エンディング
これはキースエンドになります。ヴェインが良い方はバックのあとへお進みください。
―――ディアから事の真相を聞き終わったとき、思わずわたしは心のなかでガッツポーズをしてしまいましたよ……とても不謹慎ですけれどね。
だって、……両思いだったんですからね。嬉しいですよ。誰もいなかったら、小躍りしていますね、必ず。断言できますよ!嬉しいんですから!
「お姉ちゃん、顔に出てる」
結果、ディアにクスクス笑われました。
……そんなにわたしって顔に出ますか??
「お姉ちゃんは昔から顔に出るタイプだよ」
―――穴があったら入りたい心境です。
「ナディア……」
お母さんが、感涙しています。よかったと呟きながら涙を流し、深く安堵しています。
「ナディア……」
お父さんは……お父さん、娘の前で床にしゃがみこんでもじもじするのやめてください。
「まぁ、色々あったけれど、これにて一件落着ね!」
ディアとお母さんが晴れ晴れと微笑みます。いい笑顔です。わたしも一緒に笑います。……お父さん、いい加減立って。
――そのあと、マディンバラから正式に報告がいきました。
先方からは、よかったということと、正式な婚約の申し込みがありました。もちろん、わたしとキース氏の。驚いたことに、申し込みはもう一件ありました。レイナード氏から、ディアへでした。……いつのまに。まあ、レイナード氏ならディアナの隣は許せますよ。
―――でも、泣かしたら承知しませんからね?
正式な申し込みから後日。ようやく、キース氏と向き合えました。
「ナディ」
――キース氏……キースは、うっとりとこちらを見て、とろける声で名を呼んでくれます。なんだか、照れてだんだん顔が赤くなっていきます。
「僕、ずっと待ってたんだ、この時を。ナディに会えるのを」
キースは、わたしの両手を優しく握りしめます。きらきらした笑顔です。王子さまのようです。
「――ナディ。ディアと呼ぶのを許してくれる?」
『おきくなったら、ぼくのでぃあになってくれる?』
「――はい」
『でぃあはね、ぼくのいとしいひとっていみなんだよ』
――喜んで、お受けしますよ。
一応、正式なエンディングです。




