人の本性
どうも降木です!今作は今まで書いていた物とは少し変わった話ですので少し楽しみながら書かせていただいてます。
まだまだ初心者ですので分からない所も多々あると思いますが暖かい目で見てくれたら幸いです。
「―それでお前は人様に銃を向けて何をしようってんだ?」
「とりあえず無礼をお詫びいたします。…って感じでいいのか?」
そう言って俺は頭を下げた。
「それは悪いと思っている奴がやるもんだぜ?」
「なるほど…。でも今の社会はこういうのが普通だと学びましたので…」
「ケッ、やっぱりお前ろくなやつじゃねえな」
そう言っておじさんはポケットからたばこを取り出した。
「おじさんも人と話している時にたばこはどうかと思うよ?」
「それは悪かったな」
そういいながらも一切のためらいも無くそのままたばこを口にした。
―さてこれからどうしようか…。恐らく俺がこのおじさんに勝てる確率は恐らくずいぶんと低い。
だからここから逃げる手段を考えなければ…。さらには何か考えているという事を悟られないようにしなければ。
そのためにはこの口調はまだやめる事はできない…。
「―でお前さんはこれからどうするつもりだ?」
不意におじさんが言った。
何故かその言葉は胸の中に突き刺さった。
―これからどうするか…。未来の事など今まで生きていく中で嫌というほど考えてきた。
だが決して答えは見つかることは無かった。
そして俺は、いくら考えてもそれは決して見つかることのない答えだと悟った。
だから俺はこんな質問をよくしてくる大人は大嫌いだ。
「―そんな事を聞いておじさんはどうするつもりなの?」
「ケッ、確かに俺は他人の人生を心配するほどのお人好しではないな」
おじさんはそう言って、口から「はぁ~」と息を吐き煙を出した。
「だがな、他人の人生に興味はあるぜ?特にお前みたいなおもしろい奴の人生とかな?」
「―やっぱりおじさんは他の人とは違うね~」
「だろ?―でそろそろ俺の質問に答えてもらおうか」
顔も声色も全く変わっていないのに何故か威圧的に感じた。
こういう奴にはいくら銃を向けて脅してもダメだと悟り、俺は銃をおろした。
「―もちろんこんな楽しい事を知ってしまった以上、元の生活は出来ないだろうねぇ…。かと言って無理に押さえ込んだらいつかは爆発する。そしてその爆発は今まで押さえ込んでいた以上になる
。―それはそれでおもしろいがつまらない…」
俺は自分が思っている事をそのまま口に出して伝えた。
そもそも俺が自分が思っている事を口に出して言うことなど久しぶりだな…。最後に本音を言ったのっていつだろうか…。恐らく保育園の時だろうか?
まぁ、今はそんな話しはどうでもいいか。
そしてさきほどから表情を一切変えなかったおじさんが口を緩めて初めて表情を変えた。
「そうだろうなぁ~。こんな事を楽しいなんて言ういかれた野郎は元の普通の生活なんか出来ないだろうな。ましてや学生なんて務まるはずがないだろうなぁ」
「―あぁ、だからこれからの人生もっと楽しくなりそうだ」
そう言って俺はおじさんに笑みを向けた。
するとおじさんはサングラスを外した。
次の瞬間何かが起こる…。そう確信し俺は銃を握りしめ身構えていると、
「俺が初めてお前をみた時はひどく弱々しかった。そして俺の部下を殺す時のお前はひどく楽しんでいた。そして今のお前は俺と話しながら何かを考えている。あくまでも自分が立場が上だという態度で…。こんな短い間で俺はこんなにも一人の人間が変わるのは初めてみた。それでだ…」
おじさんはサングラスをポケットに入れ、もう一度息を吹き煙を出して、
「―一体本当のお前はどれだ?それともまだ別の一面が隠れているのか?」
このおじさんは全部分かっていた。俺が様々な思考をしながら話していることも。さらには俺の中に眠っている本性を感じ取っている。
だがしかし、その俺の本性を完全には読み切れていない。
―まぁそれは当たり前か…。
「…おじさんは本当の自分って分かるの?」
「あぁそんな事ぐらいは皆分かっているはずだろ?」
―皆分かっているか…。そんな事は分かっているのか…。
「やっぱりおじさんはまだまだだよ…」
俺は失望のまなざしをおじさんに向けた。
「―それじゃあ聞かせて貰おうか。お前の考えている事を」
「―分かったよ。人の本性って言うのはそもそも分かるものじゃないんだよ。
俺は熱のこもった声、頭、感情に身を任せた。
「人は一人では生きられないという言葉があるが、それは正しいとは思う。だから人は人と関わって生きている。そしてその関わりは必ず偽りが紛れ込んでいる。その時点で人の本性は人には絶対に見ることは出来ない。そして人間は人と関わる時でる偽りに気づけていない。だからこの時点でもう人の本性はもう誰も知りようがない。いくらこれが自分の本性だと言ってもそんな事を証明することも出来ない。だから人の本性というものは絶対に誰にも分からないんだよ!」
「―なるほどな…」
おじさんはたばこを床に捨てて一言呟いた。
そして、俺を一瞥して、
「だが、そんな考えもすべての人が納得してくれない…」
確かに、俺の考えを納得、つまりは理解してくれる人はこの世界にいるかどうかは分からない。
でも、それだから…、
「それだから人間っておもしろいんだろ?」
俺はおじさんに向かってにっこりと笑みを見せた。
「―そうか。やっぱりお前は最高だ」
するとおじさんも今までの表情から一転し、にっこりと笑みを浮かべて俺に一歩近づき、
「なぁ坊主。俺たちの仲間にならないか?」
そう言っておじさんは手をさしのべた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよろしけば感想やレビュー等よろしくお願いします。
次回、テロリストのボスが登場し…。お楽しみに!!