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 翌朝――。


「昨日は楽しかったです。ありがとうございました、レインさん」


 ギルドに行くと、窓口でニーナがにっこりと礼を言った。


「いや、こちらこそ。付き合ってくれてありがとう」


 俺も礼を返す。


「つ、付き合う……私とレインさんが……はわわわっ」

「ん?」

「あっ……付き合うって、そういう意味じゃないですよね! ごめんなさい、私、一人で浮かれて……」

「????」


 あたふたするニーナを怪訝に思う俺。


「よう、レイン。あいかわらず活躍してるそうだな」


 やって来たのは、がっしりした体格の中年男だった。


 一見して戦士のように筋骨隆々としているが、れっきとした魔術師である。

 このギルドの序列二位――つまり、俺が来るまでギルドのエースを務めていたバーナードさんだった。


 冒険者としての先輩であり経験豊富なバーナードさんには、俺も多くを教わっている。


「聞いたぞ。ウラリス王国に行って最難度の遺跡を攻略してきたんだってな。おまけにとんでもない強さの竜種を二体も倒したとか」

「えっ、ご存じだったんですか」

「当たり前だろ。お前にはみんな注目してるんだ、がはは」


 豪快に笑うバーナードさん。

 なんだか嬉しそうだ。


「いや、お前の活躍ぶりが無性に嬉しくてな」

「バーナードさん、何かあるとレインのことを話すのよね。我がことみたいに」


 さらにギルドの序列三位、ブリジットもやって来た。


「ま、レインの活躍が嬉しいっていうのは、ちょっと分かるかな。同じギルドの冒険者がこんなにもすごい活躍をしてると、なんだか誇らしいよ」

「ありがとう、二人とも」


 俺は照れながら礼を言った。




 俺はニーナから新たなクエストを受注した。


 例によって、なるべく強化ポイントを稼げそうな強いモンスターの討伐クエストだ。

 とにかく七竜騎戦で目減りした強化ポイントをまた補充しなきゃいけないからな。

 しばらくは討伐しまくるしかない。

 と、


「剣が反応している……ここか……!」


 どこかから声が聞こえた。


「ん?」


 同時に、腰に下げた『燐光竜帝剣(レファイド)』が淡く発光する。


「これは……!?」


 覚えがある。

 そう、以前にもこんなふうに剣が輝いたことがあった。


 まるで、何かに共鳴するように。


 だとすれば――同じ伝説級の剣の持ち主であるリリィやマルチナがここを訪れたんだろうか。


「いや……違うな」


 かつ、かつ、かつ……っ。


 前方から誰かが歩いてくる。

 やせぎすの、中年剣士。


 まさか、彼が――?

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