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出れないよ!

作者: 小畠愛子

 歩いてたら、溝に落っこちちゃったんだ。


 ちょっと高くて、登れなさそう。


 がんばってツメを立てるけど、やっぱりだめだ。


 どうしよう、水辺に行こうとしてたのに。


 とにかく、歩いていくしかない。


 冒険なら大好きさ。


 のっそのっそ。


 ぼくたち、みんなにおそいって思われてる。


 ホントは速いんだよ。


 みんなが見てないとこだと、速いんだ。


 のっそのっそ。


 それにしても、どこまで続いてるんだろう?


 ずっと歩きっぱなし。


 疲れたなぁ。


 のどかわいたなぁ。


 お腹すいた…。


 さびしいよぅ。


 …わっ、なんだ?


 おっきな生き物が、ぼくのこうらをがしって!


 わわわ、こわいよ、お空、ういてる!


 食べられちゃうの?


 …ぼくを置いて、行っちゃった。


 なんだったんだろう?


 あ、溝から上げてくれたのかな?


 ありがとう!


 これで、水辺まで行けるぞ!


 冒険の続き、始まりだ!

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― 新着の感想 ―
優しい人?だったのでしょうか(*^^*)
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