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4 光竜王復活

「よくやったぞ、我がしもべよ」


 ふいに、声が響いた。

 重々しい声だ。


「三本の剣の力さえ奪えば、我の再封印は敵わぬ! これで我に弱点はなくなった……!」


 咆哮が響き渡った。


「今こそ――復活の好機!」


 ――ぴしり。


 前方の空間に亀裂が走る。


「なんだ、これは……!?」


 嫌な予感がした。


「封印が破れかけてる……!?」


 マルチナが悲鳴を上げる。


 次の瞬間、亀裂が大きく割れ広がり、そこから巨大な何かが出現した。

 同時にすさまじい衝撃波が弾ける。


「みんな、俺の側に来て伏せろ!」


 慌てて、一番前に出る俺。

 リリィたちはその後ろで同時に伏せる。


 俺が身に付けている加護アイテムや強化した布の服が衝撃波をすべてカットした。


 遺跡が、崩れる。

 落ちてくる瓦礫も同じく俺が防ぐ。


 吹き荒れる衝撃波はなおも十分ほども続き――。


 収まったとき、俺の周囲は瓦礫に覆われていた。

 ほとんど生き埋め状態だが、加護アイテムが瓦礫を跳ねのけてくれているおかげで、どうにか呼吸用の穴をいくつか確保できた。


 とはいえ、このままじゃ身動きが取れない。


「マーガレット、魔法で瓦礫を吹っ飛ばせるか? みんなで外に出る」

「やってみる」


 マーガレットが立ち上がった。


「『風系統』で瓦礫を除去していくぞ」

「頼む」


 彼女は魔法戦士である。

 言葉通り『風』の魔法で瓦礫を丁寧に取り除いていき、やがて俺たちの周囲に脱出スペースができた。




 瓦礫の中から出てきた俺たちは、前方を見つめた。


「力がみなぎる――! 我は自由だ……!」


 歓喜の雄たけびを上げる巨大なシルエットがある。


「あいつが……」


 俺はその巨体を見上げた。


「光竜王――!」


 全長何百メートルあるんだろう。


『山のような』という言い回しがあるが、まさしく山そのものが動いているような圧倒的な威圧感だった。

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