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嬢ちゃん……じゃない、ティルア。

俺の名前はティルア

捨て子、そう俺は捨て子だった

拾ってくれたのは盗賊団


俺は当時盗みを働いていたんだ

商店街によってはぶつかりこっそり取りあと、死体漁りなんかもした。

俺の入ってた盗賊団は100人規模の少数団だった

んだ。

ある日、仲間の1人が捕まったんだ

助けに行くのが筋だ、俺は行きたいと言ったが

「これは罠だ、未来があるお前にゃー託せねぇ」

なんて親分が抜かしやがった。

「罠だったら行かなくていいいじゃん!」

子供なら当然の反応だろう

「うるさい!あぁーやっぱてめぇなんか拾わなければよかった!」

「親分、ここでいっそ処分しますか?」

あれ、俺って余分だったのか?

なにが悪いんだ……

「じゃぁ!」

ナイフが顔の横に当たったんだ、

スーって嫌な音を立てて俺の頬に跡を残した

逃げなきゃ!ここにいる奴らは私じゃ勝てない

やっぱ助けるのが筋だけどその意思があっても足でまといは連れてないのか?

もう訳わかんなくなって逃げ出した


その後こっそり着いて行った。俺だって盗賊団の一味だ!

牢獄で戦いが始まった。

俺はどうしたかって?怖かった。動けなかった

味方はどんどん攻めていった

だけど途中数人が逃げだした

俺は岩陰に隠れて見てたが

そこに魔法が当たり岩が壊れた

「居たぞー!!」

との掛け声で沢山の騎士が攻めてきた

俺は怖いながら立ち上がり突っ込もうとした所で不意に視界が暗くなった


目が覚めると老人が座っていた

「おい、ここはど──」

ぐっ、体が痛い動かない

「無理するのでない嬢ちゃん、なんせ3日も寝込んでたんだ」

「は?そんなわけ」

「嬢ちゃんズタボロで村の前に倒れてたもんでなぁワシが保護したんじゃよ」

「は?保護だって俺には帰えるべ──」

「嬢ちゃんこれがなにかわかるかい……」

老人が年季のいったナイフを見せてきた

俺は泣いた。それは親分の愛用してたナイフだったのだ

「嬢ちゃんが何者で何があったかは全て知っておる、そして眠ってる間に何があったかもな」

そんなはずがない……ありえないよ、親分は

「ま、まさかそんなことはないよね」

ふるえふるえ聞いていた、ほぼ無意識だろう

「嬢ちゃんを亡くしたく無いから親分、いや盗賊団のみんなは心を鬼にしたのじゃ。そして捕まった仲間を助けに牢獄に総勢で乗り込んだ」

「なぜ俺を生かす必要があった!!俺の方がよっぽどいらない存在だったろ……」

「牢獄の者達は、捉えた奴を助けに来る人数はしれてると、油断しそのお陰か最初は優勢だった」

老人の目にも涙が溜まりだした

「じゃが……じゃが……そこに来たんじゃたまたま出兵していた国の騎士達が。そこからは劣勢じゃったよ」

「?!俺の隠れてた岩を壊したヤツらか。それで親分は……どう」

もうその先は聞きたくもなかった、だがこの老人が話せる内にも聞いておかないと損する気がした

「結局、結局……みんな惨殺されたんじゃよ。じゃが親分……いや息子は何とか生きておった」

「!?親分無事だったのか!」

「騎士に囲われ気絶した嬢ちゃんを見て飛び込み抱き抱えながらここまで来たのじゃ……こ、こにつくころにはも、ぅぅ」

そのあとは言われなくても理解出来た

俺をうざがってた最後の態度も

何処か焦りを感じてた

……俺は馬鹿だ

「息子にはな……一人娘が居たんじゃ。わしの孫なんじゃが自慢でのぅ……」

なんだそれは……俺の影にその子を見てたとでも

「病弱でなぁそれでもみんなを元気付けてくれるいい子じゃった。そんなある日、病状が悪化してのぅ治す為の薬が高くて高くて、村の人達みんなで頑張ろう!ってなぁ。しかしそれでは足りず国や医者に交渉してみるも断られ。ましてや仲の良かった貴族にすら見捨てられ。村の者が一致団結して盗賊団を始めたのじゃ……子供やわしのような年寄りは留守番役でな、それで貴族とかから盗みをしておってようやく買える金額が出来た頃には……それから人が変わってしまったかのように不必要な盗みをしだしたんじゃ、息子の固有スキル【共有意識】自分の感情を他人に共有させれるが暴走したのじゃ」

