1/10
<転んだ人の心>
道で転んだとき初めて
転んだと認識する
視界には蟻から見るようなの風景が見えるから
それと同時に
今歩いていた道が広くてざらざらだということを認識する
自分が小さく見える
恥ずかしいから
いつまでも這いつくばっていたくはない
人間は自分が小さく見える世界を拒む
自分が大きく映る世界にいたがる
自分の小ささを知ったとき
立ち直るきっかけにもなれることを知らない
だからすぐ立ち上がる
なかなか過ちに気がつかない
でも立ち上がれなければ蟻のまま
道端で転んだら
いつもより長く這いつくばってみよう
自分がこの宇宙で
どれだけ小さく見えるかが
わかるかもしれない




