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23.聖女見習(後編)

見習研修3日目。今日は魔法講習をするようだ。

魔法については、わからないことが沢山あるので少し楽しみにしているドワコだった。


「それじゃ今日は魔法の講習ね」


「よろしくお願いします」


聖女の執務室にある応接用の3人掛けソファーに2人並んで座る。


「ドワコも魔法が使えるからそれなりの知識があると言う事で良い?」


「全然良くないです。実は独学で少しやった程度でさっぱりわかってないんです。」


「あら~そうでしたか。それじゃ基礎から行きますね。おそらく知っていることもあると思いますけど復習だと思って聞いてくださいね。


「まず、魔法には基礎属性と呼ばれる火、水、風、土の4種類があって光と闇を含めた6種類の属性からできているの。火、水、風、土は名前の通り火や水、風、土を操れる魔法を基本としていて、光属性は光を操ることと回復、闇属性は実際に使える人がこの国にはいないから詳しくはわからなくて聞いた話になるけど、時空や空間を操れると言われてる。召喚魔法も闇属性になるらしいね。」


「各魔法にはランクがあって上から上級、中級、下級魔法と3段階で分別されてるよ。基礎属性の下級魔法は比較的使える人が多くてこの国にも魔術師として所属している人も何人かいるし、冒険者の中でも使える人がいるみたい。中級魔法が使える者はこの国では高い地位を与えられて好待遇で迎えられるよ。ドワコも水属性の中級魔法が使えるから、この中に候補として入ると思う。そして上級魔法が使える者だけど・・・わたくしは知らない。遠い昔には居たらしいから文献としては、どのような魔法があったは残ってる。昨日話した光属性の上級魔法『キュア』がそれに含まれるね。」


「あと使える属性の数ね。普通は1属性使えるだけでもすごいけど、ごく稀に複数属性が使える人がいるみたい。ドワコも光属性と水属性が使えるからこれに含まれるね。一つの属性の魔法を使用すると次に同じ属性の魔法を使おうとすると少し間を開けないといけなくなる。複数属性を持っているとその回復時間の間に他の属性魔法を使って間を埋めることで魔法による連続使用が可能となる訳ね。まあ攻撃魔法なら、次の属性も攻撃魔法とかにしておかないと連続攻撃にはならないけどね。あとは高等技術で複数の掛け合わせと言うのがあるよ。例えば下級魔法だと火属性の『ファイア』と風属性の『ウィンド』を掛け合わせると範囲攻撃が可能になるとか掛け合わせることで効果が上がったり対象範囲が広がったりするものね。どちらにしても複数属性が使える魔術師は使える属性が多いほど重宝されるよ。」


「それでこれらの究極形態、ほぼ全属性の上級魔法が使える人を『賢者』って言うよ。ここまで到達できた人は歴史上では数人しかいないらしいよ。とりあえず魔法の概要はこんな感じかな。」


「それじゃ次は魔法の適正と取得についてかな。まず、魔法の適性があるかを確認するのは簡単だよ。魔法書の所有権を自分に設定して中身を見るだけ。基本は白紙の魔法書を持ってもらう訳だけど、適性があれば下級魔法の項目に魔法が書き込まれて、その時点で使えるようになるよ。その魔法書だけど製造方法が良くわかっていないのね。どこからともなく商人伝いに回って来るとかそんな感じだからすごく高値で取引されてる。基本、魔導士は裕福な家庭の出身が多いよ。たまに魔物が落とす事もあってそれを取得した冒険者が魔導士になったり魔法書が市場に流れたりするよ。」


そういえば魔法書ってクリエイトブックに書いてあったような気が・・・。


「魔法書に書かれている魔法を増やすのには日ごろから魔法を沢山使うとある日項目が増える場合が多いみたい。その他の方法は良くわかっていない感じ。闇属性魔法が使える人がいないのは下級魔法には闇属性が存在しなくて、日ごろから使用して上位魔法が使えるようになると言うやり方ができないためとも言われてる。あとは魔法書の譲渡と言う方法があるけど、それをやると貰った方は記載されている魔法が使用できるけど、渡した方は新しい魔法書を取得して、また0から魔法を増やしていかないといけなくなる。複数の魔法書の登録所持は出来ないみたい。予備を持つことが出来ないから全部魔法を失うようになる。せっかく手に入れた便利な魔法や地位を捨てる人なんていないよね。」


「魔法書の使用方法について説明するね。魔法書を使用するときは両手を開けた状態で魔法書を持つ。まあこれはドワコもやってるからわかるよね。なぜだかわかる?」


「わかりません」


ドワコは素直に答えた。仕様だと思っていた。


「これは手を通して物に含まれる微量な魔力が発動に干渉するためって言われてる。仮に何か持った状態で魔法を詠唱すると失敗して発動しない。片手に剣をもって片手に魔法書をもって戦うなんてことは出来ないからね。例外としては魔法書で殴りつけたり素手で殴ると言う事も出来るけどかなりの技術がいるかもね。魔法の発動方法だけど、下級魔法は魔法書に書かれている通り言えば発動するよ。中級は魔法陣を構成しながら一定箇所で詠唱を行う。上級についてはごめんなさい・・・わたくしにはわかりません。詠唱については魔法書を開いた状態で読みながらでも良いし、暗記出来たら魔法書は閉じた状態で持っていても発動するからその分時間短縮になるよ。良く使う魔法は覚えておいた方が便利だよ。魔法陣についてもそうなるよ。形式を覚えて空中または地面に書くことで発動できる。もちろん詠唱と魔法陣を書くタイミングは覚えないといけないよ。」


「最後にこれは大事な事。魔法を使用すると体内にある魔力を消費していくから十分に注意が必要になるよ。魔力が切れるとその場で倒れてしまうから。回復の巡業みたいな安全な場所ならいいけど、魔物との戦闘とかで魔力切れを起こすと命にかかわる問題だから十分注意してね。」


「魔法についてはこんな所かな。理解できた?」


「んーなんとなくかな」


「最後に言ったことが一番大事だからそれだけは忘れないようにね」


「それじゃ明日はいよいよ見習研修の最後だよ頑張ってね」

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