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45 真なる竜

「【超】!」

「【融】!」

「【合】!」


 三体がそれぞれ叫び、巨大な三つのシルエットが一つに重なり合う――。


 同時にまばゆい輝きが弾けた。


 そして、その光が晴れたとき、そこには七色に輝く巨大な竜が立っていた。


「なんだ、こいつは――」


 俺は息をのんで合体光竜王を見つめる。


「三体の『(ファ)』が一つになり、さらなる力を得た……今や我は、今までの我ではない……!」


 厳かに告げる合体光竜王。


 さっきまでに比べ、体は大きく縮んでいた。


 それどころか、さらに縮んでいき、やがて人間の姿へと変化する。


「人化の術……!?」


 黄金の髪に瞳、そして衣――。


 すべてが金色に輝く美しい青年の姿。


 けれど、それが人間のようで人間に見えないのは、彼が全身から放つ異常な威圧感のせいだろう。


 単に人間の姿をしただけの、人ならざる者――。


 一目見ただけで、彼が人間とは異質な存在であることを感じ取れる。


「確か、七竜騎の中に竜型に変身する奴がいたけど――」

「そう、我は竜形を解き、人の姿を取っただけだ。このサイズの方が動きやすそうだからな」


 と、青年光竜王が語る。


「合体だと? 勝手なことをするな」


 ゴルドレッドが不快感をあらわにした。


「君たちはあくまでも俺のしもべであり、駒であり――道具にすぎん」

「ほう?」


 光竜王がゴルドレッドを見据える。


「この我を道具と? 無礼な」

「無礼は君の方だ。主に逆らう道具などいらん――消えろ」


 ゴルドレッドが右手を突き出す。


 確かこいつは、自分で作り出した魔王を自分の意思で消し去ったことがあった。


 正確には『変化前』の彫刻に戻したみたいだけど――。


 ヴンッ!


 青年光竜王の体が淡い光に包まれ――、


「……何?」


 ゴルドレッドが眉をひそめる。


 淡い光は一瞬で弾け散ってしまったのだ。


「我は今や、新たな生命体へと進化した。もはやお前が作り出した人形ではない」


 光竜王が鼻を鳴らす。


「ゆえに、お前の意思で元の彫像にもどすことなどできん」

「馬鹿な……生命体として新生しただと? あり得るのか、そんなことが」


 ゴルドレッドが目を見開く。


「……いや、実に興味深い事例だ。じっくり研究させてもらいたいところだな」

「あいにく、お前の知識欲に付き合うつもりはない」


 今度は光竜王が右手を突き出した。


「王に対する無礼は、死をもって償ってもらう。お前こそ――消えろ」


 どんっ!


 光竜王が放った黄金の光線が、射線上にいたすべての戦騎兵を一瞬で消滅させた。


 そして、そのまま光線がゴルドレッドに向かっていく。


「なんだと……!?」


 ゴルドレッドが驚きの表情を浮かべる。


「レプリカとはいえ『天星兵団』の大軍を一瞬で――」


 ばしゅっ……。


 黄金の輝きがゴルドレッドを飲みこんだ。


 一瞬にして、跡形もなく消滅する。


「ゴルドレッドが、こんなに呆気なく……!?」

「我こそが世界を統べる者。控えよ」


 光竜王が言い放った。


「その尊厳を傷つける者は、同じ運命をたどることになる」


 と、その視線が俺に向けられる。


「レイン・ガーランド。お前はかつて我を滅した存在。我の尊厳をもっとも傷つけし者。その報いを受けさせてやろう。そして、あのときの戦いに集った、お前たちも」


 さらにリリィ、マルチナ、マーガレットの順に視線を巡らせる光竜王。


「くっ……」


 俺は燐光竜帝剣を構え、緊張感を高めた。


 今、ふたたび――。


 光竜王との激戦が始まろうとしていた。

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