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終末の英雄  作者: leon02d2
英雄の誕生
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第8章 - 別れ

和樹は自分の目を疑った。 ストームホールド駐屯地への合格通知は、彼の胸を喜び、誇り、そしてわずかな不安が入り混じった感情で満たした。 それは、ずっと夢見てきた戦士になるための次の一歩だった。


「合格した!ストームホールドの駐屯地に入隊するんだ!」

和樹は興奮を抑えきれず報告した。


ポールと巴は和樹のもとへ歩み寄り、誇らしげな表情を浮かべた。 巴は強く抱きしめ、ポールは肩を軽く叩いた。


「お前ならできると分かっていたさ。 誇りに思うぞ、坊主。 」

ポールは満足そうに微笑みながら言った。


「おめでとう、和樹!あなたなら当然よ!」

巴は目を輝かせ、感情を込めて抱きしめながら言った。


リリーはまだ状況に少し驚いている様子だったが、控えめに微笑んだ。


「本当に嬉しいよ、和樹。 きっと立派な戦士になるね。 」

彼女は優しく言った。


皆が祝福する中、カレンだけは同じ熱量を共有していないようだった。 表情は硬く、どこか不安げだった。 再び乾杯が行われても彼女は黙ったまま和樹を見つめていた。 やがて気持ちを落ち着けるため席を立ち、ギルドのバルコニーへ向かった。 それに気づいた和樹は後を追った。


「カレン、大丈夫?なんだか心配そうだ。 」

和樹は気遣うように尋ねた。


カレンは不安を映した瞳で彼を見た。


「和樹... 私、賛成できない。 ストームホールドに行くってことは戦争に行くってことでしょ。 危険すぎるよ。 」

彼女は率直に言った。


和樹は彼女の手を握り、安心させるように見つめた。


「もしあなたに何かあったら?もう失いたくないの...」

カレンは不安げに言葉を続けた。


「気持ちは分かる。 でもこれは僕の信じるもののために戦うチャンスなんだ。 僕は進まなきゃいけない。 」

和樹は静かに答えた。


「違う!あなたは何も背負う必要なんてない!おとぎ話の英雄じゃないし、帝国戦争の偉大な英雄たちみたいでもないのよ…」

彼女はついに涙をこぼしながら叫んだ。


和樹は強く抱きしめた。

「落ち着いて、カレン。大丈夫だよ…」

彼は優しくなだめた。


「バカ…本当に私を置いて行くの?」

彼女はさらに泣きじゃくった。


和樹はしっかり抱き寄せ続けた。


「泣かないで。必ず戻ってくる。時間がかかっても会いに来るよ。約束する。」

彼は決意を込めて言った。


「本当に?」

カレンは涙で濡れた目で尋ねた。


「うん、約束だ。」

和樹は迷いなく答えた。


カレンは少しずつ落ち着き、和解の意味を込めてもう一度抱きしめた。その後、二人は皆のいる室内へ戻った。


「やっと戻ったか!まだ時間はある、楽しもうぜ!」

ポールはビールのジョッキを掲げて言った。


「うん父さん、楽しもう!」

和樹は笑顔で応じた。


「うん!!行こうー!」

リリーもできるだけ明るく声を上げた。


巴はその様子を見てくすっと笑った。

「もう、本当にかわいいわね。」


「ほんとね。」

カレンも柔らかく笑った。


和樹は家族のような仲間たちを見渡し、久しぶりに心からの幸福を感じていた。養父母のポールと巴、姉のようなカレン、そして新しい友人のリリー。再び満たされた気持ちだった。


