ロリ女神様と下僕くん
とあるファンタジー世界。
ロリッ子女神様とその下僕の人間が、街道を歩いておりました。
ところが女神様、どうもぷんぷんとお怒りのようです。
「まったく人間どもときたら! 神を全知全能だと思って、世の中のすべての人を救って当然とか思ってるヤツとかホント死ねと思うわ! 神の力は有限なのじゃ! わしだって頑張ってるのじゃ! もっと褒めてくれてもいいと思うのじゃ!」
「はいはい。神様は頑張っていると思いますよ」
「お主は下僕のくせに偉そうなのじゃ! なんで上から目線なのじゃ!」
「褒めるって基本、上から目線の行為じゃありません?」
「ぐぬぬぬぬ、ああ言えばこう言う! この屁理屈下僕め!」
「嫌だったら、ほかの人を下僕にしたらいいじゃないですか」
「ぐっ……神が選ぶ下僕はそう軽々と替えられないのを知っててそういうことを言う。手続きとかいろいろ大変なんじゃ。下僕雇用基準法とかいろいろ大変なんじゃ。しょうがないからお主を使っておるのじゃ!」
「本当はその気になれば替えられるはずなんですけどね。何だかんだ言って神様、僕のこと意外と好きなんじゃないですか?」
「なっ、なななっ……ば、バカを言うな! わしは神じゃぞ! 人間の下僕を好きになるなど、そんなことあるわけなかろう!」
「冗談ですよ、もう、そんな言い方されたら、本当にそうなんじゃないかって疑っちゃうじゃないですか」
「ぎゃーす、ぎゃーす! この下僕むーかーつーくーっ!」
彼らは今日も平和に、世の中の不幸な人を助けるべく、旅を続けます。
(終わり)