表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠の国に生まれた。氷魔法が使えた。  作者: 赤いチーズ
第1章幼年期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/28

第1話:「砂漠の国に生まれた。氷魔法が使えた。」

初投稿です。多めにみてください。

好きな人にはとことん刺さる設定にしてみたつもりです

暑い。


それが、この世界で目を覚まして最初に思ったことだった。


いや――

正確には「目を覚ました」というより、

気づいた、に近い。


昨日まで、俺はただの五歳の子どもだった。

暑いのは嫌いで、外で遊ぶのも好きじゃなくて、

家の中でごろごろしている方が楽で。


それなのに今、頭の奥で何かがはじけた。


知らないはずの知識。

見たことのないはずの景色。

そして、自分でも分からない「前の人生」の断片。


「……あー」


思わず、声が漏れる。


誰だったかは分からない。

何をしていたのかも分からない。

自分の名前すら、思い出せない。


ただ、知識だけが残っている。


熱は移動する、とか。

温度差があれば、エネルギーは流れる、とか。


「……まあ、いいや」


思い出せないなら、それでいい。

正直、そこまで困らなかった。

取り敢えず、今世の名前はルークという名前らしく、商隊で働く寡黙な父と心優しい母と3人で暮らしている。…んだが、


それよりも――暑い。


「ぼーっとして、どうしたの?」


母さん――サーラが、心配そうに俺を覗き込む。

その後ろでは、父さんのカリムが水袋を差し出してきた。


「……ほら、水」


短い一言。


受け取って口をつける。

生ぬるいはずの水なのに、なぜか飲みやすい。


「ありがと……うまい」


そう言うと、サーラが少し首を傾げた。


「不思議ね。そういえばこの子、昔から暑がらないのよ。まあ、昔って言ってもまだ5歳なんだけど」


カリムが俺を見る。

その視線は鋭いけど、俺を心配しているのがよく分かる。


――ああ。


この人たちが、俺の両親なんだ。


理由は分からないけど、

その事実だけは、妙にしっくりきた。


前世がどうとか、世界がどうとか、正直どうでもいい。


俺が守りたいのは、たぶん――

この暑い家で、三人で過ごす、何でもない日常なんだ。


「……楽に生きたいな」


ぽつりと呟くと、のほほんとしたサーラがくすっと笑った。


「この子ったら、おかしな子ねえ」


「寝ぼけているんじゃないか?今日はもう遅い。みんなでベットに行こう」


この世界は前世に比べてクーラーも、テレビも、車も無いよくあるファンタジー小説の世界そっくりだ。おそらく、不便さや身の安全など、心配ごとは尽きないだろう。

でも、2人が俺を見つめる目を見ると、案外この世界も悪くはなさそうだと思えた。

評価・コメントしていただけるとモチベーションにつながります。あなたの「いいね」で次回の投稿が早くなるかも!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