「だが、俺はそんな気持ちは!!」

「嬢ちゃんを拾ったて聞いた時見に行ったら驚いた、息子が笑ってたんじゃ。みんな笑ってたんじゃ……」

「俺が心を変えたのか?」

「そうじゃだからこそ生きて欲しかったのじゃ自分のブレーキ、いや亡くなった娘の変わりとして」

「つまり俺は親分の意識を無駄に」

「そんな事は無いのじゃ、村の入り口に倒れてる二人を見た時息子は笑ってた、そして紙に走り書きで"父よ、この子にナイフを渡してやってくれ私だと思って大切に使うように言ってくれ、そして、大事な人が出来た時それを渡すといいと"ってな……だから嬢ちゃんに託したんじゃ……」

「グスン……嬢ちゃん……じゃない、ティルア。ティルアだ」

「そうか……ティルアかティルアじゃな」

この日は涙が枯れるまで泣いたと思う


それからは楽しい日々だった

村の若者は殆ど亡くなっている為この村には子供や女、そして老人ばっかだった

朝イチに起きてみんなと魔法練習

昼はご飯作り、夜はお話会!

盗賊してた日々が嘘のように流れて行った

でも、忘れてはいけまいと格好は変えなかった。

周りも「ティルアらしいな!」「かっこいい!」

って受け入れてくれた

まぁただ短気で無駄な所が気になるのが玉に瑕って言われるな!

前にあったのが帝国騎士団のガキが

「お前がこの村で1番強いらしいな、俺が勝ったら、オレの嫁にならないか!」と言ってきた。

決闘と言う設けられた機会でやるのではなく今ここで襲い掛かりそうになって察したみんなに抑えられた

もちろんその決闘は圧勝

最後には「てめぇみたいな雑魚が慣れるとは程度がしてるな!」と言ってやったよ。


ただこの村ではもうひとつ俺の苛立つ原因があった。それは勇者を祀る村って所だ

封印される程度で勇者とはな

それぞれの魔法に長けてるらしいが

どんなもんかね

その矢先、封印から一人復活したってもんだから

見に行ったら驚きのなんのチビで女ぽいガキ

俺の方がよっぽど男前だ

だから喧嘩ふっかけてやったんさ

【燃えろ】エセ勇者の近くに火の玉が着弾

「俺はそいつがウォール様だなんて思わねぇな!そんなチビで女みたいな奴が大魔導士だ?!なめてんのか!!」

やれやれとはなんだ!ってかあのエセ勇者

封印されてたせいで自分の格好忘れたのか?

「やだね!俺は信じねぇからな!いっそこの場でエセ勇者倒しても俺が勇者になっても良いんだよ!」

睨んできやがったぞ

「なんだぁ?ガン飛ばしてんのか!!」

ごちゃごちゃやってんな俺が抑えられてるのを後目にかあぁん?

なにが封印の消えたから肩慣らしで戦っていいだ?てめぇに決める権利はない!


「よし!ウォールとやらかかってこい!」

【~・~・~】

中々なサイズだなそれを3つ

【飛べ・跳ねろ・加速】

俺のいた所燃えてんなぁ!まともに食らうのはヤバそうだ

回り込んで

「威力と連続性はわかったが!その程度か!」

「くっ!素早さが無駄に高かったがあれを躱すとは」

後ろに目でもあるのかエセ勇者!この一撃を受け止めるとは

【暗黒よ・まきあ~】

混合か!最後が聞き取れんかったが暗くなったのは間違いなく闇だ【ひかれ】打ち消してからの

う、動けないまさか足を捕えてるのは風?!

【××××××!!!】

な、なんて言ったんだ!!Lvが違いすぎるのか……

あ、熱い炎か!!上から降ってくる

当たる!くっ……俺はこれで最後なのか

ズドォォォン!!!

あれ?見た目の割に威力無くないか?数箇所火傷したがこの程度なのかやっぱエセ勇者か

ドサッ!!エセ勇者さんは魔力切れで倒れ──

いや、倒れたのは俺か……意識が────


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