巨神、そして無
【アイスジャベリングオール!!】
敵味方識別可能の範囲攻撃だ
「ぬるいわ!【集い・固めよ!】防御陣形!」
「?!馬鹿な!MP60消費のスキルを!」
「残念だなぁこちらはみんなのMPを消費する分固くなるのでなぁ」
正直に言おう、前言撤回だ
負ける方法どころか勝つ方法を知りたいなァ
「【行け・鉄の兵士よ】殲滅陣形!」
「よーし俺の出番だ【生贄は・我が身・加速せよ】」
ギィィィィン!
嘘だろ…ATK300近いティルアの一撃が雑魚兵士如きに弾かれるだと…何かがおかしいぞ
俺らの敗北がイベントの終了条件か?
「【太古の知恵・敵なる物は・鉄屑】まぁ即効じゃとここら辺かのぅホレ増幅魔法じゃ」
「我が兵を舐めるなよ!『身、尽きるまで忠義を果たせ。デスロード!!』」
「なんだあれは!」
「ほぅ固有スキルじゃな、しかしさっきのデバフを打ち消されたのは痛手じゃのぅ」
「いや、雑魚にピンチってやばくね」
「勇者様がその成りじゃ笑われるぞ、オラ行くぞ!」
「はぁ〜あんまりやりたくないけど私出るね」
「アパテーなんか特技でもあんのか?異常付与しか無理って言ってたけど」
まぁ異常付与と言っても神には間違いないのだ、なんかこう神の力!的なので一掃出来るのかもしれない
「えっへん!みらちゃんにもいい所見てもらう為に頑張るね」
「お遊びはお終いだァ!!そもそもこのドッペンガー騎士長様に逆らうのが悪いんだ!さぁ我が鉄兵の最終奥義を見せてやろうじゃなか!ただのNPCだと思ったら大違いだ!私は神により特殊な力を賜ったのだ!そしてその力は人々を自分の支配下に置きその力を集結させれるという力だ!貴様らみたいな雑魚に使うのは気が引けるがまぁいいさ【集結せよ・鉄の兵士よ】さぁ巨神となりてあやつらを排除しろ!」
兵士達がくっつき巨大な兵士となった
全長は5m程だろう、喋りつつも削った甲斐があった
「アハハハ!何?巨神?神の私の前でよくそんな言葉使えるね!しかも神により賜った?戯言はよしてよ」
「んだァと!このクソガキが!ぶっ殺してやる!!いけ!」
「それ当るの?」
アパテーは直立不動、振りかざされた巨神の手は横へ逸れたいや、巨神自らが横にずらしたと言うのが正しい
「何故だ!何故にそのガキを殺さん!」
「私を殺す?無理よ、その子は私があなたに見えてるものね」
「なに?!ならばコード変更【行け・皆殺し】狂気の宴!」
「それは無、存在し───」
「チッ!早すぎるわね」
「無駄な事よ!さぁその剣で全てを壊せ!!」
横薙ぎそれはドッペンガーに直撃した
「ぐぁっ…おれの、ゲボォ、司令なしではそいグッ…暴走す……」
「面倒な事になったねッ」
間一髪避けたが、アパテー1人だときついのでは
「アパテー俺が手伝った方がいいか?」
「いや、行けるよこれくらいなら」
「ガァァアァァア!!ナゼミトメラレヌガンバッタ!…オレハツヨイ!アイツガオオサマ」
なんだ?!巨神の体から声が
「オマエガミギダ、オレガチョウテン、フザケルナ!」
「どうやら鉄兵の操りが解けたみたいね、そのせいで合体するも内部で暴走を続けてるのね」
「なんか呆気ないな、こう戦闘ってもっと」
「きゃぁぁぁ!離してよ!」
ドッペンガーと3人の兵士は良くよくよく考えたら戦ってなかったがまさかミラを人質にとるなんて!
