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16 閃鳳王

 リリィが持つ伝説級の剣――『紅鳳の剣』にそんな逸話があったのか。


「もちろん、これは本物の閃鳳王ではない。だが限りなく本物に近い強さに変化させた代物だ」


 ゴルドレッドがニヤリと笑う。


「その強さは光竜王(こうりゅうおう)ディグ・ファ・ローゼと同格。君に勝てるか、レイン」


 あの光竜王と――?


 戦慄した次の瞬間、


 きゅいいいいいいんっ。


 閃鳳王が甲高い鳴き声を上げた。


「っ……!?」


 その音波が衝撃波となって吹き荒れる。


「う、うわっ……!」


 俺は【強化付与】した防御アイテムを何重にも身に付けているけど、それでもかなりの衝撃を感じた。


 もちろん、生身なら跡形もなく吹き飛ばされてるだろう。


「……というか、その位置だとゴルドレッドも攻撃を食らってるんじゃないか」


 自滅してたりして……と思って、視線を向けると、


 ヴ……ンッ。


 ゴルドレッドの周囲を緑色に輝く膜のようなものが覆っていた。


「俺の周りの大気を『防御シールド』に『変え』た。この程度の攻撃は問題なく遮断できる」


 反則みたいなスキルだ。


 このぶんだとゴルドレッドは【変化】を使った攻撃も仕掛けられるだろう。


 閃鳳王だけじゃなくゴルドレッドにも気を配らなければならない。


 厄介だな、と思いつつ、俺は少しずつ距離を詰めていく。


 きゅいいいっ。


 と、閃鳳王が鳴き声を上げながら飛び上がった。


 ふたたび衝撃波が吹き荒れるが、俺は強化付与済みの自動防御アイテムをいくつも身に着けているから、特段の問題はない。

 とはいえ――。


「空に逃げられるときついな」


 こんなことなら空を飛べる系統の魔道具を強化付与して持っておくべきだったか。


 いや、たとえアイテム類を使ったところで、空中戦なら奴に分があるだろう。


 それに加えて閃鳳王は常にゴルドレッドの【変化】のサポートを受けられるんだ。


「付与魔術第三術式で一気に攻め落とすか……」


 けれど、ゴルドレッドのフォローによっては一回では倒せないかもしれない。


 第三術式は強力とはいえ、大量のポイントを消費するから何度も使える術じゃない。


 現状だと一回しか撃てない。


「どうする――」


『アレ』が使えれば、あるいは。


 脳裏に浮かんだのは、未だ使うことのできない新たな術式だった。


 光竜王を倒したときに会得した、俺の最新にしておそらくは最強の術式。


 付与魔術、第四術式――。


「……だけど、あれは」

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