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……立派でありたいと思う時、人は、立派でありたいとは真逆な思考を思ったりは致しません。……何故かは、私にはよく解りませんが、まるで無意識的にその真逆な思考を抑えているかのような振る舞いまで見せるわ。
まるで、自分がそう思うことを決められていると思い込んですらいるかのように。
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向上を思う方は、かなり自分に厳しく、自分が上手くいっていることはまるで忘れてしまったかのように振舞います。まるで、それは終わってしまい、もうその方の中で無かったことになった事実のように、すっきりそれは過去のことです。彼にとってはそれは、既に過去であり、完成し、解決された課題なのでしょう。
実績という言い方をすれば、それは確かに輝かしい実績です。けれど、そのことを成し遂げた彼は、まるでそのことはもう過去のように、前しか向いていなかったりします。過去を懐かしがったり振り返ったりしないようにも見えます。
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そう。向上したいと思われる方程、そう思っている瞬間に、向上したくないとは思いたくとも思えないものです。気づかないと言ってもよい。……それが、私にはとても不思議で面白い感覚に思えます。