雑多な恋
片足で
マザラン雲を渡り
また原始の片鱗を探してれば
ちょっときみが
好きになる
火曜日が
五秒で終わる
梅雨の頃になって
雨の日にキウイを食う
思うのは宇宙戦争のこと
馬頭星雲の混濁
たまに好きなひとのこと
それはきみの混濁
わたしときみの宇宙が絡み合って
絶妙な愛のかたちになる妄想
十二時を回る
赤字三十万円の
きみとの宇宙旅行計画が
新しい意味を孕んで
わたしたち愛をさんざめかせるの
水曜日は水星でダンスして
ゼロ気圧の花になり代わる
恋の分子を弾いて
バラバラな宇宙の仕組みが
途端にきみに凝縮する
その暗黒さに
わたし恐れないでいられる
それは恋ってことだよ