気が付きました、今の私ではあのドラゴンを倒すことができなかったと頭では理解していたのでしょう。しかし私はもっと強くなっていつかリベンジをしたいと思います!次こそは血肉わき踊る命を懸けた戦いができるように!」

「素晴らしい心がけですね!ぜひ頑張ってください!」

「『拝啓月が見えます』さん大丈夫だったのかな」

「レパーたんそれはNGね」

「どうかしましたか?」

「いいえ、なんでもありませんよ」

「次、異世界ネーム『雑な魚も夢見たい』さんからのお便り」

『カイトさんレパーさんこんばんは』

「はいはい、こんばんは!」

「こんばんは」

『今回ゲストに勇者が登場するとか』

「はい、セラフです」

『正直な話をすると俺はゴブリンなんですけどね』

「珍しいな、種族まで送ってくれる人」

「本当に様々な人が聞いているのですね、人ではないですけど」

『俺たちからすると勇者っていうのは恐怖の対象なんですよ、人間側が言う魔王様みたいな感じですね』

「わかりやすいな」

「私ってそんなに恐ろしい存在なんでしょうか?」

「考え方の違い」

『俺たち、ああ俺たちゴブリンって群れで暮らしてるんですけど、俺たちの群れって人を襲わないんですよ。人間側で言う普通の町民みたいなところかな?』

「このゴブリンやけに説明うまいな」

『そりゃあ人を襲う群れだってあります、それこそ人間側で言うところの傭兵とか冒険者とかいうところでしょう』

「そう言う感じなんですね」

「盗賊とかのほうがイメージに合ってる」

「襲う対照が人間だからどうもね」

『そういう魔物は最悪殺されるのも仕方ないと思います、命のやり取りをしているんだから自分だけ死にたくないっていうのも無粋な話でしょう』

「ちょっと俺このゴブリンと会って話をしたくなってきたんだけど住処とか書いてない?ない?残念だな……」

『しかしできれば人を襲わない魔物を殺すのはやめてもらいたいんです。何か方法はないですか?』

「だってさ」

「人間側で言うところの戦えない町民が魔物に対して襲わないでくれって言ってる状態ってことかな、正直難しいだろうな……」

「種族の違いの闇は深い」

「俺は人を襲わないって言ったらいいんじゃないですか?」

「勇者さん聞かずに切り捨てそう」

「セラフさんじゃないとしても言語の違いがありますし、そもそもあーあなたは人を襲わない魔物なのねわかったよとはいかないでしょう?」

「そうですね……」

「結局は人に見つからないように生きるしかないと思うよ、残念だけどこの世界でみんな友好的にナカーマとはいかないからね」

「同じ人間同士でも争いはある」

「速攻で切りかかるのも考え物なのでしょうか……」

「『雑な魚も夢見たい』さんが人に見つからないことを祈ってるよ、個人的には会って話をしてみたいけどね」

「コーナー行くよ」


『実験と観察が見た夢』


「このコーナーやるの?せっかくゲストいるんだしネタをストックしておけば?……え?『もう結構ストックがある』って?」

「カイトが亀甲薬局が開発した新薬をリポートするコーナー」

「あ、薬が出てきた。このコーナーって本当に飲んでるんですね」

「飲んでますよ?俺毎回それなりにひどい目にあってますからね」

「きれいな色してますね、澄んだ緑色の液体ですよ」

「緑色の液体っていうだけで飲みたくないですけどね」

「私が飲んでみましょうか?」

「いやいや、セラフさんの身になにかあれば俺たち仲良くギロチンの下ですからね。飲みまーす」

「おー、一気に行くのですか」

「ちびちび飲むと地獄が長引くので……あれ?今回甘い、味を考慮してくれたのかな」

「偶然だって」

「やっぱりあいつらはそんな良心なんて持ち合わせてないよな……」

「お知り合いの方が作っているのですか?」

「一応スポンサーなんでそれなりに会う機会があるんですよ」

「変人三人組」

「おーい、レパーたん。一応あの人たちスポンサーだから抑えて抑えて」

「カイトさんも一応と付けてしまうあたりで評価が分かりますね」

「分析はやめてください!届く薬の酷さが悪化してしまう!」

「手遅れ」

「ジーザス」

「それでその薬はなんなんですか?」

