表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

153/220

1 異空間にて

 俺たちの周囲をエネルギーでできた壁が取り囲んでいた。

 上下左右、全方位――つまり、俺たちは巨大な玉の内部に入っているような状態だ。


「閉じこめられたらしいね」


 ジグが周囲を見回してつぶやく。


「たぶんフローラの『防壁』の能力と君の『付与』が同時に暴走したんだ。そして生まれたのが――『付与』によって際限なく強化された『防壁』だ」

「えっ、それって――」


 つまり、言葉通りの意味だろう。

 俺の『付与』で強化された『防壁』なんて、ちょっとやそっとの頑丈さじゃないことは分かる。


「出られないのか、ここから?」

「さあね」

「……なんか怒ってない?」

「敵と仲良くする趣味はない」


 ジグはツンとした態度を崩さない。


 ま、それもそうか。

 敵同士だもんな、俺たち……。


「でも、今は協力することも必要だと思うぞ」


 とりなしたのは『魔弾』のリサだった。


「閉じこめられたのは確実。しかも、めちゃくちゃ厄介な『防壁』だ」

「あたくしも同意見です。簡単には脱出できませんよ、これ」


 と、『防壁』のフローラ。


「決着をつけたい気持ちは多々ありますけれど……」


 言って、俺をじろりとにらむ。


「まあ、なかなか友好的にはなれないよな」


 俺は彼女に苦笑を返した。


「ただ、一番優先すべきことはみんなでここから出ることだろ? ここに閉じこめられたまま、っていうのは都合が悪い。お互いにな」


 言いながら、ジグをちらっと見た。


「……ふん」


 そっぽを向くジグ。


 うーん、素直になってくれないなぁ。

 しょうがないと言えば、しょうがないけれど。


「ここを脱出するってことで俺たちの利害は一致しているわけだ」

「言われなくても分かってるよ」

「分かってるなら協力してくれてもいいだろ?」

「……むむ」

「ジグは照れてるだけなんだぞ」


 リサが微笑んだ。


「普段ツンツンしてるけど、人と打ち解けるのが照れ臭いから……超絶照れ屋さんだから」

「だ、誰が照れ屋だ!」


 言いながら、ジグの顔が真っ赤になった。


「うう……」


 俺を見ると、さらに真っ赤になって視線を逸らしてしまう。


「あれ、本当に照れてるだけなのか?」


 なんで照れるのか、いまいち分からないけど――。


「て、照れてなんていないんだからなっ」


 ジグが、めちゃくちゃ分かりやすい反応をした。

書籍版、発売中です! 下の書影から公式ページに跳べます。

またコミカライズも連載中。こちらも下のバナーから漫画のページに跳べます。

どちらもよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新17巻、10/9発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