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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

Jack the Giant Killer

作者: テル


僕の名前は 成田なりた せい 自分で言うのもなんだが頭は良いほうだ


特に数学が得意である

しかし誰にでも欠点というものはあり体育はあまりにもひどい・・・。


腕立ては自己ベスト3回

うん、僕にしては頑張った・・・


趣味はアニメを見ることいわゆるオタクというものだ

特に最近はまっているのはと●る科学の超●磁法というアニメだ

美●たんマジ可愛いよぉーhshshsだよぉーペロペロしたいよぉー

美●たんは僕の嫁である。


これはそんな僕の成長物語




「おにいちゃ~ん、朝だよぉ~」


「起きてるよ!」

実際起きてなどいない朝まで美●たんとキャッキャウフフな妄想をしていたのである・・・。


「なら早く朝ごはん食べて学校の支度しちゃいなぁ~」


さっきからやかましい女は僕の妹の 成田 ことみ である


目は透き通るような青い目をしていて髪は茶髪で背中まで伸びた髪を横に縛っていている

いわゆるサイドポニーというやつだ。


ことみはここらへんの三次元女ではうん、可愛いほうだ


例えるならばクラ●ドのことみちゃんの30分の1ぐらい可愛い

髪は茶髪で背中まで伸びた髪を横に縛っている

いわゆるサイドポニーというやつだ。


可愛いは正義である。

三次元女はべつだが・・・

三次元女の可愛いやつは腹が真っ黒が当たり前だからな!


そう思いながらも俺は食いたくもない朝飯を腹に詰め込む

そういえば僕達の家庭は少々複雑でことみの親と別々である

だからことみは義妹ということである

まったく、僕には嫁が大勢いるからことみに手をださないが

普通こんな美味しい状況なら朝飯なんか食べないでまっさきにことみを食べるね!|(性的な意味で)


「おにいちゃ~ん、私もう学校行くからちゃんと遅刻しないで行くんだよぉ~」


「あいよぉ~」


ずいぶんと早くから出かけたな、まさか・・・男か?


とりあえずことみもいなくなったので朝の占いで運勢を見ながら学校の支度をしていた


「今日の水瓶座の運勢は最悪です♪学生の方は特に注意!しかも性が成田で名が聖のかたはもう絶望的です。いますぐ遺書を書いてください♪どうしても生きていたいかたは妹の下着を肌身離さず持って登校してください」


占いのお姉さんはニッコリ笑顔で言っていた。


僕は持っていたカバンを落とす。

えっ?なにこの的確に僕を狙ったような占い?

ロビンフットの弓矢に狙われたほうがまだ救いようがあるよ・・・


妹との下着か・・・

仕方ない、履いていくか!


みんな勘違いしないでね!

僕は占いはけっこう信じるほうなんだ!

でも下着を持って登校なんかしたら社会的に抹殺されちゃうでしょ!

だから僕は妹の下着を履くんだ!そうだ!そうなんだ!

決して!決して妹の下着を履きたいだなんて思いがあったわけではないんだ!な・い・ん・だ!


妹の下着を履こうとしてる時点で社会的に終わってることには気づかない主人公であった。


妹の下着をつけた状態での登校

もちろんこれが始めての経験である


一度ことみの靴下を履いて登校したことはあるが・・・


すると前から仙人のような老人があらわれた

「フォッフォフォフォ、おいそこの若いの」


ん?

俺を呼んだのか?

俺は亀仙人みたいな知り合いもいなければヨーダの知り合いもいないはずだが・・・

こうゆう人には関わらないのが定石だ


スルー


「お主じゃお主。そこの陰湿そうな小僧のことじゃよ」


「うっさいな!お前だって老い先短そうなシワシワなジジィじゃねえか!」


弱そうなものには徹底的にかかるのが僕の真情だ


「おぉーやっと気づいてくれたか根暗くん」


「僕の名前は聖だ!根暗じゃない!」


「わかっておるよ、根暗くん」


わかってねぇええええええええええええ

猛烈にわかってねぇえええええええええええええ

どんぐらい解ってないかと言うとクラ●ドがエロゲーだと思ってるやつぐらいわかってねぇえええ!!!