「なんでしょう?あれ?声高くなってる」

「若干背が縮んでますよ」

「胸も出てきた」

「……なるほど、あれも無いね」

「女体化の薬ですか?」

「性別反転薬だって」

「なんだ、今回はずいぶんと優しい薬だね」

「性別が変わるのも結構一大事なきはしますけど……」

「体が腐ったり、酸素が毒になったり、体から火が上がったりするよりは平和だと思いますよ」

「ああ、確かにそうですね」

「逆に言うとリアクションしづらいんですけどね」

「次のコーナー」

「え?カイトさんこのままでいくんですか?」

「支障も特にないですし効果も切れないようですからこのままでいいですよ」


『異世界的大喜利』


「出したお題に対して大喜利で返してもらうコーナー」

「今回のお題は『目が覚めたらスライムになっていた、どうする?』!さあいったいどんな答えが届いたのかな!?」

「異世界ネーム『盃』さんの答え」

『普段食べることができないものを食べてみる』

「スライムって基本何でも食べるからね」

「私も剣を消化されそうになった時は焦りましたよ」

「なんで食べさせたの?」

「好奇心でした」

「続いて異世界ネーム『戦いの歌』さん他多数の答え!」

『風呂のお湯に紛れ込む』

「最低」

「これはちょっとひどいですね」

「何がひどいってこれに近しい答えが今回来た答えの半分位を占めてたことだぞ、リスナー諸君」

「はい、勇者さん」

「私も読むんですね。えーと、異世界ネーム『全力少女』さんの答え」

『嫌いなあいつを亡き者にする』

「これは……なかなか闇が深いお便りだこと」

「確かに犯人はばれない」

「でも普通に魔物として討伐されませんか?」

「最後は異世界ネーム『ほぼ水』さんの答え!」

『変化なし』

「もともとスライム?」

「リスナーさんの幅広さに圧巻させられるのですが……」

「着々とリスナーが増えてるのはパーソナリティとしてうれしい限りですね!」

「『翻訳辛いんだけど』だって」

「ソロムさんは魔物の言葉がわかるのですか?」

「ソロムは、言葉がわかるといいますかなんといいますか……」

「『思考受信の応用』ですか?うーん、私には難しそうですね」

「特別な能力があるくらいの認識でいいと思いますよ、実際そんなものですし」

「次回のお題は『時代の流れとともに封印されてしまった魔法、どんな魔法?』」

「セラフさんはどんな魔法だと思います?」

「えっ?ええと、そうですね……時間を止める魔法とかでしょうか?」

「ほうほう、それはどうしてですか?」

「だって一方的な戦いってつまらないじゃないですか」

「あ?ああ、はい、そう、ですね。素敵な理由だと思います」

「……次のコーナー」


『今週の魔王勇者予報』


「強敵にうっかり出くわしたくない人のための魔王勇者予報のお時間です」

「目の前で自分の予報をされるのは感慨深いものがありますね」

「いままで戦い挑んできた魔物いる?」

「いますね、ついこの前もいきなり『お前のレベルは何レベルだ!』と叫びながら攻撃してきた悪魔がいましたよ」

「そういえばセラフさんって何レベルなんですか?」

「145レベルですよ」

「ちなみにその悪魔はどうしたんですか?」

「レベルを教えたら『話にならねえ!』って言いながら飛び去って行きましたよ、とても残念でした」

「どう考えても無茶だろうに……」

「おや?お知り合いでしたか?」

「いやまあ知人ではないんですけどね……」

「そろそろ予報」

「あ、そうだね。じゃあ魔王予報からお願い」

「魔王は今週も魔王城から出ない、特に出かける予定もない」

「いつも通り、魔王城に行かないようにすればいいね」

「これってどこから情報を得ているんですか?」

「それが悲しいことに俺もわからないんですよ」

「あれ冗談じゃなかったんですか……」

「冗談じゃなかったんですよ……」

「次は勇者予報」

「せっかくですし勇者予報はセラフさんが言いますか?」

「いいですよ、えっと私の今週の予定は月火とテクルダンジョンの攻略の続きを行いまして水から土までトクク平野の探索をします。日は王国内で用事がありますので魔物と出会うことはまずないかと思いますね」

