色々折れた
そんなオレたちは、いつもこうやってテスト前になると、一緒に勉強していた。
ずっと、このままがいい…
って思って、はや一年…
いつのまにか、うっかり中学を卒業して高校生になっていた。
…
しかもオレたちは、別々の高校に進学…
最寄りの駅は、一緒なんだけど…
でもね、学校が別々だからさー
もう別々の人生って感じなんですわ。
幸い朝は、よく一緒になる。
だから一緒に行く?みたいになるんだけどね、でも帰りは…ほぼ別なんよ。
しかし‼︎
幼馴染ってのは、強いもんで柚芽那は高校生になった今でもオレの部屋に遊びにくる。
基本オレはゲームしてて、柚芽那がずっと喋ってるってな感じだ。
バイトしようと思うけど、どこがいいかな?とか、新しい友達がみんな明るくて楽しいとかね。
だから、ゲームしながら
「うん、へー、そうなんだー」
って聞いていたわけなんですよ。
そして、そのうち柚芽那がバイト決まったって言い出して…
一瞬ゲーム機おいて、えっ⁉︎どこでバイトすんの⁉︎って必死感でちゃったときは、焦ったよね。
どんどん進化する幼馴染を目の当たりにしてさ…
焦る焦る…
そりゃ…オレもそろそろバイトは、するつもりなんだけどさ…
なんか、モヤモヤするんよね…
バイトなんかしたら、彼氏ができちゃうんじゃないかってさ。
じゃあ、告れよって友達には言われたんだ…。
でも、フラれたら幼馴染解散じゃん?
フラれるか、付き合えるか…
そんな恐怖の二択なら、オレは解散よりも幼馴染続行を選ぶに決まっている。
で…
とある日、お互いバイトしだしたんだけど…二人とも休みの日があってね、久々に遊ぼうってなったわけなんですよ。
せっかくだし、どっか出だす?って聞いたら柚芽那は、オレの部屋がいいっていうからさ、お菓子祭りしようかなって思って、バイト代あるし、お菓子とジュースを買って待ってたんよ。
そしたら、いつも通りかわいくて明るい柚芽那が来てさ、くだらない話をしていたんですね。
で、オレはふざけて長いお菓子をくわえて
「ほれ」
って柚芽那に向けたんですよ。
お菓子の端と端をくわえてそのままチューみたいなことを狙ってね。
まぁ、してくるわけないから冗談なんだけどさ。
そしたらさ、柚芽那がパクって反対側をくわえたんよ…。
だから、オレめっちゃビビって目を見開いて固まったよね。
柚芽那は、そんなオレを至近距離でめっちゃみてくるわけよ。
…
え、どうする⁇
このままお菓子ぽりぽりして、キス…する?
それとも…
…
オレはぽり ぽり ってゆっくり進んだ。
それでも動じない柚芽那。
いや、むしろ真顔すぎて何考えてるかすらわからない…。
そして…もうすぐキスが迫ろうとしたその時、ポキッてお菓子を割って柚芽那が遮断した。
やっぱり…そうなるよねー。
だから、オレは笑いながら
「わるのおっそ。危うくキスするところだったじゃん。てか、高速で食べてキスしちゃえばよかったな」
って言った。
顔は笑ってたけど…実際には心は落ち込んでいたのは、事実だ。
柚芽那も笑いながら、
「なら、キス待ちしとけばよかったかな」
ってオレをみた。
え…
それって…
じゃあ、もう一回する?って言いかけたその時、柚芽那がいきなり
「わたし、告白された」
って言い出しました。
えっ…
次に出てくる言葉って…まさか彼氏できたってなるんじゃないよね?
内心ドキドキのバクバクだったけど、恐る恐るきいた。
「彼氏…できた?の?」
って。
そしたら柚芽那は、
「ううん。まだ返事してない」
って答えた。
保留ってことは、悩んでるんだ?
「なんで保留?」
「だって、あんまり会話したことない人だったから」
って。
「あー、なら友達から始めればいいじゃん」
って、うっかりアドバイスしていたオレ。
何言ってんだよ⁉︎オレは‼︎
すると柚芽那は、
「それって友達からってことは、いずれ付き合うの?」
って聞いてきた。
…正直、その辺はわからなかった。
「それは、二人で話し合えばよくね?」
それしか、オレは答えられなかった。
だって、頭ん中…真っ白だからね。
いきなりオレは…フラれた気分だった。
まぁ、その人と付き合いだしたら…オレは完全にそういうことになる。
その話を友達に後日すると、
「終わったな」
って言われた。
いや…お菓子遮断された時点で終わったも同然なんよね…。
続く。