「みんながここにいる…感謝で胸がいっぱいだ。これからの道は険しいけど、愛と支えがある。僕は戦う、皆のために。必ず帰る、家族のために。」

和樹は心の中で誓った。


夜は笑い声と祝いの言葉に満ちて続いた。温かな空気の中で、カレンも徐々にその雰囲気に溶け込んでいった。


皆は再びジョッキを掲げ、友情と絆を確かめ合った。カレンもまだ不安は残りつつ、和樹を支える決意で乾杯に加わった。


やがて夜が更け、宴が終わりに近づくと、ポールと巴は出発の準備を始めた。別れは避けられないが、そこには感謝と希望があった。


ポールは武器や装備を確認し、巴は忘れ物がないよう丁寧に荷物を整えた。出発前、ポールは和樹をバルコニーへ呼び出した。


「これから色々な試練が待っている。強くあれ。」

彼は真剣に言った。


「うん、父さん。」

和樹はうなずいた。


「勇敢な心を忘れるな。そして助けが必要な時は頼れ。お前は一人じゃない。」

ポールは静かに続けた。


「ありがとう、父さん。」

和樹は感謝を込めて答えた。


その言葉は和樹に力を与えた。二人が室内へ戻ると、巴はすでに準備を終えていた。


「寂しくなるわ。」

巴は和樹、カレン、リリーを見ながら言った。


「泊まっていけばいいのに。もう遅いよ。」

和樹は本音をこぼした。


「ミッドガルドに早く戻らないと。家と仕事があるからね。」

ポールは優しくもはっきり答えた。


「またきっと会えるわ。」

巴は愛情を込めて言った。


「うん、絶対に。」

和樹は笑った。


巴は最後に和樹とカレンを抱きしめ、二人は旅立った。


カレンはその後、和樹とリリーの部屋を手配した。


「和樹は左の最初、リリーはその隣よ。」

彼女は説明した。


「えっ、やだ!」

リリーが抗議した。


「どうしたの?」

カレンが聞いた。


「このバカと一緒に寝たい!」

リリーは和樹を指さした。


「え!?なんで!?」

和樹は驚いた。


「一人になるのが怖いの…」

リリーは顔を赤らめて俯いた。


和樹は同情して受け入れた。


「分かった、いいよ。」

彼は穏やかに言った。


リリーは跳ねて喜び、カレンは微笑んだ。


「本当に仲良しね。」

彼女は楽しそうに言った。


00:24 深夜。


「もう遅いな。明日早いし。」

和樹はつぶやいた。


「おやすみ、和樹。」

カレンは柔らかく微笑んだ。


部屋にはベッドが一つだけだったが、和樹はリリーをただの年下の友人として見ており、特に気にせず横になった。リリーは強く抱きついた。


「どうした?」

和樹は小声で尋ねた。


「また一人になるのが怖いだけ…」

彼女もささやいた。


和樹は抱き返した。


「もう家族がいるよ。」

彼は優しく言った。


「あなた、彼に似てる…」

リリーはぽつりと言った。


「彼って?」

和樹は聞いた。


「昔の親友。村が襲われたとき離れ離れになったの…瓦礫の下に閉じ込められて、暗くて、お腹も空いて…死にそうなところで衛兵に助けられた。」

彼女は静かに語った。


「今は思い出さなくていい。もう安全だよ。」

和樹は落ち着かせた。


「ありがとう、和樹。」

彼女は安心して言った。


「そうだ…悪魔の襲撃は世界中だった。僕だけじゃない…」

和樹は心の中で思った。


やがてリリーは眠り、和樹も穏やかな風の入る部屋で眠りについた。


07:13 朝。


和樹は頭痛で目覚めた。リリーはまだ抱きついたまま眠っていた。初めての二日酔いだった。


「頭が痛い…気分も悪い…倒れそうだ…」

彼は内心つぶやいた。


静かに起き、廊下をよろめきながらトイレへ向かった。


到着すると激しく吐き、床に座り込んだ。そこへ通りかかったカレンが気づいた。


「和樹?大丈夫?」

ドア越しに尋ねた。


「ちょっと…」

彼は弱々しく答えた。


「入っていい?」

彼女は心配そうに聞いた。


「どうぞ。」

和樹は応じた。


カレンは背中をさすった。


「顔色ひどいよ。」

彼女は優しく言った。


「自覚ある…」

