怪しい動き
「状況はどうだ?」
「ええ、しっかりと送り込めましたよ"閻魔様"」
「これで奴らに仕返しできるな」
「はい、我々の念願ですもの」
「でも異例でしたね、まさか地獄の悪魔が2割も1つの世界に連れてかれるなんて」
「あぁプロジェクトを進行中にこれだから尚更」
「まさかヤツらに気付かれたとかですか?」
「それは流石に無い」
「ですよね、あ……散った2割は曲者揃いって話もありましたけど」
「案ずるなストラスが一緒だ」
「あのストラス様ですか!」
「あぁ、しかしだなぁ今思うと……あの少年を騙すのは少し心が痛むな」
「確かに根の悪人って訳じゃないですしね」
「しかし上の決めたこと。我々はその通りに進行してればいいのだ」
「ええ」
「ほほぅ、昔みたいに”何でだよ!間違ってるだろ!それが、それが命かけて人を救った人への判決か!”とかの感覚で上に怒鳴りはせんのじゃなぁ」
「?!」
「なんだストラスいたのか、今回は内容が内容でな。正直どうしたいのかわからない」
「確かにのぅ、私としてもあの少年を巻き込むのはあまりいい気味では無い」
「ス、ストラス様も同じ考えでしたか」
「お!お前成長したのぅ"フルカス"」
「いえいえ、一介の騎士である私に悪魔の道を教えてくださったストラス様の顔建てをしたく毎日鍛えておりました」
「そうだぞ!ストラス。人間界では賢い老騎士で味方に付ければ万力だが敵につければ一国が潰れるなんて言われるほどだぞ!」
「いえいえ!当然の行いです」
「ほほほ!その調子じゃよ」
「ところでストラス、プロジェクトを進める為にもあの少年にはアレを選んでもらうしか無いのだが」
「そこは大丈夫じゃよ、適正とか言って無理やりのぅ!」
「は、はは流石ストラス様」
「お主らしいな!」
「我々の勝利に必要な材料、それは人間の娯楽により散った仲間の悪魔を連れ戻すことじゃ」
「本来なら自らの意思で戻れるはずなのに今回の世界は特別過ぎたのかもしれぬな」
「じゃぁわしは怪しまれぬよう早めに戻ることにするかのぅ!」
「ストラスがんば!」
「自分が行けないのが恥ずかしいくらいです。ストラス様!頑張ってください」
「では、フルカスそなたには天界の調査を頼みたい」
「は!仰せのままに」