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6 聖騎士と勇者候補1

 リリィが『紅鳳の剣(ミラーファ)』を、マルチナが『蒼天牙(ファイザ)』を、それぞれ構えていた。


 敵は、光竜王の側近の一体――『七竜騎』のレドグフ。

 竜の頭と人の体を持つ、身長四メートルほどの竜人である。


「マーガレットは下がっていて。相手は手ごわそうよ」

「そんな! 俺だってやれるぜ」


 マーガレットが抗議した。


「俺だって――リリィ先輩の役に立ちたい」

「あなたの強さは知ってる」


 リリィが首を振った。


「だけど、相手は光竜王の側近クラス。だから――」


 視線をマーガレットに向ける。


「サポートに徹して。前衛はあたしとマルチナさんがやる」

「サポート、か」


 マーガレットがうなずいた。


 彼女はパーティで唯一の魔法剣士だ。

 この局面では剣より魔法で戦ってもらうことになりそうだった。


「そういうことなら、任せてくれ!」

「ん」


 うなずき、ふたたび視線をレドグフに戻す。


「というわけで、一緒に前衛をがんばりましょうね。マルチナさん」

「了解よ」


 マルチナが微笑んだ。


「私が蚊帳の外」


 ぽつりとつぶやくミラベル。


「えっ、じゃあ、何か役割を振りましょうか?」

「んー、相手が強そうだし」

「ん?」

「やっぱりパス」


 ミラベルが無表情に言った。


「危なくないところで見学してる」

「さっき不満そうだったのでは……?」

「仲間外れみたいで拗ねてみた」

「そ、そうですか……」


 ジト目になるリリィ。

 未だにミラベルのキャラがよくつかめない。


「んー、危ないことはしたくない人間だもの。すみっこで応援してる」

「ま、まあ、いいですけど……」


 リリィは完全にジト目だった。


 とはいえ、ミラベルは暗殺者だと聞く。

 正面からの戦いでは、その技能が活かしにくいのは確かだ。


「とにかく、あたしとマルチナさん、マーガレットの三人で行きましょう」




 そして――戦いが始まった。


「人間どもが!」


 レドグフはずしんずしんと足音を響かせながら近づいてくる。

 こちらを警戒した様子はない。


「……というか、あたしたちを舐めてる感じね」


 マルチナが言った。


「人間に自分が負けるはずがない、って感じ?」

「じゃあ、教えてあげましょうか――」


 リリィが前に出た。


「竜よりも強い人間がいるということを!」

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