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4 出立と告白3

 私、レインさんが好きです――。


 ニーナからの突然の告白に、俺は硬直していた。


 どくん、どくん、と心臓の鼓動が高鳴ってくる。


 まさか、ニーナが俺をそんなふうに思っていたなんて。

 俺、ニーナのことをどう思っているんだろう?


 ま、まずいぞ。

 頭の中が真っ白になって何も考えられない。


 女性から告白されるなんて人生で初めてだからな。

 緊張感が爆発しそうなほどの勢いで沸き上がる。


 はっきり言って、光竜王との戦いのときよりも緊張していた。


「あ、やだ、私……こんなこと、言うつもりじゃ……」


 ニーナがハッとした顔で口元を押さえた。


「ニーナ……」

「っ……!」


 俺がニーナを見ると、彼女は真っ赤な顔で視線を逸らした。


 どうやら、さっきの言葉は冗談で言ったわけじゃなさそうだ。

 じゃあ、ニーナは本当に俺を――。


「突然こんなことを言って、ごめんなさい……レインさんだって困りますよね……」

「い、いや、俺は……」

「あ、あくまで、私の一方的な気持ちですから……っ、すみません、申し訳ないです……!」

「えっと、謝らないでくれ……俺は、その……」


 駄目だ、考えがまとまらない。

 ニーナの方だってめちゃくちゃテンパってるみたいだし。


 俺たちの間に戸惑いと恥じらいの混じった空気が漂う。


「……今のは忘れてください。申し訳ありませんでした……」

「ニーナ……!」

「今日は早退するってメアリちゃんに伝えてください。勝手なことしてごめんなさい……っ」


 言うなり、ニーナはあっという間に走り去った。


 あまりの勢いに追いかけることができない。

 というか、俺は呆然とその場に立ち尽くしていた。


 驚きのあまり、動けなかった。


「はあ、びっくりした……」


 ニーナからの告白の余韻はまだ残っている。


 驚きが少しずつ冷め、代わりに気持ちの高揚感が訪れる。


「ニーナが、俺のことを――」


 やっぱり、嬉しい。

 もちろん、最終的には答えを出さなきゃいけないんだけど――。


 少しだけ、今の状態に浸らせてもらおう。


「レイン、顔がにやけてる」


 突然すぐそばで声がした。


「――って、ミラベル!?」

「ここにいる」


 いつの間にか背後に彼女が立っていた。


「いや、いつからいたんだよ!?」

「気配を消してついて来てた。見つかったときのレインの反応が楽しみで」

「そ、そうだったのか……」


 まったく気配を感じなかったんだが。

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