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Nocturne of Rembra

霧深き都市、レンブラ。そこは、光と影が極端に分かれた、敗戦国家アルドリア共和国の首都。輝かしい光の街「クレストリア」と、忘れられた者たちが沈む闇の街「ダスクウォード」。
ダスクウォードの片隅で、ジャズの流れるバー『Stray Cat』を営む寡黙な男、ノクト。しかし、彼にはもう一つの顔があった。法で裁けぬ悪を狩り、決して光の当たることのない闇へと葬り去る非情な“掃除屋”。かつて大陸を揺るがした「灰の戦争」で心に深い傷を負った彼は、過去を捨て、ただ静かに夜の街で息を潜めていた。
そんな彼の日常は、一人の少女の訪問によって終わりを告げる。
「兄を探してください」
ジャーナリストの兄が失踪したと語る少女、リナ。最初は冷たく突き放すノクトだったが、事件の背後にダスクウォードで急速に勢力を伸ばす暴力組織「鉄槌党」の影と、彼が最も憎むべき悪の匂いを嗅ぎ取り、やがて重い腰を上げる。
失踪した兄が遺した一枚のメモ。それは、単なる人探しの依頼を、国家転覆を目論む巨大な陰謀へと変貌させる。東の超大国「ウロボロス連合」と、亡国「ゾル帝国」の残党が手を組み、共和国の記念式典を狙った大規模テロを計画していたのだ。
陰謀の核心に近づいた矢先、ノクトの目の前でリナが敵の手に落ち、誘拐されてしまう。これまで孤独な「仕事」として悪を裁いてきた彼の心に、守れなかったことへの自責の念と、烈火の如き個人的な怒りが初めて灯った。
国家を揺るがすテロ計画と、囚われた一人の少女。
巨大な陰謀の渦の中心で、ノクトの戦いは、共和国を救うための戦いと、リナを取り戻すための私闘という、二つの貌を持つことになる。
霧深きレンブラの夜を舞台に、孤独なダークヒーローの、硝煙と哀しみに満ちた闘いが、今、始まる。
錆びた街のレクイエム
2025/06/12 22:57
光の街の罠
2025/06/12 23:30
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