1 ふたたびウラリス王国へ
俺たちはウラリスの王城にやって来た。
「お久しぶり、だね。レインくん。それにミラベルも」
「ああ、久しぶりだ」
「ん。しばらく」
出迎えてくれたマルチナに、俺とミラベルが挨拶を返す。
ミラベルに関しては、前回の探索で同行したときの活躍もあり、今回俺と一緒に召集されたのだ。
「リリィとマーガレットはもう来てるよ。……で、その人は?」
マルチナが俺の背後に視線をやる。
それから、ぴんと人差し指を立て、
「あ、もしかして……あたし、分かっちゃった。その人が例の剣の持ち主?」
「ああ。初対面だよな。紹介するよ、ヴィクターさんだ」
「どうぞよろしく」
ヴィクターさんが一礼した。
「マルチナ・ジーラよ。初めまして」
マルチナが礼を返す。
――そう、今回はヴィクターさんにも同行してもらっていた。
まだ謎が多いが、彼の持つ伝説級の剣『翠風の爪』には『燐光竜帝剣』の機能を増幅する力があるようだ。
もしかしたら、同じ伝説級の剣である『紅鳳の剣』や『蒼天牙』の機能も増幅できるのかもしれない。
光竜王戦において、きっと大きな力になってくれるだろう。
そう思って誘ったら、ヴィクターさんは二つ返事でOKしてくれた。
『私の力が役立つならぜひ参加させてほしい。その光竜王とやらが復活すれば大惨事だからな。戦闘は得意ではないが、私にもやれることはありそうだ』
と、言ってくれた。
……まあ、戦闘面でも大いに活躍してくれそうだけどな、ヴィクターさん。
「じゃあ、ヴィクターさんも含めて、全員で集まろっか」
「というわけで、光竜王対策会議を始めます。司会進行はあたし、マルチナ・ジーラが務めるのでよろしくね」
と、マルチナ。
会議室のような場所で、俺、リリィ、マーガレット、ミラベル、ヴィクターさん、そしてマルチナが集まっている。
「封印装置の解析が終わった、って聞いたけど――」
俺はマルチナに言った。
「じゃあ、これから光竜王の再封印をやるのか」
「ええ、そのつもり。ただし、再封印はいくつか段階を踏んでやる必要があるの」
「相手の妨害も予想されますね。光竜王の側近――七竜騎とやらも、あと五体残ってますし」
と、リリィ。
「いや、三体だ。この間、俺たちの町に二体出てきて、俺やヴィクターさんたちで倒したんだ」
「さすが、レイン様です」
説明したとたん、リリィが目を輝かせた。
「ああ、その場にあたしも居合わせたかった……レイン様の活躍を間近で見たかったです」
「またうっとりしてる。デレデレ」
ミラベルがツッコんだ。