表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

115/222

15 覚醒

「感じるぞ……! 力が湧き上がってくるような、感覚――!」


 ヴィクターさんが輝く剣を手に叫んだ。


「マーガレットさんと言ったか。今から私が道を切り開く。その間に傷を負った彼女を治癒してやってくれ」

「えっ?」


 突然指名されたマーガレットが戸惑いの表情を浮かべる。


「けど、奴らに邪魔されてリリィ先輩には近づけねーし……」

「私がなんとかする」


 言うなり、ヴィクターさんが歩き出した。

 まっすぐに、七竜騎たちが変身した巨大な竜に向かって。


「正面から我らに向かってくるだと」

「ならば、焼き尽くすまで」


 放たれる三つのドラゴンブレス。

 ヴィクターさんは避けるそぶりもなくブレスの直撃を受け――。


 跡形もなく、消滅した。


「なっ……!?」


 俺は呆然と立ち尽くした。


「ヴィクターさん……!?」


 まさか、なんの策もなく敵の前に立ち、消し飛ばされるなんて。

 さすがに考えがなさすぎる。


 だとすれば――もしかして。


「走れ、マーガレット!」

「分かってるさ!」


 マーガレットも同じようなことを考えていたのか、すでに駆け出していた。

 リリィの元までたどり着き、治癒呪文を唱えた。


「ちっ!」


 七竜騎たちがいっせいにリリィ、マーガレットに向き直る。


「こっちだ」


 と、その背後から声が聞こえた。

 そこにはヴィクターさんの姿がある。


「なんだと!?」

「貴様、生きていたのか――」

「なら、もう一度消し飛ばすまで!」


 ドラゴンブレスが再度放たれる。

 ふたたび爆散するヴィクターさん。


 だけど、次の瞬間には離れた場所に出現していた。


「おのれぇっ!」


 意地になったようにブレスが次々に放たれるが、ヴィクターさんは吹き飛んでは再生し、また吹き飛んでは再生する。


「あれは――ヴィクターさんの剣の力か……!?」


 いや、何か違うぞ。


 背筋に直接響くような、この感じ。

 この力の気配は――。


「まさか……」


 ごくりと喉を鳴らしてヴィクターさんを見つめる。


「まさか、ヴィクターさんも――」

「『天の遺産』だったか?」


 ヴィクターさんがニヤリと笑う。


「どうやら、私にも同じような力が宿ったらしい――」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。






▼書籍版2巻、発売中です!▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

コミック最新17巻、10/9発売です!

4e8v76xz7t98dtiqiv43f6bt88d2_9ku_a7_ei_11hs.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