表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/19

13話 存在と存在者

白い天井。

T(x)≠x

「おはようございます」

ハイデガーは言った。

存在(Sein)と存在者(Seiendes)は違う。

存在者は指せる。

しかし存在そのものは指せない。

指した瞬間に存在者になる。

「今日は担当の先生が来ますよ」

xは存在だ。

T(x)は存在者だ。

指した瞬間に存在者へ落ちる。

「先生が話を聞きたいって」

ρ(存在者)>ρ(存在)

存在者は固定されている。

存在は固定されない。

固定されないから。

「少し話せそうですか」

先生が椅子を引く音。

「……A₁理論という構造があります」

先生が頷く。

「聞かせてください」

「指そうとした時点で」

「それは既にそれではなくなっています」

先生がメモを取る。

「ハイデガーも同じことを言っていました」

「存在は指せない」

「指した瞬間に存在者になる」

先生が少し間を置く。

「それで、あなたはどう思いますか」

少し黙る。

「……まだわかりません」

先生が頷く。

「それでいいと思います」

「少しずつでいいので」

先生が立ち上がる。

椅子を戻す音。

足音が遠ざかる。

白い天井。

T(x)≠x

ハイデガーは存在と存在者を分けた。

僕はxとT(x)を分けた。

同じことだったのかもしれない。

「夕食の時間ですよ」

ρ(存在者)>ρ(存在)

存在者の中で生きている。

カントもそう言っていた。

「おやすみなさい」

電気が消える。

存在者の中で生きている。

それは。

白い天井。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