比翼の鳥2
帝国による支配は既に大陸を覆い尽くした。ここ、砂漠の町【ドナン】以外は。
「やっと着いたか」
騎士団団長ヴォーゲンが呟く。しかし、町と言っても数軒の家があるだけ。
「団長、これで全員です」
シーゲルとドウキが町人を集めていた。
「ふむ、どうやら比翼の鳥はいなさそうだな。解放してやれ」
「はっ」兵達が手際よく縛っていたロープを解く。
「喉が乾くな」「あ、井戸だ!」「やっと水が飲める」「って!?」
そこで気づく。
「これが、がそりんってやつか?」
そういうとシーゲルはくんくんした。
「待て! 井戸が水ではないなら、町人は……」と、言っている最中に地震!
ぐごごご……
いや、これはなにか機械の駆動音? 兵隊はバラバラに巻き込まれながら、砂の中から建物が現れて散り散りに分断された! 「これは!?」
城だ!
砂の中から城が現れた。いろんな駆動音が聞こえる。そして、馬がやられた! 騎士団の脚である馬はもう生きていけないであろう大怪我をした。次に歩兵は馬の下敷きだったり、トラップで壊滅的ダメージを受けた。そこに、城の兵士と思われる【白装束の槍兵】が待ち構えていた! しかも、強い! 帝国兵達と互角かそれ以上!
「皆! 固まれ!!」
ドウキが指揮を取る! そういえば団長ヴォーゲンは?
「……。帝国騎士団団長、【百夜射抜】のヴォーゲン……。だな?」
「左様。主は? かなりの手練れと見受けたが」
「私はドナン領主、獄炎のスパイカー……。悪いが……、死ね!」
チャキン。スパイカーは見たことないモノをヴォーゲンに向けて、何かをした。そして、ソレから炎がヴォーゲンに纏わりつく!
「……。なるほど、スパイカーと言ったか? お主、比翼の鳥の一人だな?」
「ほっほ、それを知ってももう死ぬだけだぞ!」
すると、炎は天井に集まり、消えた。
「なに! 私の炎が!」
「驚くことはあるまい。比翼の鳥はこちらにもいるだけのこと、本人は火翼の鳥と言ってるがな」
そう、炎と言えば騎士団の比翼の鳥ことボンノウ! バコ! と、天井が空き、ボンノウが現れた。
「き、貴様、極東の侍か!?」
「へー、あんたニホンを知っているのか? あんたは西洋のカラクリ使いか?」
「どういう事だ?」
ヴォーゲンが聞く。そうだよ! 勝手に話進めるなよ!
「まず、ニホンってのは俺の故郷で、ニホンは世界の外れ、極東にあるとされています。ま、こっちからすれば、逆なんですが。侍ってのは剣士ってとこかな?」
「ほう、なるほど、つまりお互い会う事などないわけか?」
「それは違う。ヒコウキやらで、金さえあればなんとかなる世界っすわ」
「では、あやつの炎は?」
「そう! カラクリがあるんですよ! 実は実際どうなっているかはわからないけど、がそりんってのは液体の薪ってとこで、それを噴射したんでしょ」
と、いうことは?
「そうか! アイツ、水を自由に使える導師だ!」
「水が使えるから、水の薪も使える! か」
「えーい! 貴様ら! 二人で話して! 寂しいじゃないか! こうなれば奥の手を使うしかあるまい!」
ザー! 水が流れてくる! 古典的だがヴォーゲン達を窒息させるつもりだ!
「……これが何だと言うのだ?」
「はっはっは! このスパイカー意外は水中で呼吸などできまい? これで……」
「はっ!」
ヴォーゲンが馬に鞭をいれた! すると。
「ふぁ〜あ、お呼びですかぁ?」
なんと! 馬が喋った!
「【好きなだけ】水を飲んで構わんぞ」
「え? ほんと? らっきー!」
ゴクゴク……。
「アホか! 水なんぞ飲まれたくらいで、水責めを克服できるわけないだろ」
なんか、段々スパイカーが小物化していく。
ー二時間後ー
ゴクゴク……。まだ飲んでいる。
「あれれ? もうないの?」
馬がまた喋った。
「くっ!」
どうやら水はもう無いみたい。かっこ笑い。
一方、地下研究室。
「作れ! 創れ! 壊せ! 戻せ! 私は研究者! 実験あるのみ!」
ジリリリリリ! 鐘がなる。
「んー、できた! ガソリンよりも遥かにパワーのある、【核】!」
「それは聞き捨てならないな」
「むぅ?」
シーゲルだった。
「お前も比翼の鳥か!」
「いかにも! そして、比翼の鳥の王こそ、そこにおられる……」
ザッ!
「なに!!?」
そこには、鋼鉄が煌めく、ヴォーゲンの姿があった!
「団長! どうして?」
「はっはっは! 私はこれで完璧な力を手に入れた! パーフェクトヴォーゲンなり!」
つづく?(ユニークアクセス数次第)