あれはうん!人生だよね!キリッ


「んで、なんのようなんですか?マスターヨーダ」


「君はもう少し体を鍛えたほうがええぞ、そんなんでは大切なものが守れないからのぉ~」


「いいんだよ、僕には守りたいものなんかないんだからな!」


「そうなのか、それはずいぶんと寂しい青春を過ごしているようじゃのぉ~」フォッフォフォフォ

「まぁ~いい。君はなかなかに面白い、私はここにいるから自分の守りたいものに気づいたときに来くるとよかろう」フォッフォフォフォ


そう言うとマスターヨーダは紙切れを渡した

実際どうでもよかったのだがそろそろ学校に遅刻しそうなので

さっさと貰ってカバンに突っ込む


「なら学校あるから僕はもう行くからね!」


そう言って全速力で走る

10mでもう体が悲鳴をあげて動けない・・・


確かに僕だって強くなって女の子とか守りたかったさ!

だけど僕にはそんな才能なんかないんだ・・・


どうやら学校に間に合いそうだ


校門ではボクシング部のエース 紀田・ニコラス・宏希 が女子に囲まれていた

学校でも1、2を争うイケメンだ。リア充爆ぜろ!


宏希こうきはハーフで父がこの地方では一番の金持ちのアメリカ人で母は昔アイドルだった日本人らしい。しかも宏希はボクシングの大会で優勝するレベルだ。


うん。朽ちてしまえばいいんじゃないでしょうか。


そう思いながらも自分の教室3-Bまで向かう

宏希は3-Aなので顔を見る心配はない

宏希の顔を見るぐらいなら腹の空かしたライオンのいる部屋にパンツ一丁で首に肉を巻いて入ったほうが幾分かマシだ。


すると俺の唯一の女友達の雪子が話しかけてきた


「おっはぁー 聖くん♪今日も元気な死んだような目の魚が見れて雪子はハッピーだよ♪」


元気な死んだような魚の目とは一体どんな目なのだろうか・・・


「うぃーっす」


俺は自分の席につく

雪子も後ろから着いて来て1人でずっとしゃべっている

雪子も俺みたいなやつと絡んでいなければそこそこモテルような容姿をしていた

髪はロングでメガネをかけて地味だが素材はなかなかいい


「そういえば今日はとっておきのお話があるのです!」

そう言って雪子はない胸を強調する


「ふぅ~ん」

適当に相槌を打つ


「あぁ~そうやってまた適当に流して!」

「今回のニュースはきっとビックリするよ!」


雪子は新聞部でちょくちょく大ニュースだよ!言ってくるのだがこれと言って大ニュースだったためしがない


「またかよ、確かこのまえは3-Aのやつが円形脱毛症だったって大ニュースだったけどこんどはどうしたんだ?」


「ふふ~ん雪子独自のネットワークで調べた結果ね!」

「宏希くんといま付き合ってる子がわかったのです!」


「チッ!」

俺はわざと大きな音で舌を打つ

朝からまたあいつのことなど思い出したくもない

あんなking of リア充など思い出しただけで虫唾が走る

しかしそんなやつが付き合ってる女は俺も気になる


「うっ・・・」


雪子は舌打ちが怖かったのか涙目になっていた。。。

普通こんぐらいで涙目になるか?常識的に


「んで。誰なんだ?」


それを聞いた瞬間雪子が笑顔になる


「あのねあのねあのね!なんと・・・・ことみちゃんなのです!」


「はぁ!?」


と驚いてみたもののよくよく考えれば普通だ

ことみはこの学校で俺目線でいえば一番可愛いだろう


みんな美男美女として祝福するだろう・・・が

そんなの俺が面白くない


宏希にお兄さんとか絶対に言われたくないもん!

絶対に阻止すると心に誓っていたらチャイムが鳴った


授業は僕が一番活躍するとこだ。

こんな僕でも勉強だけは本当に自信があった


このまえのテストも全教科100点だった

なのでいつか良い会社に入って昇進してリア充を徹底的にこき使うことが僕の目標だ


などと野望を考えていると4時間目になっていた

4時間目はなんだったかなぁ~


一瞬で体が凍る

まさかこんな緊急事態が発生するだなんて・・・


そう4時間目は体育だったのだ

ちなみに僕の履いてるものはなんだ?

