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……さて、むせかえるような花の香りの話をしましょうか……?花の生存戦略の話です。……花は生存の為に自ら花の蜜の香りを振りまいていますが、誰の為にそのようなことをしているのか、と問われるのなら、そのお客様は当然、人間ではありません。花たちは、受粉の為に虫たちに花の蜜の香りを振りまいています。……それは、どんなに人の目には見えない小さな野端の花だって同じです。花たちは、自らの受粉を手助けして下さる虫たちに沢山集まってもらう為に工夫を凝らした花の蜜のそれぞれの香りを振りまき、虫たちの目により映えるだろう色の花びらを身体に纏います。
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花たちは、向上しよう【より多く受粉させよう】と思いながら戦略を練っているだろう時、【より多く受粉させたくはない】とは、同時に思えないでしょう。何故なら、彼女たちは、向上しよう【より多く受粉させよう】と思っている時、既にその方向性に身体の造りを造り変えているからです。
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方向を決めた時に、行き成り真逆の方向になんて行き成り転換は出来ないのです。何故なら、それは不可能な話だからです。