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【なろうラジオ大賞4】

屋根裏部屋は、星座を眺める僕の秘密基地

作者: 桜橋あかね

毎年僕を含めた家族は、とある田舎の別荘へ向かう。

古びたお家を、大工をしていたお父さんが改装したんだ。


そこの別荘には、僕の秘密基地がある。

小さな屋根裏部屋を、お父さんに作って貰ったんだ。


そりゃあ、もう……僕のお気に入りさ。

だって、そこから見える星空がとっても綺麗だから。


星座表と望遠鏡を持ってきて、毎日眺めていた。

……まあたまに、お母さんに「早く寝なさい」と怒られたりしたけどね。


▪▪▪


あれから、僕は大人になった。

行っていた別荘は、そのままにしてある。

……が、ここ最近は行けていない。


今日も、仕事が忙しかった。

仕事を何とか終わらせて、会社を出る。


ふと、空を見上げる。

ビルの合間から、星空が見える。


綺麗な星空だ。


頬に涙が伝うのに気がついた。

『あの時』の思い出が、蘇る。


「……夜空って、こんなに綺麗だったっけ」


▪▪▪


それから、数日後の休日。

僕はあの別荘に来た。


どうしても、ここへもう一度来たかったのだ。


父が数ヶ月に一回、掃除に来ていると聞いている。

その為か、中は綺麗になっている。


あの屋根裏部屋に入る。

小さかった頃に比べれば、だいぶ狭くなった。


これが『大人』になった、証拠なのかな。


▫▫▫


その日の夜、また部屋へ入る。

窓から見えるのは、『あの時』と一緒の綺麗な星空だ。


昼間、部屋の片隅に星座表を見つけたから、それを改めて見直す。

忘れかけていたな、この感覚。


……たまに、星空だけでも見るのも良いのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こないだの話で日本酒ともうしましたが これは…… 少し苦めのコーヒー片手に読みたいです 体が大きくなったことを自覚するんですよね…… 子供の時の秘密基地なんかに行くと なんとも言えない…
[良い点] とても素敵ですね♪ 秘密基地をこころに持つ気持ち。 いつまでも持ち続けたいものです。 [一言] なろうってそうした秘密基地のようなものかもしれませんね(*^^*)←以前交流していた方とそ…
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