ズボンじゃないズボンの奥だ!ズボンの奥にあるプリティーな布切れのことを思い出す

やばいぞ、男子は全員更衣室で着替えることが義務づけられている

しかもうちの馬鹿な男子は授業のはじまるギリギリまで更衣室で駄弁っている


俺の人生オワタ\(^o^)/


結論から言おう

僕は産まれて初めて授業をサボった


理由は単純明快

妹の下着を履いていたからだ・・・


誰か妹の下着を履いたままクラスメートのまえで着替えれる勇者がいたら僕のとこまで来てくれ

そしたら僕はその人のことを師匠として崇めるだろう。


僕はいま体育館裏で体育座りをして授業が終わるのをひたすら待っていた


すると数人の足音と男の笑い声が聞こえてきた

やばいこっちにくる・・・


もしかしたら先生の可能性があるし隠れようか・・・


僕はどこか隠れるとこを探す

あの小屋なら隠れるな


そこは物置みたいな場所だった

だがいまはほとんど使われていないようだ

埃っぽい・・・


すると男3人組みが来たらしい

俺は木目と木目の間から覗いた

1人は3-Bの見知った顔だった、2人目は不良で有名な男だ、3人目を見た瞬間吐き気がした

3人目はking of リア充こと宏希だった


名前がわからないので1人目をAとして二人目をBとしよう


3人はタバコを吸いはじめる

タバコなんて用地な物に手を染めるとは・・・ガキだな!フン


「マジ授業かったりぃー」

「ここで授業さぼっちまおうぜぇー」


AとBが言う


「本当につまんねぇーなぁー」

宏希がそれを言うか!?普通!?


「そういえば狙ってることみちゃんとはどうなのさ」

ナイスだAよ!俺もそれが一番聞きたかったんだ!


「あぁーことみ?良い感じよ、あと一押しまでベットまでいけると思うけどwww」


あれ?宏希くん?キャラ可笑しくない?

いや、なんとなくだけどタバコ吸ってる時点で可笑しいなとは思ってたけどさ・・・。


「おっまwww 何様だしwwww」


「あぁ?俺様は俺様だよ!なんか文句あっか?」


宏希め・・・くっそ!


「んで?今までの彼女はどうなったのよ?www」


「んぁーあいつら?飽きたから風俗で働かせてるよwww」


「マジかよwww」


「うん、俺のバックにいる族の力でねwww」

「あいつらの裏切られたような顔マジで笑えるのねwww」

「まぁーこっちはベットシーンの映像もってるから従順に飼いならしてますけどねwww」


「うっわwwwマジ鬼畜www」


「んじゃーことみちゃんも飽きたら風俗行き決定なの?www」


「それはもちろんそうですよねぇーwww」


「マジかよ!なら俺にも飽きたら一発やらせてくれよwww」


「いいぜぇー」


僕は小屋のなかでどうしようか焦っていたいた

所詮3次元の女が犯されるぐらいどうってことないはずなのに・・・

なぜか小屋から飛び出してぶん殴ってやりたかった・・・

でも・・・僕があいつらに勝てるわけがない

おそらくこの学校でボクシング部のエース宏希を倒せるやつはいないだろう・・・


あっ・・・やっべ・・・


「ハッ・・・ハクション!」


埃っぽい部屋にいたせいでクシャミをしてしまった・・・。


このタイミングでかよぉぉぉぉおおおおおおおおお

俺の馬鹿ぁあああああああああああああああ!!!


