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『東京優駿』出走歴のある馬の一口馬主である私が、創作における凱旋門賞馬の架空血統を考えた

作者: 赤羽 倫果

 最近、某ゲームの影響のためか、競馬を題材にした小説が、こちらに投稿されています。多分、みなさんはゲームを通じて、リアルの競馬に興味を抱いたのだと思います。


 ところで、来週はフランスにて、凱旋門賞が開催されます。

 日本の期待馬はなんと言っても、キングヘイローとマルゼンスキーを持つディープボンドですね。


 ただし、勝つ可能性が高い馬となると、アダイヤーかハリケーンレーンのどちらかではないでしょうか。残念ながら3着以内はあっても、勝つまでにはいたらないでしょうね。


 根拠は、『サドラーズウェルズ』の血を引いていないからです。ナカヤマフェスタが2着だった時、勝ち馬は母の父がサドラーズウェルズでした。

 そもそも、この時期のロンシャン競馬場は長雨の影響で、より一層ふにゃっとした状態になります。 

 ただでさえ柔らかすぎる馬場が、余計にふにゃっとなるので、コンクリートと揶揄される日本の馬場にサドラーズウェルズは不向きなのです。

 これは、サドラーズウェルズ以外の凱旋門賞馬にも該当します。

 実際、日本の馬場に父として適応する産駒を出した凱旋門賞馬は、キングヘイローの父ダンシングブレーヴしか存在しません。


 日本国内で無双だったディープインパクトやアーモンドアイは、硬い馬場でないと高パフォーマンスを発揮出来ない弱点があります。

 いわゆるスライドを伸ばすタイプなので、高速ピッチを持久力で継続出来るような馬でなければ、凱旋門賞の掲示板すら叶いません。

 

 以上を踏まえた上で、凱旋門賞を舞台にした小説を書く際、血統をどのようにデザインするべきでしょうか。


 リアリティを追求した結果、


父エイシンフラッシュ

母の父フランケル

母母父ネオユニヴァース

母母母ウィンドインハーヘア


 のようになります。


 父をエイシンフラッシュとした理由は、父系がキングマンボ系でなければ、日本の芝中距離で出世が難しい事情があります。

 サンデーサイレンス系が日本で覇権を握った背景に、上がり3ハロンを33秒台で走るスキルが高かったためです。そして、サンデーサイレンス系以外でキングマンボ系だけが、上がり3ハロンを33秒台のレースに適応していました。


 ちなみに、私が一口馬主として出資した、『東京優駿』への出走歴のある馬は、父がデインヒル系のハービンジャーですが、母父父がキングマンボでした。


 これを踏まえた上で、


『無銘血統が成り上がりでクラシックを席巻した後に、凱旋門賞を勝つ』


 と言う王道ストーリーを破綻させないためには、血統表のどこかにキングマンボがないと条件は成立しません。

 エイシンフラッシュはキングマンボ系の王道からは少し外れているから、創作の構成を担うにも相応しいですね。


 ウィンドインハーヘアはディープインパクトの母として有名ですが、ヨーロッパで活躍した馬でしただけではなく、母系をさかのぼれば、エリザベス女王陛下所有の名牝に連なる名血です。

 なぜ、この母からスライドを伸ばす名馬がでたのか、私は全く理解出来ません。ただし、母系の一番下にある牝系は、優秀な一族の末裔の方が明らかに有利です。

 そこは、母から祖母は未勝利、未出走だったと色をつければいいでしょう。


 他に私が最も重要視する馬が、ネオユニヴァースです。凱旋門賞の歴代勝ち馬の血統を眺めていると、クリスの名前を目にしますが、ネオユニヴァースはクリスを血統表内に抱えています。


 最後に、母父フランケルの重要性は、エイシンフラッシュの父キングズベストとフランケルの持つアーバンシーが父違いの兄妹であり、サラブレッドは同じ母系同士を重ねると、高確率で走る力に直結するからです。


 フランケルほどの馬は、零細牧場だと手に入らない問題はどうするのか? そのように、気にされるかと思います。


 ここだけの話として、一口馬主でおなじみのクラブで募集された持ち込みの馬=海外種牡馬の産駒を受胎した母から日本で生まれた牝馬は、期待程活躍しません。

 その場合、現役引退後に日本国内の繁殖セールに出される例が少なくなく、取引価格は意外にもリーズナブルだったりします。

 海外ならば高額取引されるはずの良血牝馬が、日本国内の繁殖セールだと廉価で手に入る訳です。


 つまり、創作で好まれる零細牧場が、国内の繁殖セールにてついうっかり、分不相応な良血牝馬を手に入れるシチュエーションは理論上可能です。


 ヨーロッパだと、キングマンボよりもドバウィが覇権を握っていますが、今のところ日本国内の芝中距離で無双するようなドバウィ産駒はいないので、父エイシンフラッシュは有効だと考えています。


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