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09.武器職人

翌日、製作した鉄の剣50本を納品するために武器屋へ向かった。


さすがに持って運ぶのは無理なので以前、武器屋で頂いた箱に入れてそれをアイテムボックスに入れる。この方法で運ぶと重量の影響を受けないのでとても楽だ。武器屋に入るとお決まりの文句で主人が言った。


「ココハ、ブキトヨロイノミセダ、ナニカカウカネ?」


いやいや、わかってるでしょ。と内心思いつつ納品に来た旨を伝える。

そしてアイテムボックスから鉄の剣50本が入った箱を取り出す。


「前に来た時も思ったがアイテムボックスが使えるのかい?これが使える人は商人の間では重宝されるんだよ」


確かにこれを使うことで輸送コストを大幅に下げることができる。商人の間では重宝されるスキルだと・・・まあ実際はスキルじゃなくてゲームの仕様がそのまま使えるだけなんだけどね。


「それじゃ確認をお願いします」


「あいよ。ちょっと数が多いから少し待ってくんな。おーいお客さんにお茶を持ってきてくれ。」


「はーい」


と中から返事が聞こえた。

少ししてからお茶を持ったお姉さんが出てきた。これはなかなか・・・かなりの美人でスタイルも良い。


「娘のシアだ」


「よろしくね。確かエリーちゃんが言ってたドワーフの娘さんでドワコさんだったよね。これお茶ね。どうぞ」


「ありがとうございます。エリーと知り合いなんですね。」


「小さい時から知ってるよ。少し前まではよく遊んでいたし。」


と言う会話をしているうちに店の主人が検品を終えたようだ。


「今回は需要がある品物なので1本大銀貨3つで買い取ろう。全部で大金貨1枚と金貨5枚だな。それでどうだ?」


「わかりました。ありがとうございます。」


「またいつでも来てね」


「また何かあったら頼むよ」


お金を受け取り箱を返却してもらい店を後にする。金額にして150万の収入である。かなり上機嫌になるドワコであった。だが、この大量納品が後々大きな騒動になることは今の時点では誰も知る由が無かった。


今回の納品でそれなりの量の鉄を消費したためダンジョンへ行き鉄のワニを狩る事にする。他の冒険者はこのワニを避けて通るため獲物の取り合いなどのトラブルも起きず狩り放題である。それから数日、鉄のワニ狩りを行い確実に鉄の在庫を増やしていった。


この日もダンジョンへ向かおうと思って準備をしていると武器屋の娘シアが工房を訪ねてきた。


「おはよ。ドワコさん。ちょっと頼み事があるけどいい?」


「内容によるけど何かな?」


工房の中のテーブルと椅子が置いてある場所に招き入れ、話を聞くことにする。


「この前納品してもらった剣はすぐに全部売れてお父さんすごく喜んでた。商人でもない人がそんな大量に同じ剣を持ち歩くことはないよね?これってドワコさんが作った武器だよね?」


「ここの工房で作った物だよ」


「他の武器とか作る事ってできる?」


「いまある材料からなら鉄と木で出来た武器ならそれなりの種類が作れると思うよ?今確認してみるね」


クリエイトブックを取り出し作成可能な武器を確認してみる。鉄の剣、鉄の短剣、鉄の長剣、鉄の大剣、鉄のナイフ、鉄の斧、鉄のハンマー、鉄のグローブ(格闘用)、鉄の槍と言った所かな。もう少し別の素材を足せば弓系統も作成できそうだ。


「今すぐ用意できるのは、鉄の剣、鉄の短剣、鉄の長剣、鉄の大剣、鉄のナイフ、鉄の斧、鉄のハンマー、格闘用の鉄のグローブ、鉄の槍くらいかな」


「いろいろ作れるんだね。それぞれ3つずつ製作お願いできる?」


「たぶん大丈夫だと思う。明日お店に持っていくで良い?」


「そんなに早くできるの?もっと日数がかかる物だと思ってた。それじゃ買取価格は前回が基準になると思うけど問題ないかな?」


「買い取ってもらえるなら頑張って作るよ」


「それじゃよろしくね」


と言ってシアは帰っていった。材料は足りているか改めて素材の在庫を確認してみる。鉄も木材も大丈夫そうだ。早速制作に取り掛かるとする。昼過ぎには注文を受けたすべての武器の制作が完了した。これで定期的に受注できればいい商売になるんだろうけど・・・。それから残りの時間を使ってダンジョンに潜り鉄のワニを狩り素材の補充を行った。


翌日、納品する武器を箱に詰めてアイテムボックスへ収納して武器屋へ向かった。


「ココハ、ブキトヨロイノミセダ、ナニカカウカネ?」


いやいや・・・売りに来たから・・・と内心突っ込みながら。


「なんか娘が無理を言ったみたいですまんね。その話を聞いて驚いたよ。」


ん?と言う事はシアさん独断で話を持ってきたのか。


「おじさんが頼んだわけじゃなかったんだね?」


「そうなるな。この前、無理を頼んじゃったからね。さすがに追加をお願いするのは気が引けてな。まあそれは置いておいてだ、完成した品物を見せてくれないか?」


「それじゃこれが今回の品物になります」


と言ってドワコはアイテムボックスから武器の入った箱を取り出した。


「おーいシア。ドワコさんにお茶持ってきておくれ。」


「はーい」


と返事があり、しばらくするとシアがお茶をもって奥から出てきた。


「無理を聞いてくれてありがとね。はい、これどうぞ。」


「ありがとう」


お茶をいただいている間に店の主人が検品を行う。今回は前回より数は少ないが種類が多いので作業が大変そうだ。


「いやぁ本当に未使用の新品武器が扱えるなんて商売人としてはうれしいよ。この国では武器の生産をしていないから他国から来た商人から買い取るとかでないと入手できないからね。」


「どうして武器の生産をしていないんですか?」


以前から気になっていたことを店の主人に聞いてみる。


「今から20年位前かな・・・この国と隣の国が戦争をしていてかなりの国土を失ったんだ。その時に鍛冶屋のあった町が相手国に奪われこの国から技術自体が消滅してしまったんだ。隣の国も内戦が続いていて町が壊され鍛冶屋を続けるのが困難になったそうだ。それから今に至るという訳だ。」


「そうなんですか・・・」


と言う話をしている間に店の主人は検品を終え、買取価格の算出を行った。提示された額で了承して商談成立となった。


「これから色々と武器製作をお願いしても良い?」


とシアが尋ねてきた。


「材料さえあれば大丈夫だと思うよ」


と答えるとシアと店の主人は喜んだ。


「それじゃこれからよろしくね」


「すまんね。よろしく頼むよ。」


と見送られ店を後にすることになった。


数日後、国内では入手が困難な新品の武器が入手できるお店として冒険者の間で知れ渡り、武器屋が大繁盛することになる。その噂が城下町まで知れ渡るのには時間がかからなかった。


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