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1 夢で見る風景


 ……ン……。


 レ……イ…………。


 ン……。


 どこかで、呼ぶ声がする。


 すごく遠くからだ。

 すごく小さな声だ。


 その声は少しずつ大きくなり、近くなり――。


「……レイン」


 はっきりと、俺の名前を呼んだ。


「誰だ……?」


 俺は周囲を見回す。


 薄闇に包まれ、誰がいるのか分からない。

 ここがどこなのかも判別できない。


 そんな闇の向こう側から、俺を呼ぶ声が何度も響いていた。


「待っ……ま……す……」

「待つ?」




「待っていますよ、レイン……」




 声は、はっきりと俺を呼んでいた。


 だけど、なぜ俺を?

 どこで俺を待つっていうんだ?


 そして、この声の主は一体――。


「あなたは……?」

「遺産……を持つ者、すべてが……やがて……星の……」


 声は断片的に流れていて、すべてを聞き取ることはできない。


「うっ……!?」


 ふいに前方の景色が変わった。


 空に幾重ものオーロラがかかっている。

 氷原がどこまでも続いている。


 地平線の先に巨大な城が見えた。

 幻想的な美しさをたたえた風景――。


 その城の上部に複数の人影が浮かんでいた。


 魔法か、なんらかの異能なのか、宙に浮いているのだ。

 そいつらの額や胸、腕など体の一部分に紋章が浮かんでいる。


「あれは、まさか――」




 ――そこで目が覚めた。


「夢……?」


 それにしてはやけに生々しい光景だった。

 夢というより、まるで今後に起きる出来事を前もって見せられたような――。


 そう、予知夢だ。


「あいつら全員が『天の遺産』の所持者なのか……?」


 体の一部に紋章があった。

 あれは、俺が見た紋章と同じ。


「だけど……」


 俺の体にはあんな紋章はない。

 何か理由があるんだろうか。


「待っていますよ、か……」


 俺は夜空を見上げた。


 胸の奥が、騒ぐ。

 夢で見た景色に、心を惹かれる自分がいる。


 これは理屈じゃなくて本能だ。


 俺は、あの場所に行かなきゃいけない――。


 俺の中の何かが、そう告げていた。


 何度も何度も。

 ひたすらに、そう告げていた……。

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