表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/225

6 大陸最強ギルド

 大陸最強の五つのギルド──それを総称して『ビッグ5』という。

 もともとは冒険者たちが言い出した二つ名だけど、今はギルド連盟によって与えられる称号みたいな扱いになっていた。


「これは当ギルドにようこそ、レイン殿。あなたのお噂はリリィから聞き及んでおりますぞ」


『星帝の盾』を訪ねると、ギルドマスター自らが出迎えてくれた。

 七十歳くらいの老人である。


「ご丁寧にありがとうございます。レイン・ガーランドと申します」


 俺は老マスターに一礼した。


「そちらはマルチナ殿……ですな? ウラリス王国で次期勇者の最有力だという……」

「恐れ入ります」


 マルチナが会釈する。


「へえ、けっこう有名なんだな、マルチナって」

「勇者関係は知る人ぞ知る、というところね。そこまで一般的な話題じゃないし」


 と、マルチナ。


「して、当ギルドにどのようなご用件でしょうか?」

「実はリリィに用件があって──」


 俺たちは光竜王のことをかいつまんで話した。

『星帝の盾』のギルドマスターになら話しても大丈夫だろう、というマルチナの判断だ。


「承知いたしました。あいにくリリィはモンスターの討伐クエストに出ておりますが、まもなく帰る予定です」


 と、マスター。


「戻り次第、ご連絡いたします。ギルド内の施設か、あるいは近隣にでもご滞在いただけますか?」




 マスターとの面会を終えた俺たちは『星帝の盾』の建物内を歩いていた。


『青の水晶』と違って、このギルドの建物はとにかく大きくて広い。

 ちょっとした城くらいはあるだろう。


 さすがは何十年も大陸最強ギルドの一角に位置するだけはある。


「リリィさんはこのギルドのエースなのよね? やっぱり忙しいのかな」

「だろうな。アポイントを取るべきだったか……」


 俺は小さくため息をついた。


「急な要件だったし、待つしかないね。ギルドマスターさんも戻ってきたら連絡する、って言ってくれてるし」


 マルチナが言った。

 と、


「リリィ・フラムベルがギルドのエースだと?」


 身長二メートルを優に超える巨漢が俺たちに近づいてきた。


「冗談じゃねぇ! ギルドのエースはこの俺、『怒涛の大斧』のマイゼル様だ! あんなガキをエース扱いは不愉快なんだよ!」


 いきなり言いがかりをつけられた。


「ふーん、随分と怒ってるのね。その理由……あたし、分かっちゃった」


 と、ドヤ顔のマルチナ。


「分かっちゃったも何も、こいつが全部理由を話してたけど」

「この洞察力──さすがあたしね。これぞ勇者候補って感じよね、レインくん?」

「あ、うん、まあ」


 ドヤ顔したかっただけなんだな、マルチナ。


「レイン? さっきギルドマスターが他所の冒険者に挨拶してるって話を聞いたが……そうか、てめぇが噂のレイン・ガーランド……!」

「えっ、噂になってるのか?」

「……リリィの奴がえらく買ってるんだとよ」


 マイゼルは面白くなさそうに説明した。


「見たところ、とても強そうには見えねぇな。リリィの奴に見る目がないのか、あるいは──てめぇに惚れて、そんなことを吹聴しているのか」


 ニヤリと笑う。


「どれ、俺様が試してやろうじゃねーか。リリィが認める冒険者の力を。S級冒険者である、このマイゼル・ゾールライバー様が!」


 うーん、面倒くさそうな奴に絡まれたなぁ。


 とりあえず怪我しないように、適当な強化アイテムでこいつを無力化しとこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新18巻、11/7発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