表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/225

5 バリオス、捕らえられる2《追放者SIDE》

今回も追放者サイド。次回はまた主人公サイドに戻ります。

(なぜだ……なぜ、暗殺のことがバレた!? くそっ、あの暗殺者が裏切ったのか!? くっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!)


 王都に護送される道中、バリオスは怒り続けていた。


 暗殺の情報が漏れるとしたら、それは依頼を受けた暗殺者からだろう。

 奴がしくじったのだ。


 そして、恐らくはレインに暗殺のことを話した。

 自分が依頼主だということも含めて──。


(何がプロの暗殺者だ! 何が秘密厳守だ! 何がプロの誇りだ!)


 ──王都に到着すると、バリオスは王の前に連れて行かれた。


 一冒険者ギルドのマスターとはいえ、『王獣の牙』は大陸最強の五つのギルドの一つ。

 バリオスへの事情聴取には国王自らが立ち会うようだった。


「な、何かの間違いです、王よ! 私は断じて暗殺など企てておりません!」


 王の前に出るなり、バリオスはまくしたてた。


「つまり、お前は今回の暗殺未遂にはなんのかかわりもないと申すのだな」

「その通りです、王よ」

「だが、暗殺者自身からの申し立てがあるのだ。それはどう説明する?」

「で、でっちあげです!」

「その者が嘘を申しておると?」

「左様です!」


 バリオスは必死だった。


 とにかく堂々とした態度を通すことだ。

 怪しまれないようにするのだ。


 暗殺の依頼は酒場の中だったし、書面を交わしたのではなく口頭である。


 はっきりとした証拠は残っていないはず。


 ならば、後は王の心証がバリオスの裁きに大きく影響するだろう。


『こいつは嘘をついていない。無罪に違いない』という心証を、王に抱かせるのだ──。


「複数の者が調べたが、暗殺者本人の自白は信用に足るものだったようだ」


 だが、王の態度は軟化しない。


「さらに──確たる証拠はないが、状況証拠もそろっておる。お前が暗殺者との取引に使った酒場での目撃証言などもな」

「ぐっ……」


 バリオスは唇をかんだ。


 そこまで……押さえられていたのか。


「よって、お前を投獄する。あくまでも己の潔白を訴えるなら、まずは取り調べを受けよ」

「ぐぐぐぐ……」


 投獄──。

 その二文字にバリオスの目の前は真っ暗になった。


 これは何かの間違いだ。

 俺は、大陸最強ギルドの長なのだ。


 それが牢に入れられるなどという屈辱──。


「あり得ない……くそっ、全部……全部、レインのせいだ……全部……全部……全部ぅっ……!」


 バリオスは悔しさと怒りで、いつまでも震えていた。

次回は主人公サイドに戻ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新18巻、11/7発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