なんて奴らだ
「おっと、みんな動くなよ。このガキの命が欲しければな」
「卑怯者め!!」
「卑怯?どうせお前らはここで死ぬんだそんなこと気にしても無駄だろ」
「そうだぜ、ほら武器捨てな」
「聞こえねぇのか!武器捨てろってんだよ」
どうする…どうせここで死ぬってことは結局殺すつもりなんだよな…しかしとりあえず武器を離すか
「これでいいじゃろ年寄りをいたわれんのかのぅ」
「おい、メイドの姉ちゃんはこっちきなお前も人質にする」
「んだよ…とっととわかったよ」
さすがのティルアも抵抗できないか…さぁどうする
「コロス、マズハヘイシ!エラバレタノセコイ、ソウダナ。オレラハシタッパ」
ドスンッ
そんな音があってるだろうか、ミラとティルアと兵士3人のいる所に巨神の拳が落ちた
ヴェドラさんはイベで外に出されなかったのに
ミラは出された、そういう事なのか
さすがに冗談がきついぜ
「ツギハアイツ、アノガキ、ドウイジメヨウカナ」
いじめる?ざけんなよ…選ばれず見下されたお前らに少し同情した自分が忌々しいな…
お前らもアイツらと同類かよ
「サァオイデイタブッテヤル、タノシイジカンダヨ、アイツザコソウ、」
「…れの前で、俺の前で二度といじめるなどと口にするな!」
「ギゼンシャフゼイ、アノコモソウシテ、キミガソウシナケレバ?、ゲイインハアルカラ、デモソノコシンダヨ、フザケルナ、ミギガワコンドハオレネ、ドウヤッテイジメル?」
「ウォール落ち着くのじゃ」
「ウォール落ち着いて、あんなのに耳傾けちゃダメ」
「ケント、もういいんだよ。俺は少年院だろうが行ってやるだからアイツらだけは…りーちゃんはそんなに言われて悲しくないの?俺は俺は…」
「ウォール!!ここは現実じゃない!もうお前の復讐は終わったんじゃ」
「復讐?違うよこれはケントだってわかるだろ」
「わしはストラスじゃ!全く目を覚ますのじゃ」
「ヘェー、ミテヨクルッテルヨ、ナンデカバウンダロ、モシカシテ、ヤッパソウダヨネ」
「ウォール聞いちゃダメよ!」
「りーちゃん…誰にやられたの…え?転けた?違うでしょ!それはどう見ても」
「ソウダヨ?ナグラレタ、イタイヨイタイヨ、ミンナサゲスムヨ、ワタシヲタスケテェ」
「よくも…あぁそうだな僕は今魔法が使えるんだコソコソ事故死に見せかけなくてもいいんだほら、見てよ、りーちゃんケント!僕はこんなに強くなったよ影で動かなくてもそうだねあんな奴ら」
「いかんのぅ完全に自我を」
「サァコイ!」
「【我は・○○○○・○○○○】!!」
「炎か!コザカシイ、ソノテイドデハ、効かぬな!!」
「また1人、また1人、りーちゃん今度は誰に?」
「いかんのぅ…このゲーム変なスキル多過ぎじゃろ!!謎の言語で放つ魔法とかチート級に決まっとるじゃろ!!」
「ッてて…あれ?ストラストどうなってるの?」
「ティルア生きておったか!」
「私は回避能力高いからな間一髪だったけど、だけどミラは救えなかった」
「ミラなら大丈夫だよ」
「アパテー?!さっきから居ないと思ったら何してたんじゃ」
「ミラちゃんはイベントにそもそも参加してないよ?お父さんと一緒に"最初から見てたよ"」
「改変か、しっかしのぅだったらアレもどうにかしてほしいのじゃが」
「出来なくは無いけど、あの鉄の兵士何かおかしいのよまるで私の能力を使ってくださいと言わんばかり」
「しかしウォールが」
「えぇそうねしょうがないわ。『そのものは無』『あなたもいつまで夢を見てるの?』」
「よくもぉ!!ってあれ?俺寝てたのか?!」
「まったくじゃなカレー食って寝たと思ったら急に泣きながら魔法を撃つんじゃ…ビビったぞ」
「ウォールはまだまだガキだな!ほら、涙拭けよ」
涙?あれそう言えば懐かしいけど思い返したくない夢を
「ウォールが寝てる間に兵士がイタズラに来たのよ!私が追い払った凄いでしょ!」
「あ、そうなのかアパテーは偉いな!」
「えへへ褒められた!」
「よーし!そろそろ冒険でよ──」
突如飛んできた剣がティルアを突き刺した。