レムリア
「壊れろー」
バリンっと軽快な音を立てて空間が砕けた
アパテーが壊した
「あれ?ここどこ」
見た目は王都の入口だ
豪華な門。開け放たれた門の奥からは廃れた背景が
ワープしていたようだ。
ミラちゃんたち無事だといいけど今の位置も分からないしとりあえず街の探索か
「うわっひでぇな」
「そうね…まるで戦後」
「んーとりあえず街を見て回るかのぅ」
「レムリアってんはもっと栄えていたはずだがな」
「とんだ依頼になりそうだな」
多発している事件の解決。
とは言うものの事件どころか人っ子一人見当たらない。
まるで廃村いや、王都だから廃都かな?
しかしあれだけの兵士を捨て駒にできる程人員はいるんだ、見た目だけで実際は栄えてるとか
「あっれぇー3人とも何してるの??その人達誰?」
声のなる方向を向く。
ヤンデレ系のまさにそれ。
レギンレイヴなのか?
「レギンちゃん遅い!」
「心配、したよ」
「なんだ、レギンレイヴかーならこの状況は察せるね」
「ん?アパテーどういうことだ?」
「なんだ、そこの4人は部下なんだ。もっと面白くなりそうだったのにね!!」
「あいつは私の姉のような感じ」
ネメシスか…たしかゲームだと復讐の使者みたいな名前で些細な嫌がらせだけでも断罪を執行するみたいな感じだったよな。つまり
「つまりレギンレイヴは街の人達の負の感情を爆発させて争わせたんだな?」
「そうよ…厄介ね。まぁ味方なら心強いけど」
「あ!もしかしてアパテー??小さくなっても胸だけは変わらないね」
「あ゛ぁん?」
「私達ってあなた達とキャラ被るから昔っから気に入らなかったのよねー」
「まってよ!アパテーちゃんは味方だよ!」
「え?そんなんつまんないよ…」
「はぁ…その交戦意欲を別の所に向けて欲しいわね」
「あ、ところでさなんでレギンレイヴは街を1個壊滅させたんだ?」
「あー…私が居ると勝手になるからさ。あの時もそう」
「え?レギンレイヴが街の人の感情を利用したんじゃ」
やれやれと昔を思い返すかのように空を見上げるレギンレイヴ。しかし今の見た目だと夢見る少女だ。
「あれは昔北欧であった出来事ね…」
彼女の位置付けは最高位の一つ前だった
彼女は神々を継承した者だった
彼女は神々の亡き後1人で戦っていた
彼女は死んだ仲間、死んだ見た事もない神々の思いを背負っていた
彼女は戦いに勝利した
彼女は概念のひとつとなった
彼女は世界から消された概念【復讐】となった
彼女が居なければ人々は受けた事に悲しみを覚えても怒りを覚えなくなった
彼女は彼女は彼女は彼女は……
危険人物に見えたがすんなりと話してくれた
内容は酷いものだが。
そんな彼女にも1人意気投合の出来た者がいた
それはラーズグリーズ。愛称はラーグだったらしい。
ラーグはいわゆる計画を壊す者
誰よりも平和を好み。
ラーグは数多くの争いを終わらせた。
そんなラーグはレギンレイヴの能力により狂った仲間に、
戦いを好み休戦、停戦、終戦とを嫌う者に、
殺害された。これは復讐じゃない!八つ当たりだ!
とキレたが誰も聞かない。いや、まるでラーグの存在は否定されたかのように…。
その件で彼女はようやく自分の立場を理解した。
なぜ自分は1人で戦うのか?
なぜ自分は……
いや、最初はみんないる。だけどどんどん消えてゆく。
私が投入された戦いは全て勝てないと言われていた物
指揮を執ったのはラーグ。
無意識に察していた。
彼女が仲間の死を見せて復讐に燃える私を利用していたと。
いや、私の能力がそう思わせたのかもしれない。
ふとその迷いからラーグは死んだ。真相は分からない
私は道具?いや、私は…
そして存在を否定しだした。
死んだ者への復讐心が湧く…すぐ消える
また湧く。最終的には自己嫌悪の嵐だ。
だから頼んだ。もう1人の平和を好む者。
スヴァ、眠をもたらす者に。
そして永遠に覚めない眠りついた。
その眠りの中で夢を見て結論を出した。
そのタイミングで目覚めた。
結論は人々が復讐を望むなら叶えてあげよう。それが神だ、望みは叶える。と
で、今に至る。
「……」
「でも不思議。ここに居るみんなは私の影響を受けないから。」
「簡単。上書きした」
そうだな、普通なら俺は前世の事で復讐心が蘇り暴走したかもしれない。
ナイスアパテー後でアイス屋残ってたら奢ってやるぞ!
「そう、ありがたいわね。まぁだから私もやりたくてやってる訳じゃないけど神として望まれた事はね」
「そうか、一応聞くが復讐心で街が終わる程ってのは神様特権か?それとも」
「この国は私に影響されなくても近々こうなっていた」
「「「「!?」」」」
「なーんだ戦えないのか」
「安心。私は戦いたくないから」
「安心と絶望しろ!!元凶は城にいる!!らしい」
「よーし!倒すぞ!!」
おー!おー!派のスルーズ
後はみんなやる気無し派だ
「その前に生きてる人の救助をしましょ?最悪死んでいても魂がこちらにあれば治せますから」