和樹は苦笑した。


「お茶入れるね。」

彼女は支えて立たせた。


ギルドのテーブルで休ませ、温かいお茶を持ってきた。


「これ飲んで。」

彼女は差し出した。


「ありがとう。」

和樹は一口飲んだ。


「どういたしまして。」

カレンは微笑んだ。


「他のみんなは?」

和樹は尋ねた。


「今日は休み。」

彼女は答えた。


※カレンはギルドのマネージャー。


「今日、ストームホールド行きの新兵の荷車が出るよ。」

カレンは知らせた。


「今日?」

和樹は驚いた。


「ついに来たね。」

彼女は言った。


そこへリリーが現れた。


「本当に行くんだね。」

彼女は少し寂しそうに言った。


「ずっと待ってた瞬間だから。」

和樹は答えた。


「待ってるよ!」

リリーは明るく言った。


「ありがとう。」

和樹も笑った。


数時間後、出発の準備は整った。制服、武器、覚悟。


カレンとリリーは入口で待っていた。


「もう時間だ。」

和樹は言った。


「7年か…早かったね。」

カレンは感慨深げだった。


「うん。」

和樹はうなずいた。


「寂しいよ。」

リリーは言った。


「僕も。」

和樹は笑った。


「私も戦士になる!傭兵になる!」

彼女は決意した。


「すごい目標だ。」

和樹は感心した。


「帰ってきたらもっと強くなってるから!」

リリーは胸を張った。


「信じてる。」

和樹は微笑んだ。


カレンは笑った。


「本当に仲良しね。」

彼女は言った。


和樹は二人を抱きしめた。


「必ず帰る。」

彼は約束した。


「絶対だからね!」

リリーは笑った。


「信じてる。」

カレンも続けた。


和樹はギルドを後にし、ストームホールド行きの荷車へ向かった。途中、ゲイルのパン屋に寄ることにした。


賑わうニクスヘイヴン中心街を抜け、「Nyx’Oven」に入ると店は満席だった。


「おお和樹!」

ゲイルは明るく迎えた。


「繁盛してるね。」

和樹は笑った。


「今日は甘い物セールだ。」

ゲイルは誇らしげだった。


「なるほど。」

和樹はうなずいた。


「何か食べる?」

ゲイルは聞いた。


「いや、軍に合格したって伝えに。」

和樹は真剣に言った。


「それはすごい!」

ゲイルは喜んだ。


「今日出発なんだ。」

和樹は続けた。


「分かった。来い。」

ゲイルは奥へ案内した。


二人は座った。


「早いな…」

ゲイルはしみじみ言った。


「本当に。」

和樹は同意した。


「木の剣を持ち上げるのも大変だったな。」

ゲイルは笑った。


「弱かったから。」

和樹は苦笑した。


「でも成長した。」

ゲイルは誇らしげだった。


「一人で鍛えたから。」

和樹は振り返った。


「それでも人生は別のことを教える。」

ゲイルは諭した。


「分かってる。」

和樹はうなずいた。


「戦争は厳しい。でもお前は立派な戦士になる。」

ゲイルは肩に手を置いた。


「信じてくれてありがとう。 」

和樹は感謝した。


「失敗を恐れるな。 」

ゲイルは言った。


「覚えておく。 」

和樹は答えた。


ゲイルは抱きしめた。


「寂しくなるな。 」

彼は言った。


「必ず戻る。 」

和樹は誓った。


「有名になったら特製菓子だ。 」

ゲイルは笑った。


「楽しみだ。 」

和樹も笑った。


「行け、和樹。 」

ゲイルは背中を押した。


「ありがとう。 」

和樹は言った。


「息子みたいなもんだ。 」

ゲイルは小声で言った。


その言葉に和樹は胸を打たれた。


「ありがとう... 父さん。 」

彼は涙ぐみながら店を出た。


希望を胸に街を駆け、駐屯地へ向かった。


荷車はすでに並んでいた。 受理証を見せ、乗り込む。


期待、不安、決意。


和樹の新しい旅が始まった。 ストームホールドという軍都へ向けて。

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