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神秘の森には何があるの?

長くなってしまいました、しかも終わるところが見つからず結局中途半端なところで終わってしまいました。

「すごい……。世界樹の周りって、こんなふうになってたんだ……」


世界樹の外に出た私は、初めて目にする景色に目を見張った。数日前、動物たちと出会ったときには気づかなかった庭園が、そこには広がっていた。


「はい。ここは、世界樹を中心に直径およそ五百メートルの庭園になっています」


隣を歩くジルが、静かに説明してくれる。


「実はこの庭園、ある一匹の猿がきっかけでできたんですよ。その昔、この世界樹を狙った強大な魔物が現れたのですが、その猿がたった一匹で魔物を倒したのです」


「えっ、猿が? すごい……」


「ええ。その功績に感謝したアーギス様が、何でも一つ願いを叶えてあげると言ったのです。そのとき猿は『違う世界が見たい』と願いましてね。アーギス様が見せたのが、サラ様の出身地である“地球”という星。そして、その中の“日本”という国でした」


「日本……なるほど、それで?」


「その猿が特に惹かれたのが“日本庭園”だったのです。以来、動物たちに『こんな庭園をここにも作りたい』と語り続けた結果、この庭が完成しました」


「すごい……行動力の塊みたいな猿だったんだね」


私は整えられた石の道を歩きながら、庭園の隅々まで目を向けた。木々の配置、池に浮かぶ蓮の葉、苔むした岩。それはまさに、見覚えのある静寂と美の世界だった。


――


その後もジルに案内してもらいながら、私は世界樹から少し離れた場所まで歩いた。そこに広がっていたのは、目が覚めるように鮮やかな森だった。


「綺麗……。こんなに生き生きした森、見たことない」


「ここは“神秘の森”と呼ばれています。妖精霊たちの加護で、生命力と魔力に満ち溢れているのです」


ふと視線を向けると、少し先で兎と狼が仲良くじゃれ合っていた。


「ジル、あの狼……兎を襲わないの?」


「ええ、襲いません。ここの住民たちは“ピースウッド”の実を食べているのです」


「ピースウッド……?」


ジルは頷いて、続ける。


「ピースウッドは、この森の豊かな魔力と生命力がある場所にしか育たない特別な木です。その実を食べると、どんな生き物でも空腹を満たせるだけでなく、心が穏やかになり、知恵までも授かると言われています。肉食・草食に関わらず、皆この実で生きているため、争う必要がないのです」


「まるで理想郷……。その実、私も食べてみたいな」


「今夜、夕食にご用意しましょう。サラ様のお口に合うものをお選びします」


「ありがとう、ジル。楽しみ」


歩いていると、やがて目の前に透明な壁のようなものが現れた。


「……これは?」


「結界です。善なるものを受け入れ、悪しきものを拒む、いわば境界線のようなものです。この結界はサラ様がこの世界に来られた瞬間に生まれました。アーギス様曰く、サラ様の生命力が動力源となっているそうです」


「アーギス様が“何もしなくていい”って言ってたのは、こういう意味だったんだね……。幻想的で綺麗……触ってもいいの?」


「ええ、大丈夫ですよ」


そっと指先を触れると、冷たく流れる水に手を入れたような感触がした。


「……見た目通りの感触ね」


「はい。それでは次は、こちらへ」


ジルに導かれ、私はまた歩き出す。着いた先には小さな滝と、立ちのぼる湯気――


「えっ……温泉?」


「はい。この温泉も、あの猿が日本庭園と並んで強く希望したものです。ここは動物たちと妖精霊が協力して造りました」


湯気の中、いくつもの露天風呂が並び、それぞれ違った趣がある。まるで温泉街のような空間だった。


「すごい……種類もいっぱいある……。今、入ってもいい?」


「もちろんです。ご希望であれば、夜にもまたご案内できます」


「じゃあ、今も少し入りたいな。夜も楽しみに取っておけるし」


「承知しました。こちらが女湯になります」


ジルに案内され、私は“女”と書かれた暖簾をくぐった。


――


「この世界で温泉に入れるなんて……」


服を脱ぎ、籠にしまうと、かけ湯をして一番近くにある湯へ向かう。


「神秘の湯……ふふ、名前がいいね。……温度は41度、最高……!」


足先を沈めると、ふわりと全身がほぐれていくような心地よさが広がった。


「くぅ〜……しあわせ……」


――10分後――


「……はっ。やばい、一つの湯で満足して終わるとこだった。いろいろ入りたいし、次は……柚子湯にしよ」


柚子がぷかぷか浮いた湯船には、カピバラの家族が浸かっていた。


「こんにちは、カピバラさんたち。お邪魔しますね」


カピバラたちと一緒に湯に浸かり、ふわふわの毛を撫でながら語っていたら、あっという間に時間が過ぎていた。


「もうこんな時間……。あと一つ入れるかな……。いや、また神秘の湯に戻ろう。夜にも来たいし、今は軽く」


そうしてもう一度、最初の湯に身を沈めた。


――


「ごめん、長風呂になっちゃった」


「大丈夫ですよ。それだけ気に入っていただけたのなら、案内した甲斐がありました」


「ありがとう、ジル。じゃあ、そろそろ戻ろうか。夜ご飯も楽しみだし」


「極上のディナーをご用意しております。ご期待ください」


その後、涼しい風にあたりながら、私は世界樹の家へと戻っていった

ちょっと温泉の話長すぎましたかね。

熱がこもってしまいました。

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