するとすぐに小屋の扉が開かれた

そこには宏希の爽やかな笑顔があった・・・




あれから何時間ぐらいたっただろう

3人にボコボコにされて指一本動かない

あのことをしゃべったらこれより酷い目にあわせると言って宏希達は帰っていった


僕は夕焼け空になった空を眺めて涙を流していた・・・

顔が鼻血なのか涙かわからなくなるぐらいグシャグシャにして・・・


電話がなった・・・

俺は必死に体を動かして携帯電話をポケットから取り出す・・・。

ことみだった。


「おにいちゃん?よかった!帰りがいつもより遅いから心配しちゃった♪」


「ことみ・・・」

「ことみ・・・ごめんよぉ・・・」

「僕・・・おにいちゃん失格だよぉ・・・・」


俺は涙声で謝る。ひたすら謝ることしかできなかった・・・。


「おにいちゃんはおにいちゃん失格じゃないよ?覚えてる?昔ことみが近所の子にいじめられてたときにおにいちゃん守ってくれたよね?」

「だから・・・おにいちゃんはことみの自慢のおにいちゃんだよ?」


それを聞いて俺は思い出した

そうだ・・・俺はことみのことを本気で守りたかったんだ・・・


すると今日の朝に会った老人のことを思い出した・・・

自分の守りたいものに気づいたときに来くるとよかろう


いいじゃないか。あの老人のところに行こうじゃないか・・・

なんでもやってやる

やっと思い出した大事な人を守るために・・・


「ことみ、ごめんこれから一週間ほど家に帰れないかもしれない」


そう言って携帯を切った



学校から紙切れの住所まで歩いて10分もかからなかった

そこは古き良き時代の日本建築物だった


ブザーを押すと

朝あったマスターヨーダが現れる


「ほぉ~小僧ずいぶんと早かったのぉ~しかもその目つき本当に守りたいものができたのか」フォッフォフォフォ


「あぁ、頼む。俺を強くしてくれ」


「よかろう、入りたまえ」


そのまま家の裏まで歩くと一つの道場があった


道場には戮力協心流と書いてある看板があった


「これはのぉ~」

マスターヨーダが話す


聞いた限りではこれから俺が習う流派はこの戮力協心流りくりょくきょうしんりゅうというらしい

戮力とは力を合わせること、すなわち相手の力と利用して決定打を打ち込むという意味で

協心は心を乱さず、相手と調和することらしい


つまりこの流派は体が弱いものがどうしても守りたいものを強者から守るために作られた流派らしい


この流派の肝はそこだとヨーダは言っていた

守りたいという気持ちがなによりも武器になると・・・。


そういえばヨーダーの本名を言うのを忘れていた。

柳 水明 (やなぎ すいめい)というらしい


「聖よ。お主はなにか得意なことはあるか?」


「僕の得意なこと・・・勉強ですかね?」

「特に記憶力と数式を応用したりするのは得意です」


「それはピッタリだのぉ~!」


水明は嬉しそうだ・・・

なにがピッタリなのだろう?


最初に教えられたのは攻撃をかわす構えである


この流派は驚くことにほとんどを自分からは仕掛けないのである

攻撃はほとんどカウンターを狙うらしい


なのでまずは右手を前に、左手を腰の辺りに構えたまますり足を絶対に忘れないという動きをひたすらやった。


気づくともう夜中の10時である

だが驚くことに疲労はない

自慢ではないが僕は1時間もあるけばダルくなって一歩もあるかなくなるような人間である

不思議だ・・・。


「水明さん、僕はボクシングの相手を倒さないといけないんだけどどんぐらいで勝てるレベルになりますか?」


「ほぉ~ボクシングかぁ~ボクシング相手ぐらいなら簡単じゃ、一週間だな」


一週間!?そんだけで強くなれるものなのか!?


