7 内と外からの攻撃1
少し間が空いてしまいましたが、またボチボチ再開します(´・ω・`)
SIDE バーナード
「必ずそこから出してやるからな、レイン……!」
バーナードが攻撃呪文を連発する。
さすがに簡単には空間を破ることなどできない。
それでも、今自分にできることをやり通すつもりだった。
レインは、強い。
きっとこれからの『青の水晶』は彼によって大きく躍進するだろう。
(俺だって……あのギルドに大きくなってほしいからな)
世話になっているギルドのマスターや職員たち。
気のいい仲間である所属冒険者たち。
全員が今までより良い待遇で、良い環境で働くために――。
その躍進の要になるであろうレインを助けたい。
いや、それだけではない。
個人的にレインという青年を気に入っていることもある。
前のギルドでは色々あって追放されたそうだが、その理由はレインに起因するものではなく、恐らく相手側の都合だろう。
つらい思いをして居場所を追われたレインに、今度こそ『青の水晶』がいい場所になってほしい――。
※
「よし、少しやり方を変えよう」
俺が提案した。
「俺とフローラがそれぞれ能力解除、その状態をジグが『停止』を使ってキープ……までは一緒だけど、攻撃には俺も加わる」
「それだと君の役割が二種類になる。できるのか?」
「なんとか……攻撃に関しては【付与】とは直接関係ないからな。やってみるよ」
ジグの質問に答える俺。
「とにかくこっちの攻撃力をもっと上げるんだ。そうすれば『強化防壁』に与えるダメージも増えるから、壊せる可能性も当然上がる」
「じゃあ、呼吸を合わせて」
「いってみましょう」
リサとフローラが言った。
すでに俺たち四人は完全にチームという意識ができていた。
つい先ほどまで敵同士だったのが嘘のように。
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