表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/223

1 メンバーの大量離脱が始まる《追放者SIDE》

追放者サイドです。次回は主人公サイドに戻ります。

『星帝の盾』のギルドマスターと会ってから一週間が過ぎていた。


 その一週間で『王獣の牙』を取り巻く環境は激変していた。

「き、今日だけで四十人の脱退者がいるなんて! どうなってるのよ!」


 副ギルドマスターの一人、中年女剣士のグレンダが叫ぶ。

 普段は強気すぎるほど強気な女が、これほど取り乱しているのを見るのは初めてだった。


「くそっ、昨日も四十人近く脱退したんだよな!? 急にみんながここを離れるって、おかしいだろ、おい!」


 怒声を上げたのは、野生的な風貌の戦士コーネリアス。

 彼も冷静さを完全になくしているようだ。


「おのれおのれおのれおのれ……何がどうなっているのだ……うぐぐぐぐぐ、神よ……おのれぇっ……!」


 顔を真っ赤にして怒りを抑えているのは、老僧侶のゲイルだった。

 先ほどから僧侶にはあるまじきことに、神への悪態をついていた。


 そして──ギルドマスターのバリオスは無言だ。


 といっても、落ち着いているわけではない。

 むしろ逆だ。


 あまりにも急激なギルド崩壊に頭がパニックになっていた。

 言葉が出てこないほどに──。


 あああああああああああああああああああああどうすればいいどうすればいいどうすればいいどうすればいいああああああああああああああああああああ


 頭の中が混乱と焦りと不安で埋め尽くされている。


 と、


「マスター、ギルド連盟の方がお越しです」

「ギルド連盟だと?」


 秘書が呼びに来て、バリオスは眉をひそめた。


 嫌な予感がした。

 この状況で連盟が『王獣の牙』にやって来るということは──。


「状況確認、か」

「ちょっと。確認だけで済むの?」


 グレンダがたずねる。


「俺たちの状況を知られて、『ビッグ5』の認定を取り消されるなんてことは──」

「残念だが、現在の我らは戦力半減以下。とても最強ギルドの一角は担えんからの……」


 コーネリアスとゲイルも弱気だ。


「くそっ、どうすればいいんだ……!」


 バリオスは奥歯を噛み締めた。

 呆然としたまま、頭が回らない。


「い、いや、まだだ。奴らの用事が何かは分からない。案外、俺たちの苦境を手助けしてくれるかもしれない……」


 言って、バリオスは連盟職員の元に向かう。




「貴ギルドの状況は複数の関係機関からつかんでいます。我らの上層部からは、貴ギルドの『ビッグ5』認定を取り消すべきでは、という意見まで出ておりまして──」




 連盟の人間から告げられたのは、淡い期待を打ち砕く一言だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新18巻、11/7発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
[一言] 例えここ出てもそもそも実力が無いんだから、他のギルドに入るなら新人からやり直すとかしなければ何処へ行ったとしても一緒だと思うけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