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国際テロ組織マキャヴェリズム  作者: チョビ
第一章:テロ組織との出合い
9/22

もう一人の仲間

どうも降木です!今作は今まで書いていた物とは少し変わった話ですので少し楽しみながら書かせていただいてます。

まだまだ初心者ですので分からない所も多々あると思いますが暖かい目で見てくれたら幸いです。

「―どうしてここに寺田君が…」


 村上さんは部屋に入ってくるなり、まっさきに俺に目が行き、驚きの表情を浮かべていた。


 どうやらクレスは何も説明せずにここに連れて来たようだな…。

 はぁ、全く…。まぁクレスから説明するよりかは俺から説明する方がいくぶんか楽なのだが…。


「―まぁ、立ち話もなんだからそこに座りなよ」


 そう要って俺は目の前のいすを指した。


 村上さんは多少オロオロしていたが、無事にいすに座ってくれた。


 ―ふぅ、ひとまずは合格だ。

 と俺は内心で呟いた。


 俺はこいつを仲間にするといったが、まだそれは確実ではないのだ。

 何故なら俺はいままでクラスの奴らに全くの興味がなかった。


 だから当然クラスの人の事など全く見ていないし、見ようともしなかった。

 そんな俺が何故こいつを仲間に加えようかと思ったかというと…。


「―村上さんには何か他とは違う何かを感じてね。それで俺たちの仲間に加えようかと思って呼んだのさ」


「仲間…?」


「あぁ、そうだ」


 俺はそのまままっすぐに彼女を見つめた。

 彼女は突然の勧誘に少し戸惑いながらも必死に頭の中で考えている様子だった。


 こんな場面でも冷静に考えようとする能力…。それを持っているだけで育てれば十分に育つ。


 と考えていると村上さんがおそるおそるといった様子で口を開いた。


「―そもそも…。寺田君はこの組織の一員なの?」


「―悪い。まだそこを説明してなかったな」


 そう言って俺は誤りそして、ボスとの話しの内容。つまりこの組織の目的でもある理想の国作りの内容を話した。


「―というわけで俺はボスの考えと一致したから、俺はボスと一緒にそんな理想の世界を作るためにこの組織に入ったんだ」


 一通り話し終わり、俺は一息ついた。


 そして俺が話している間にも彼女の顔を観察し続けた。

 ―俺が見るからに彼女もまたボスの考えに少しは同感するはずだと踏んでいる。


 だがこれはあくまで予想…。ただの思い違いかもしれない。


 だから俺はただ彼女が次に発する言葉を待った。

「―確かに私はこの世界に不満を持っているわ」


「そうだろ?確かにこの世界に不満を抱えざるをえない。ただボスの作る世界にも当然不満を抱えるはずだ」


「そんな事も言うのね」


「あぁ。人間は自分のやりたいようにやっても必ず不満を感じる。ただ俺たちが作る世界は不満を感じたら好きなように修正をすればいい。だから今の世界か俺たちの理想の世界か。そのどちらがいいかってことだ」


 俺はもう一度彼女を見つめた。


 村上さんは一度目を瞑って何かを必死に考えているようだ。

 彼女のいいとこは冷静になれるところだが、物事を考える時に少し時間がかかりすぎる。


 勿論時間を掛けることは大事なことだが、人生はそんなに待ってはくれない。いかに早く物事を考え、行動するかによって自分の人生は大きく変わってくる。


 だからもし仲間になってくれるならそこを直すように言おうか…。

 と思っていると村上さんが目を開いた。


「―いいわ…。私も仲間に入ってあげる」


「そう言ってくれると思ってたぜ」


「ふっ。もし仲間にならないとでも言ったら、きっとひどい事をされそうだったしね」


「そんなことはしないさ」


「まぁ、どちらにせよ私は自分で考えて出した答えよ。後悔はしないわ」


「そう言ってくれてとても助かるよ」


 やはり彼女は俺の見込んだ通りの人だ。


 彼女は俺が教室で人を殺している間も他の人と一緒に震えあがらずに、ただ今起こっている事を必死に理解し、何か打開策を考えていた。


 彼女は物事を考えるのにたけている。だからこれからはそこをのばしていけば、いずれ凄い人物になるだろう。


 ―これからはもうただの人ではいられない。

 これからは他の人間達とは根本的に違う生き方考え方をしなければ…。


「―決めた」


 俺は小さく呟いたが、村上さんには聞こえたらしく、俺の方を見た。


「俺は今日から今までの人生、そして俺の名前を捨てる。今日から俺は名を改め、ゼロと名乗る」


「ゼロ?」


 村上さんが小さく尋ねてきた。


「そうだゼロだ。これから俺はこの名の通り全てを捨ててゼロにする。―感情も、愛情も、心も全て…。完璧になるために不必要な物はこれから捨てていく。だから俺はゼロと名乗る」

 愛情や感情などは人間にとって不必要な物だ。


 まぁ感情は少しはいるとしても、愛情はいらない。

 愛情は人間をダメにする行為の元となる物だからだ。


 だから俺はこれからどんどん捨てていき、新人類となる…。


「―でもゼロ君には愛情なんか捨てさせないよ?」


「何?」

「だって人を愛せなかったらそれこそ人生つまらないよ?」


「何を言ってるんだ…。人の事を考える時間でどれだけ自分の事ができるというんだ…」


「それでも自分の時間を減らしてまだ相手の事を考える事がまたいいんじゃない?それにゼロ君にはまだ愛情がしっかり残ってるし」


「俺は愛情なんか…」


「いーやまだあるよ!」


 村上さんが俺に一歩近寄ってきた。


 その気迫に押され、ながらも俺は抵抗した。


「ちょっ!村上さん!」


 その言葉を言うと村上さんは少し不機嫌な顔になった。

 その理由は、


「私の事は下の名前のつぼみって呼んで」


「わ、分かったよつぼみ」


 俺がそう呼ぶとつぼみは上機嫌になりそのまま一歩下がった。

「絶対にゼロ君に愛情を教えてあげるんだからね!」


 と言ってにこりと笑った。


 俺はその笑顔を見て少しの和みを感じたが、すぐに正気に戻りその思いを押しとどめた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

もしよろしけば感想やレビュー等よろしくお願いします。

次回は仲間とともにテロ活動を!そして2章に突入!お楽しみに!!

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