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幻想奇譚

ハーブの如く爽やかに

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

最初に、目ん玉開いて美味しいと思ったのって、紅茶パックなんですよ。

珈琲の味をお教え下さったのは、純喫茶の『ブラン』で御座います。紅茶の味を教えて下さったのは紅茶パックで御座います。

紅茶は珈琲と異なり、自宅でも外出先でも私にとって身近な存在でした。だからこそ、衝撃を受ける様な出会いをした事はなかったのです。そう、あのブランドに出会うまでは。


「渡ぃ、渡りちゃぁん。今日は紅茶パック買ってきたから、一緒にお茶にしよう」

上機嫌で母さんが袋から取り出したのは、長方形の箱で御座います。ダークグレイを基調とした上品な色合いに、紅茶の葉と思しきものがプリントされております。

見るからに高級品。お値段をお聞きするのを憚る私を他所に、母さんはティーカップのセットをお二つ用意致しました。慣れた手付きで紅茶のご用意をなさります。

母さんは紅茶パックの淹れ方にはちょっとした拘りがあり、御自身が淹れる際には私に決して触らせません。少しでも手を加えようと致しますと、感情を消し去った表情で、静かに私の名を窘めるのです。『渡』と。

「何時ものことだけど、ソーサーは外さないように。五分経ってから。約束だから」

「はい。……ところで母さん、お高かったのでは?」

「いや、そうでもない。三桁超えてないし」

爛々と星屑の如く輝く双眸は、『掘り出し物を見付けた』と雄弁に語っておいででした。それから他愛のない話を幾つか致しました。

美味しくなかったら父さんに押し付けよう。ですとか、美味しかったら父さんに飲ませようですとか。何方にせよ父さんの未来は一連託生の様で御座います。

「良いよ。外して」

タイマーの鳴る音と共に、母さんは私のカップを指差しました。仰れるがままに開きますと、思わず目を見開きました。紅茶と形容するよりも、ハーブと称するに近い爽やかな香り。カップを持ち上げずとも、強く強く当たりに漂うのです。母さんもそれはお分かりの様で、瞳の輝きが一層増されるのです。そうして誘われるがままに一口戴くと、思わず言葉を失いました。

鼻腔を擽ったものと同じ、明確なお味。お湯の存在さえ消してしまう程の強烈な葉の味わい。思わず唖然としておりますと、母さんは僅かに口角を上げられます。

「うん。いいね。凄く良い。選定間違えたり、淹れ方間違えたりすると『これ白湯だろ』って思うから」

「今まで戴いた中で、軍を抜く程美味しく思います」

遠くで扉を開く音が聞こえました。どうやら父さんが帰って来られた様です。


「渡って、最近は珈琲ばっか飲むけど、なんか理由があるん?」

「珈琲のお味を教えて戴いたのが純喫茶なので」

最後の言葉は

『珈琲が美味しいと教えてくれたのは純喫茶。だから純喫茶で探し続ける。

紅茶が美味しいと教えてくれたのは紅茶パック。だから市販から探す』

という意味です。


作者が身近に珈琲を嗜まない理由って非常に簡単で、『なんか面倒臭そう』です。

フィルター買ったり、器具買ったり、兎に角初期投資掛かりそう。というイメージから。

だから手間賃分含めればきっと珈琲のがお得という事で、純喫茶では延々と珈琲ばっか飲んでるんですが。

あと生粋のブラックなるものが缶コーヒーでもなさそうというイメージから。


上記は全て作者の偏見です。ど偏見です。


だから本来、一般的に身近なのは紅茶の方です。

自販機でも、自宅でも。


紅茶パックで美味しいと思ったのは、○ィルマのアールグレイ。

匂いも味も非常に芳醇。ハーブティーを思わせる様な爽やかさが特徴です。

仮名として登場する『ブラン』のブレンド紅茶とお味が非常に良く似ている。

それくらい美味しい。


ちなみに、淹れ方間違えると『……白湯か。これは……』と思える程、味が薄くなります。

遠くの方でハーブの味が……見える? みたいな。


紅茶パックだと思って侮るなかれ。と思って飲んでます。


一 カップをお湯で温めておく。※温度を下げない為。

(↑よくサボります。でもやらないと茶葉が開かない)

一 お湯の分量は守る。※味が薄くなります。

一 紅茶パックは指で広げておく。※茶葉を舞わせる為。

一 広げたままお湯に浸す。

一 何でも良いので蓋をする。※香りが段違いです。

一 時間は『必ず守る』。※味が薄くなります。渋くなります。

一 紅茶パックは潰さない。※渋味が溶けだすので。


以上、渡りママ事、私が行ってる紅茶パックの淹れ方です。

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