エピローグ:聞こえない声、聞こえる声
削除田議員の落選から1年後、彼は民間企業のSNSコンサルタントとして働いていた。
「削除田さん、このアカウントのコメント対応はどうしますか?」
クライアントからの相談に、削除田議員は答えた。
「批判コメントは削除しましょう。その方がスッキリします」
「でも、お客様の声として参考にならないでしょうか?」
「批判は聞かない方がいいです。気分が悪くなるだけです」
相変わらずの考え方だった。
しかし、クライアントは別の選択をした。
「やはり、すべての声に耳を傾けたいと思います」
「それは非効率ですよ」
「効率よりも信頼が大事です」
どこかで聞いたような言葉だった。
削除田議員は思った。
「みんな、なぜ批判を聞きたがるんだろう?」
彼には最後まで理解できなかった。
批判も含めて国民の声を聞くことが、民主主義の基本だということを。
今日も削除田議員のSNSアカウントは、コメントOFFのまま、誰とも対話することなく、一人語りを続けている。
〜SNSコメント消込&OFFマンの孤独な独り言は続く〜
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは一切関係ありません。
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【動画】 YouTubeにて公開しています。




