7.思わぬ出来事。
「……」
俺はゆっくり手を開く。
確かに掴んだ。
電話で梨愛が言っていた、
3つの──
ぼんやり浮かぶ、手の上の白い細長い3つの石。
抱きしめながら、名前を呼ぶ。
「梨愛──」
──うん? なぁに?
梨愛の声が聞こえる。
気のせいだと思っても、
例えそれが幽霊だとしても、
俺には有難い。懐かしい……声。
「……。俺さ、ずっと探してた。
全部見つかんなくってもいいって。
髪の毛1本でも見つけたいって、
見つけたらきっと、梨愛に会えるって
梨愛に会いたいって、
ずっと……そう、思ってた……。
だけどおかしいよな?
見つけちゃったら、お前は死んだんだっていう
証なのに──ひぐ……っ……」
言いながら俺は、手の中の白い石……
梨愛の骨に寄り添った。
好きだって、言えなかった。
ずっと想い続けていたのに、
そのチャンスに恵まれなかった。
じいちゃんの家に来たのだって、
未練があったからなんだ。
まだ見つかるかも……なんて心の奥底で
そう思った。
死者が集まる川の別名『賽の河』。
そこに行けばまた会えるって。
地獄の釜の蓋が開くお盆に、
きっとまた会えるんだって──。
ザア──…………
ポツ、ポツポツ、ポツ…………
雨音が少しづつ小さくなる。
目の前の雨のカーテンも
薄くなる。
「え……?」
ふと、違和感が襲う。
手のひらの中の石が1つに
繋がった。
「!?」
「────っ!?」
┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈
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