表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/219

10 チート付与魔術、新領域

2章ラストです!

「侵入者どもめ。勇者エルヴァインの剣は我のものだ。誰にも渡さん……!」


 上級ドラゴンが吠えた。


「どうしても欲しくば、力で奪ってみせよ」

「力ずくがお望みなら、そうさせてもらう」


 俺は剣を手に歩み寄る。


 今持っている剣は、強化ポイントのほとんどをつぎ込んだ対上級ドラゴン用の剣──『+8700』を付与した鋼の剣だ。

 これだけでも上級ドラゴンを倒せる可能性は十分にある。


 以前に中級ドラゴンと戦ったときは、『+10000』の銅の剣で瞬殺だったからな。

 ただ、相手はそれより格上の上級ドラゴンである。


「念のため──確実な手段を取らせてもらう。今俺ができる最強の攻撃手段で」

「ほう? やってみるがいい」

「リリィ、君のスキルを借りるぞ」


 俺は彼女に微笑んだ。


「えっ」


 驚いたようなリリィにうなずき、


「付与魔術、第二術式起動──」


 呪言を唱える。

 そして、念じる。




『リリィ・フラムベルの剣術スキル『斬竜閃』を学習(ラーニング)

『強化ポイント「+3000」を消費し、スキルを強化したうえで、術者レイン・ガーランドに付与する』




「3000か……けっこう消費するんだな」


 さっきベフィモスを倒して得た強化ポイントがほとんどなくなってしまった。


「だけど、おかげで一時的に扱える。S級冒険者と同じ剣術スキルを──」


 剣を、構える。


 そう、付与魔術第二の術式は、俺が一度でも見たことがあるスキルをコピーし、一時的に俺自身に付与できる。

 その際、スキルに応じて強化ポイントを消費することになるが……。


 代わりに、俺が素の状態では絶対に会得できないような超強力スキルだって使用可能になるわけだ。

 しかも、そのスキルは本来よりも数段強化されたスキルに変化する。


 いくぞ、これが『+8700』で強化された鋼の剣とS級冒険者の剣術スキルをさらに強化したスキルによる超絶の斬撃──。


「『虹帝斬竜閃こうていざんりゅうせん』!」


 放った斬撃は、虹色の衝撃波となって上級ドラゴンを切り裂いた。

 なおも衝撃波は竜のような形になってまとわりつき、上級ドラゴンの巨体を消滅させていく。


 すべてを切り裂き、すべてを消し去る──最強の斬撃スキルだ。


 代償に、今使った剣は跡形もなく消滅していた。


「ば、馬鹿な……お前の力は人間に許された領域を……こ、超えている……神や魔王の領域に……ぐうっ……」


 うめいて、上級ドラゴンは倒れ、消え去った。

 周囲にはまだエネルギー流が渦巻いている。


「神や魔王の領域……?」


 さすがにそれは大げさすぎないか?

 以前のギルドでずっと付与魔術を使い続けてきたせいで、俺の力はかなりレベルアップしているみたいだけど──。



 そして。


「これが──『燐光竜帝剣(レファイド)』か」


 上級ドラゴンを倒した俺たちは、その後は特に苦労することなく最深部に到着。

 宝物庫に安置されていた剣を手に取った。


 伝説級の剣、『燐光竜帝剣(レファイド)』──。


 これなら強化ポイントをもっとつぎ込んでも実戦に耐えられるかもしれない。


 それはつまり、俺が武器の耐久力を気にせず、力のすべてを発揮できるということだ。

 上級ドラゴンどころか、それ以上の敵さえも打ち倒し、あらゆる討伐クエストを達成する──そんなことさえ、できるかもしれない。


 その力で何を為していくかは──これからゆっくり考えよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新16巻、8/7発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
[一言] スキルのメリット、デメリットの設定がしっかりしてて面白い。 今回、コピーした技を3000ptも消費したのに自分のモノになるのではなく一時的に使えるというのが良い。 中級ドラゴンを倒して獲得P…
[気になる点] リリィが簡単にやられすぎじゃないだろうか。 戦ってきて疲れているかもしれないが、上級ドラゴンを単独で撃破できる人が自分から挑んでるのだから、もう少し戦う設定でも良いのではないだろうか。…
[一言] 剣の名前で赤い通り魔を思い出しました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