「この流派は思いによって力を増すと言ったであろう」

「お主の思いが本気なら大丈夫じゃよ」


「そうですか・・・なら一週間後。あいつに勝負を挑みます」

「そしてことみを守る・・・」


そのためにも稽古が必要だ


俺は大好きなアニメのことも忘れて稽古に打ち込む



ー次の日ー


教室に入ると雪子がいつも通りに話かけてくる


「ハロォ~聖ちゃん♪今日はずいぶん目が活き活きしてるね!」


雪子といくつか話してから僕は昨日の稽古のことを思い出していた


「この流派はのぉ、イメージが大事なんじゃ。どの攻撃からもすぐに対処できるように常にイメージするのじゃ」


と言っていたのでイメージをする

つねに美●たんとキャッキャウフフな妄想をしていた僕にはこれは造作もないできごとだった


昼休みになったときには大体のイメージはできていた


「そろそろ行くか・・・」

今日学校に来た本当の理由を思い出す


その理由がなければ学校などとうに休んでいる


僕は3-Aまで行く

と、そこには目的人物が女の子の群れと一緒にいた


「宏希くん、ちょっと昨日のことで言いたいことあるんだけど少しいいかな?」

俺は全力の愛想笑いをする


「どうしたんだい?成田くん?」

あちらも愛想笑いで返してくる


「ここではなんだ、屋上までいこか・・・」

そう言った宏希の目つきは恐ろしいものだった


屋上まで行くとそこには誰もいなかった


「どうして俺を呼んだ?またボコられたいのか?」


「単刀直入に言おう、僕と決闘をしてほしい。」


「それ・・・本気で言ってんの?」

そう言うと宏希は腹を抱えて笑った


「マジかよwwwちょっwwwいいぜ!のったわ!」

「でもただの勝負じゃ面白くないよなぁ?」

「賭けをしようぜ、俺が負けたらことみとも別れて今までやってきたこと全部学校で言ってやるよw」

「でも・・・お前が負けたらことみをお前の前で公開レイプして全国配信だw」

「どうだ?面白いだろ?」


「いいだろう・・・」


それを言って俺は屋上の扉まで歩いていく・・・

扉を開いたとこで一回立ち止まってからゆっくりと右腕を上げて親指を下ろす


「絶対にぶっ殺す!」










決戦の日


俺はこの日まですべてのやることをやった・・・。

水明には感謝をしてもしきれない・・・が


俺が宏希に勝つことが精一杯の恩返しだ

俺は負ける気がしなかった


水明に教えてもらった戮力協心流のおかげではなかった

なぜか心が負ける気がしなかったのだ


決戦の場は学校近くの公園である


辺りは真っ暗で不気味なぐらいの静寂の中公園まで歩いていく


公園につくと人溜りができていた。

うちの学校の生徒らしい


「やぁ~聖くん♪待っていたよ!」


「宏希・・・・」

「これはどうゆうことだ?」


「学校裏サイトで書き込んだらこんなに人が集まっちゃってね」

「僕が勝ったらちゃんとことみちゃんを解放してくれよぉ?」


どうやら話では俺が悪者らしい。

だがそんなことどうでもいい


「僕は・・・守りたいものだけ守れればどうでもいい!」

「さっさとかかって来い!」


すると宏希はボクシング特有のフットワークで肉薄してくる

ボクシングで一番怖いところはスピードらしい

ボクサーはスピードをいかして相手を焦らせてパンチをだしたところに左手で早いジャブをだして渾身の右ストーレトを繰り出すのがボクサーの定石らしい

注:水明談なので嘘か本当かはわからない


だが予想通りに宏希は突っ込んできてくれた

そして僕は構えを取る


戮力協心流 鏡花水月きょうかすいげつの構え  


これは目に見えるが手にとれないという意味らしい

そのなの通り回避に特化した構えである


宏希は定石通りに左手の鋭いジャブが襲う


それを僕は右手で受け流しながら宏希の足を踏む

足を踏まれて勢いが逃げれず前のめりになる宏希の腹厳密に云えば鳩尾の部分を狙って膝を叩き込もうとする


しかしさすがに運動能力がずば抜けて高い宏希

前のめりになった体勢を生かしてそのまま前方宙返りをする


さすがにこれは予想していたなかった俺の膝は空を裂く


そのまま宏希は地面に着地すると同時に後ろを向いたまんま蹴りを繰り出す


俺はそれを行雲流水こううんりゅうすいの構えで受ける

空を行く雲と流れる水。物事に執着せず、淡々として自然の成り行きに任せて行動すること

ようするにカウンターで反撃することをやめて淡々と攻撃をかわせということらしい


ここに来て僕の得意分野がなかなか使えていることに気づく

記憶力は覚えた構えを的確に行動するのに適しているし応用力もその構えの的確な使い方をできている


実はこの一週間全部構えとカウンターで費やしていたのだ

水明のおっさんにはいつか旨い寿司でも食べさせてやらないと駄目だな


とか考えながらすべてのパンチを受け流す


すると宏希のパンチの振りが大きくなったのを見逃さなかった

攻撃をあまりにもかわされ続けて頭に血がのぼっているのだろう


