プロローグ ― 魔族の台頭
作者よりご挨拶
はじめまして。作者のleon02d2《ライオンゼロドイスデドイス》です。
ブラジル出身の作家で、本作『Hero of End』《ヒロ・オフィ・エンディ》は海外で執筆したファンタジー作品です。
現在、日本の読者の皆さまにも楽しんでいただけるよう、文化や表現に配慮しながら翻訳と調整を行っています。
まだ至らない点もあるかと思いますが、物語に込めた想いや世界観は大切にしています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
三百年前、エルドリウム《エル・ドー・リ・ウム》は世界大戦によって壊滅的な被害を受けた。すべての種族と国家が争い、世界は混乱と戦火に包まれていた。
その戦乱の中で、魔族の影が世界に広がり、恐るべき勢力として台頭した。彼らは圧倒的な力と残酷さを示し、他種族に大きな脅威を与えた。
やがて世界の諸国家と種族は団結し、多大な犠牲を払いながらも魔族を退け、世界に平和を取り戻すことに成功した。しかし魔族は歴史の陰へ追いやられ、彼らへの差別と不信は年月とともに強まり、密かに復讐の念を育て続けていた。
時は流れ、エルドリウムは表向きの平和な時代を迎える。だがある日、沈黙を破った魔族は各国へ同時侵攻し、世界そのものに宣戦布告を行った。
恐れられる魔王と十人の魔将の指揮のもと、容赦なき攻勢が始まり、各地に混乱と破壊が広がっていく。魔将たちはそれぞれ地獄の軍勢を率い、再び世界に恐怖をもたらした。
いま、エルドリウムは滅びの瀬戸際にある。魔族の闇は各地へ広がり、人々は絶望の中で希望となる英雄の出現を切望している。世界を救い、この脅威に立ち向かえる存在を――。
その新たな戦乱の時代、都市ニクスヘイヴンでは一人の少年が十六歳の誕生日を迎えていた。 中沢一樹 ― それが彼の名だ。
戦争は彼から家族と無垢な日常を奪ったが、胸に残ったのはただ一つ、燃えるような誓いだった。魔族の暴虐を終わらせ、故郷を守ること。
孤独な鍛錬を続け、強い正義感に突き動かされたカズキは軍への入隊を決意する。彼が求めるのは力だけではない。自らを乗り越え、戦火に立ち向かえる戦士となり、世界を脅かす魔族に挑むためだった。
魔族の手によって崩れつつあるエルドリウム。
そしてカズキ・ナカザワこそが、滅びへ向かう世界の最後の希望となるのかもしれない。
― 彼の旅が、いま始まろうとしている。
以下の物語を楽しんでいただけると幸いです。
敬具、leon02d2