「会いたくない人は今のうちに逃げておいてね!」

「強い方の挑戦は大歓迎ですよ!」

「命を大事に!」

「いえ!ガンガン行きましょう!」

「なぜこのネタが!?」

「次のコーナー」


『学問を進め』


「毎回一人に念話を飛ばし問題に答えてもらうコーナー!」

「正解者には賞品がある」

「難易度は簡単、普通、難問の3パターン!一応難易度が高いほうが景品が豪華になるぞ!」

「でも難問を解ける人っているのですかね?」

「一応自分がわかる範疇の問題しか出してないですよ」

「そうなんですか?ずいぶんと博識なのですね」

「ちょっと人より記憶力がいいくらいですよ」

「念話つながったって」

「こうして実際見ているとソロムさんの仕事ってかなり多いんですね」

「ええ、ソロムがいないと放送不可になりますよ。もしもし!」

『すごい、頭の中で声が聞こえる』

「異世界ネームを教えてください!」

『あ、ぼ、僕は『嫌われ者』です』

「『嫌われ者』さん!あの、なぜこんな悲しい異世界ネームなんですか!呼びづらいんですが!」

『ごごごごめんなさい、僕、冒険者の人たちにかなり嫌われてる類の魔物なのでつい……』

「別にこのラジオは魔物だって聞いているのですからそんな卑下することはないですよ?」

「冒険者に嫌われるほどの魔物とは……これは結構な強敵のにおいを感じますね」

「誇れると思う」

『そうですかね……』

「今ここで異世界ネームを変えましょう、呼んでてつらくなるんですよ」

『わかりました』

「何か他にいいなって思う名前はないんですか?」

『じゃあ……『雨男』でお願いします』

「まだ微妙にマイナスですけどそれならいいでしょう!問題の難易度はどうしますか?」

『普通でお願いします』

「わかりました!難易度は普通!制限時間は30秒!」

「問題、ラクス平野とウェル森林の間でよく出現する危険度SS+の魔物の名前は?」

『……えっと』

「どうやら『雨男』さんは魔物のようですしこの問題は少し難しいのではないですか?」

「いや、多分ですけど……」

『シュウウでしょうか?』

「シュウウ!さあ果たして正解なのか!?」

「正解」

「レパーたんちょっと発表が速いな!まあ『雨男』さんおめでとうございます!」

『えっとあの』

「賞品はミリターで販売されている武器の中からお好きなものを一つプレゼントです!」

「カイトの自腹だから自由に選んでいい」

「あの店は結構高級武器店ではなかったですか?カイトさん大丈夫なんですか?」

「5日くらい飯を抜けば余裕ですよ」

『あの、この魔物』

「参加賞のポーションセットも送りますね!」

『あ、ありがとうございます』

「正解した感想をどうぞ!」

『えっと、問題がよかったです』

「うん!謙虚ですね!いいことだと思います!それではシュウウ、じゃなかった『雨男』さん!ありがとうございました!」

『やっぱりカイトさんわかって』

「今『雨男』さん何か言いかけていませんでしたか?」

「何か思うことがあったのかもしれませんね!」

「次はエンディング」

「あ!一応言っておくけど問題は完全ランダムだからね!」


「エンディングのお時間がやってまいりました。お、ちょうど薬の効果も解けたみたいだね」

「多分女体化してたほうが人気出る」

「やっぱりそう思う?悲しいなあ……」

「勇者さんはラジオ出てどうだった?」

「とても面白かったですよ。普段は聞いているだけですが、実際に参加して皆さんの顔を見ることができたり、あまり知りえない裏の作業を見ることもできました」

「特に俺たちの顔に価値はないと思いますけど。いや、レパーたんはかわいいしソロムはイケメンだから価値はあるのか」

「『裏の作業も別に面白いものじゃないけどね』だって」

「新鮮味があるのですよ。いつも聞いているラジオはこういう人たちが作っているのだなとか、放送されない裏側でこんな地道な作業があるのだななど知れましたので」

「お楽しみいただけたのであればこちらとしてもうれしいばかりです!」

「また是非呼んでくださいね」

「もちろんですよ!今回のゲストは勇者のセラフィ・マヴェルさんでした!ありがとうございました!」

「ありがとう」

「いえいえこちらこそありがとうございました」

「それじゃあレパーたんいつもの!」

「お便りを送るには手紙、念話、掲示板、各地にあるお便り箱などいろいろな方法で送れる。お便りには異世界ネームとコーナー名、本文が書いてあれば十分。コーナー用じゃないお便りの場合は『普遍的なお便り』って書いて」

「次回のゲストは未定!正直俺とレパーたんの二人放送の可能性が高い!」

「それでは今日はここらで!」

「「「またね!」」」


『この番組は、何でも買える武器ショップ『ミリター』と、街のみんなの薬局『亀甲薬局』の提供でお送りしました』


『悲壮感と生きる』


「えー、俺海斗がリスナーさんからの悲しみのお便りを読み上げる新コーナーです。では、さっそく読みましょう。異世界ネーム『拝啓月が見えます』さんからの悲しみのお便り」

『こないだ封印を解いてもらいとてもうれしい気分で雨が上がるのを洞窟の中で待っていたんですが、雨宿りに来たであろう男に刺されてしまいました。戦わない意思は伝えたはずですし実際攻撃もしていないのですが男は聞く耳を持ちません。ついには私の鱗が一枚駄目になってしまい、私は焦って飛び立ちました。今では再生して痛みもないのですが、なぜか涙がこみ上げてきます』

「……『拝啓月が見えます』さん、頑張って生きよう。きっと、きっとわかってくれる人がどこかにはいるから。俺は『拝啓月が見えます』さんのこといい人だってことわかってるから。こんど一緒に酒でも飲もうよ、俺が払うからさ」

「『また微妙に人気が出なさそうなコーナーを自主的に』」

「レパーたん読まなくていいから」

セラフィ・マヴェル

中性的な声と顔立ちで一人称が私だがれっきとした男

もともとは普通の農民だったが

森の中で偶然見つけた勇者の剣をノリで抜いてしまった

勇者の剣のおかげで攻撃力は異常に高いが防御力は下の上

基本的にはまともな性格をしているのだが戦いのこととなると

異常なまでのバトルジャンキーで重度のボレアフィリアという裏の顔が見える

(勇者というプレッシャーと長く続く戦いで少し心が壊れてしまったのが原因)

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