ここだ!僕はすぐに疾風迅雷しっぷうじんらいの構えに切り替えてそのパンチの軌道を読む

大きなパンチは力が篭るので軌道が読みやすいのだ


この疾風迅雷の構えは他の構えとは少し違う

疾風迅雷の意味は「疾風」は速くて激しい風、「迅雷」は激しい雷鳴。

すなわち少々攻撃的な構えなのだ


宏希の振りのでかいパンチを突っ込みながらも間一髪でかわしながら全力で膝を振り上げる

みごと宏希の腹にあたって宏希が後ろに下がる


できればあの一発で倒れてほしかったのだが・・・

いくら戮力協心流が体力を使わない武術だとしてもここまで動けばさすがに疲れる


「ふざけんな・・・ふざけんじゃねえぞ!」

宏希が叫ぶ


「俺は完璧なんだ・・・完璧だからなにをしても許されるんだ!」

「そうだ!あの風俗に売られてったあいつらだって俺様のために体を売れるんだ!最高に幸せなことだろ!?」

「そうだ。完璧な俺様が負けるわけがない!」


駄目だ・・・完璧に頭に血が昇っている・・・

とりあえずギャラリーがいまの言葉でショックを受けていた

この戦いは宏希は悪者の俺を粛清するということになっていたのだろう

なのでここに集まってくるギャラリーに俺の見方などいるはずがないのだ

全員が宏希の応援にかけつけたのだ


なのにいまの言葉を聴かされたのだ

ショックで泣き崩れてる女の子までいる


まぁーそんなことは俺に関係はないが・・・

いまは宏希に集中しよう


宏希はなにかを呟きながらポケットに手をいれる

刃物か?


答えは刃物などではなかった

それは錠剤の入った瓶であった


「これはなぁ~アンフェタミンって云うんだ・・・父さんに頼んでもらっといてよかったよ」


「アンフェタミンって・・・一時的に身体能力をあげる覚醒剤じゃない!」

「やめて!宏希さん!」


ギャラリーにいた少女が叫ぶ


だがすでに宏希には聞こえていないらしい

宏希は瓶の中身全部を口に入れて租借していた


「いいね!最高の気分だ!ほら!いくぜ聖!」


宏希はすでに人間とは思えなかった

目の焦点が合わず腕からは青白い脈が浮き出ていた


すると宏希は人間とは思えないスピードで突っ込んでくる


俺は明鏡止水めいきょうしすいの構えをとる

明鏡止水とは一点の曇りもない静止している水のように、よこしまな心がなく明るく澄みきった心境のことで戦えという構えらしい


僕は守りたいものだけを考え迷いをなくし宏希のパンチを受け流しながら投げようとする

だが鉄のバットを受け流すより難しいんじゃないか!?と思うような重いパンチがきていた


それをなんとか受け流して投げるが宏希は逆立ちしてそのまま起き上がる

あぁーあれはきっと人間ではないのだろう・・・


宏希を倒すには昨日の最後に水明から教えてもらった戮力協心流最終奥義をつかうしかないだろう

だが一度聞いただけの俺にできるか?

いや、やるしかないんだ!

俺の守りたいものを最後に思い出し構えをとる


天衣無縫てんいむほうの構え

天衣無縫、すなわち天人の衣には縫い目のあとがないこと。技巧などのあとが見えず自然でありながら、欠点がなく美しいことを指す。


宏希がこちらを振り向く

やはり早い!

一瞬で間合いをつめられる

宏希が右手をふりあげる

しかし振りがでかいので簡単に避けれる


避けた同時に俺は流れるような動作でまずはスネを思いっきり蹴る

すると宏希は糸がきれたかのように膝をつく

そして右脇の神経が集まっている脇下に手刀をする

その手刀とに少し遅れながらも膝を鳩尾に叩き込む

そのまま右に回転しながらコメカミに掌底を叩き込む

すると左方向に頭が飛ぶのでそれに合わせて後頭部に強烈な回し蹴り喰らわせる!


その回し蹴りを最後に俺の長かったようで短かった一週間は終わった。




ー後日談ー


まず一番の変化、俺はことみとただの兄弟ではなくなった。

そう、帰ってから俺の思いをハッキリとことみに言うと

「言うのがちょっと遅いぞ、おにいちゃんの・・・バカッ」と照れていた


画してこれで俺もリア充になったのだった


宏希は・・・薬の副作用で重体らしい


だが宏希に風俗に売られていた子達は全員救われたらしい

それはよかったと思う


俺は・・・そうだな。

うん

まえより生きることが楽しい

このかけがえのない周りを守るために戮力協心流は今でも通っている


それに少しでも運動はしないといけないしね


今では記念すべき弟子第一号である


あっ・・・突然なのだが俺はいま教室にいるのだが

正直なところ教室からでたくない・・・


なぜなら・・・・


「おらぁ!この学校の成田 聖ってやつ出しやがれや!」


校庭でおっかないお兄さんたちが俺をお迎えにきてくれているのだ

あいつらは宏希の所属していた暴走族のやつらだろう・・・

もう少し俺の戦いはつづくらしい・・・



END



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